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お金はバックにそのまま吸い込まれるように入っていった。

そしてパソコンを開いて見ると…

「入金されてる!」

金額の数字が上がっていた!

「えっ…」

そして金額を見て驚く…見れば金額は35000円になっていた。

つまり1000リルは10,000円になると言うことだ。
これでは貰いすぎだ。

「ご、ごめん、シルビオさん!」

「謝ると言うことは足りないと言うことだな。ではもう1000リルでどうだ」

シルビオさんは頷き、躊躇することなく1000リルを出す。

「いやいや!多すぎるんだよでも入れちゃったからもう戻せないかも…」

どうにかお金を出す方法は無いかとパソコンをいじってみるがわからない…

全てを入れてしまうのも考えものかもしれない。

「足りてるならそれでいい」

シルビオさんは気にした様子もなく手を差し出した。

俺はとりあえず飴を買い足す。
一袋買ってそれを全てシルビオさんに渡した。

「残りはどうしますか?全部飴だと5、60袋になっちゃいますよ」

「こんなにいい、これにはそれだけの価値があるぞ、そんなに安売りしない方がいい」

シルビオさんが真面目に頷いて飴を一つだけ貰って残りは返した。

「えっ…」

この飴一つでこの世界では10,000円?

「いや、駄目ですよ!それだとこっちが貰いすぎです」

「なら…もう一つ貰ってもいいか?」

シルビオさんは大見得を切った手前恥ずかしそうに飴を見つめる。

「もちろんです。あっ良かったら違う物もあげましょうか?」

俺はパソコンをみて女性が好きそうなチョコを選択してみた。

これも袋にいくつも入ったお徳用である。

「これはチョコって言うんですけど…イブも食べてみるか?」

「これ…食えるのか?」

シルビオさんは訝しげにチョコを受け取った。

「飴みたいに袋を取って食べるんですよ」

俺は一つ食べてみせる。
疲れた体に糖分が染み渡る…実は甘い物が大好きだった。

男が…と言われそうであまり公言してなかったがここでは別に構わないと思った。

イブは俺から受け取ったチョコを疑う様子もなく口に入れると震えて唸りだした。

「う~!」

「や、やはり毒!?」

シルビオさんが剣に手をかける。

「ちょ!そんなはずは…」

両手を上げて降伏の合図をしていると…

「あまーい!」

イブが目をまん丸にして叫んだ。

「おいしい~あめもすきだけどチョコもすきー!」

頬を押さえて悶えていた。

「そ、そんなにか?」

シルビオさんはイブの様子に唾を飲むとチョコを思い切って口に入れた。

モグモグと口を動かしているとミルミルと表情が崩れる。

凛々しい顔つきがトロっとチョコの様にとろけた。

「美味しい~」

イブと同じように頬を押さえた。
可愛い女性の喜ぶ顔は見てて嬉しい、思わずこっちまで笑顔になる。

「喜んで貰えてよかった、こっちも良かったらいくつか持ってて下さい」

「いいのか!?」

シルビオさんは嬉しさのあまり手が震えている。

「はい、挨拶がわりです」

「ありがとう…」

チョコの誘惑に負けたシルビオさんはしおらしく受け取った。
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