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用意してもらった家にイブと二人っきりになるとようやく落ちついてきた。

「はぁ…どこの世界も女の方が怖いよな…」

シルビオの達の態度に思わず賢人がため息をつくとイブが横にピッタリと体をつけて見上げてくる。

「そういやお前も女だったな、将来男が嫌いになるのか…」

そう思うと寂しくなる。

「イブ、ケントずっとすきだよ?」

イブはよくわからないと首を傾げる。

「うんうん、お前はずっとそのままでいてくれ」

賢人は願いを込めてイブの頭を撫でるとイブは嬉しそうに頬を赤らめた。

「さてと、少し荷物の確認をしておくか…」

賢人はバックからパソコンと今ある物を取り出す。

「あー飴がもう少ないな…でも金も無いしな…」

パソコンに表示される金額はここに来た時の半分になっていた。

ここらで本当にお金を稼がないと何も買えなくなってしまう。

どうしようかと悩んでいると…

トントン!

扉がノックされてビクッと身構えた。

開けた瞬間に刺されでもしたらどうしよう…

開けるのに躊躇して近づけないでいるとイブが気にした様子もなく扉を開けてしまった。

すると先程帰ったシルビオが周りを気にしながら入ってきた。

「シ、シルビオさん?どうしたんですか?」

「あの…その…さっきの…」

なんかモジモジとしながらこちらをうかがっている。

先程の高圧的な態度は見えなかった。

「さっきの?」

なんだと頭を捻って考える。

するとテーブルに広がった荷物をみて目を輝かせた!

「そ、それ!それをまた貰えたりはしないだろうか?」

そう言ってテーブルの上の飴を指さす。

「あー…あげたいのは山々なんだけどもう残り少ないんだよね」

イブの分は取っておいてあげたいし余裕の無い今は余分にあげる訳にはいかなかった。

「な、なら買うから!いくらだ1000リルか?」

「リル?リルってお金のこと?」

「は?」

そんな事も知らないのかとバカにした顔で見てくる。

「この世界に来るのは初めてなんでね!リルが何円かわからないとなぁ…」

「えん?それはどこの通過だ?」

「俺のいた国なんだけど…さっきの飴はまぁ150円くらいで買えるんだよ」

「あれが150えん…あれほどの食べ物だえんも高いんだろうな…」

シルビオさんは悩んだ挙句1500リルを渡してきた。

「1500リルだ、多分あれはこのくらいするだろう」

シルビオさんから渡された通過を見つめる。

この世界の通貨の価値がわからない以上この国の人の判断に任せるしかないと思いそれを受け取った。

確か説明にはこの国の通過も使えると書いてあった、それが嘘ではないといいんだけど…

願いを込めて賢人は受け取ったお金をカバンに入れた。



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