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7.異世界
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「ここ…」
イブは草むらの影に隠れて少し隙間を作ると覗けとばかりに横にずれる。
賢人は屈んで覗き込むと目の前に信じられない光景が広がっていた。
「なんだこれ…」
賢人は目の前のものが信じられずに頬をつねる。
イブが着いたと言った場所にはまるで教科書で習った弥生時代のような家が建っていた。
家…と言っていいのかわからないが木と藁で出来たような家が建ち並びその周りを囲うように柵がある。
柵の中には気持ち程度の畑があり、何か植わっていた。
痛い…
つねった頬がじんわりと痛くなる。
やっぱりここに来たことといい目の前の光景は全部夢ではないのか…
はぁ…とため息をついてパソコンを開いた。
そこには確かに異世界と書いてあるがどんな場所とは書いてなかった。
賢人としては同じような生活水準の世界に来たのかと思っていたが違ったようだ。
それならこの子がこんなにもみすぼらしい格好なのも頷ける。
「とりあえずイブを届けて考えるか…」
イブをこのままにしておけないので賢人はイブの手を取り立ち上がった。
するとイブが慌てた様子でオロオロとしだす。
「すみませんー」
賢人はそんなイブの様子に気が付かないで門らしい場所をめざして歩き出した。
「誰だ!」
すると槍の様な棒を持った男が警戒して賢人を睨みつける。
賢人は片手をあげて敵意はないと笑った。
「こちらの子が迷子だったので送り届けに来ました。ついでに少し町…村?に寄らさて貰えると助かるんですけど…」
なるべく下手に声をかけるとちょっと待ってろと武器を向けられたまま待たされる。
「えっとイブは?」
子供の安否を喜ぶかと思っていたが門番も様子をうかがっている人も誰一人イブの事を見ていない。
「イブ、行っていいぞ」
そう言って背中を押すがイブは足に掴まって離れなかった。
まぁいいかと門番の戻るのを待っていると少し年老いた男と戻ってきた。
一緒賢人とイブを睨んだと思ったがニコニコと笑って近づいてきた。
気のせいか?
「あなたがこの村の子を連れてきてくれたと聞きましたが?」
穏やかな声で友好的に話しかけてくる。
「そうなんです。迷子になっていたようでここまできて…ほら、イブ」
賢人がイブを前に出すと話していた男がイブをみて笑いかけた。
「心配してたんだぞ、無事でよかった…さぁこっちに来なさい」
イブはなかなか足を前に出そうとしない。
「来なさい…」
「!!」
もう一度大きな声で言われて慌ててその人の元に駆け寄った。
「誰かこの子の面倒を見てあげない。私はこの方をもてなすからね」
そういうと数人が飛び出してきてイブを連れてどこかへ連れて行ってしまった。
「いや、もてなしなんていいです。ちょっと休ませてもらってまたすぐに出ますんで」
賢人が断るが是非ともと言われて中へ引っ張られた。
聞けばここは村らしく代表して話していた人が村長らしい。
「いやぁ客人なんて久しぶりでどうおもてなしをしていいか、何もありませんがゆっくりしていってください」
そう言って木のコップに注がれた水を出される。
「あ、ありがとうございます」
口をつけようとすると少し泥臭い…
まさか川から汲んだ水とか?
賢人は飲むふりをするとこにした。
「何か用意しますので今夜はこの家をお使いください」
連れていかれた住居に通されると扉を閉じられ村長は外へと出ていってしまった。
「さすがにこの村じゃ定住とはいかないよなー」
もう少し発展した町や村があるかもしれない…さすがに風呂も無さそうなところではキツかった。
今日は休ませて貰って明日出ていくことにした。
イブは草むらの影に隠れて少し隙間を作ると覗けとばかりに横にずれる。
賢人は屈んで覗き込むと目の前に信じられない光景が広がっていた。
「なんだこれ…」
賢人は目の前のものが信じられずに頬をつねる。
イブが着いたと言った場所にはまるで教科書で習った弥生時代のような家が建っていた。
家…と言っていいのかわからないが木と藁で出来たような家が建ち並びその周りを囲うように柵がある。
柵の中には気持ち程度の畑があり、何か植わっていた。
痛い…
つねった頬がじんわりと痛くなる。
やっぱりここに来たことといい目の前の光景は全部夢ではないのか…
はぁ…とため息をついてパソコンを開いた。
そこには確かに異世界と書いてあるがどんな場所とは書いてなかった。
賢人としては同じような生活水準の世界に来たのかと思っていたが違ったようだ。
それならこの子がこんなにもみすぼらしい格好なのも頷ける。
「とりあえずイブを届けて考えるか…」
イブをこのままにしておけないので賢人はイブの手を取り立ち上がった。
するとイブが慌てた様子でオロオロとしだす。
「すみませんー」
賢人はそんなイブの様子に気が付かないで門らしい場所をめざして歩き出した。
「誰だ!」
すると槍の様な棒を持った男が警戒して賢人を睨みつける。
賢人は片手をあげて敵意はないと笑った。
「こちらの子が迷子だったので送り届けに来ました。ついでに少し町…村?に寄らさて貰えると助かるんですけど…」
なるべく下手に声をかけるとちょっと待ってろと武器を向けられたまま待たされる。
「えっとイブは?」
子供の安否を喜ぶかと思っていたが門番も様子をうかがっている人も誰一人イブの事を見ていない。
「イブ、行っていいぞ」
そう言って背中を押すがイブは足に掴まって離れなかった。
まぁいいかと門番の戻るのを待っていると少し年老いた男と戻ってきた。
一緒賢人とイブを睨んだと思ったがニコニコと笑って近づいてきた。
気のせいか?
「あなたがこの村の子を連れてきてくれたと聞きましたが?」
穏やかな声で友好的に話しかけてくる。
「そうなんです。迷子になっていたようでここまできて…ほら、イブ」
賢人がイブを前に出すと話していた男がイブをみて笑いかけた。
「心配してたんだぞ、無事でよかった…さぁこっちに来なさい」
イブはなかなか足を前に出そうとしない。
「来なさい…」
「!!」
もう一度大きな声で言われて慌ててその人の元に駆け寄った。
「誰かこの子の面倒を見てあげない。私はこの方をもてなすからね」
そういうと数人が飛び出してきてイブを連れてどこかへ連れて行ってしまった。
「いや、もてなしなんていいです。ちょっと休ませてもらってまたすぐに出ますんで」
賢人が断るが是非ともと言われて中へ引っ張られた。
聞けばここは村らしく代表して話していた人が村長らしい。
「いやぁ客人なんて久しぶりでどうおもてなしをしていいか、何もありませんがゆっくりしていってください」
そう言って木のコップに注がれた水を出される。
「あ、ありがとうございます」
口をつけようとすると少し泥臭い…
まさか川から汲んだ水とか?
賢人は飲むふりをするとこにした。
「何か用意しますので今夜はこの家をお使いください」
連れていかれた住居に通されると扉を閉じられ村長は外へと出ていってしまった。
「さすがにこの村じゃ定住とはいかないよなー」
もう少し発展した町や村があるかもしれない…さすがに風呂も無さそうなところではキツかった。
今日は休ませて貰って明日出ていくことにした。
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