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「よし、できた。さぁ食おう」
賢人は容器に粥をすくって二人に渡すと自分の分もよそった。
「いただきます」
「「いただきます」」
まずは賢人が一口食べてみる。
「うん、まぁまぁかな」
少し味が薄かったかもしれないがいきなりの食事だしこのくらいの方がいいだろう。
少し反応が気になって二人が食べるのをそっと見ていた。
「うそ…」
「おいしー!」
イブは素直にうまいうまいと食べていたがシルビオは眉間に皺を寄せて固まってしまった。
「あんまりうまくないか?」
賢人が聞くとブンブンと首をふる。
「違う!逆だ、すごく美味くて驚いた」
もう一口食べてよく噛み締めている。
食べるのがもったいないのかゆっくりゆっくりと食べていた。
「おかわりならあるぞ…まぁ病み上がりだからあんまり食べすぎるのはよないけど」
賢人が声をかけると二人で同じように顔を輝かせる。
「も、貰ってもいいのか?」
「少しならいいぞ」
シルビオはゆっくりと全てを平らげておかわりと恥ずかしそうに賢人に容器をさしだした。
イブも負けじとおかわりをすると、鍋はあっという間に空になった。
お腹いっぱい食べて眠くなったのかその後すぐに二人は寝てしまった。その後もシルビオの体調を考慮して一日静かに過ごすことにした。
この日から食事は全て賢人が用意してやり、最初は申し訳無さそうに貰っていたシルビオも一日経つと打ち解けてきたのかおかわりをするのが当たり前になる。
数日休むとシルビオは問題なく動けるまで回復していた。
「うん、大丈夫そうだ」
シルビオは自分の体の調子を確認して頷くと、改めて膝をついてケントの前に座った。
「ケント、今までありがとう。そしてすまなかった…私は間違っていたよ、ケントは普通の男とは違う」
「うん、まぁもういいよ。別にシルビオが全て悪いわけじゃないしこうして助けてくれたから今は笑える」
二人は気まずそうに視線を逸らした。
「仲直りだね!」
そんな二人の間に立ってイブは嬉しそうに交互に見つめる。
そして二人の手をとると手を繋いだ。
「謝ったし仲直りだよね?」
「ああ、そうだな」
「うん、ありがとう」
シルビオとケントは頬を染めて手を取りあった。
「じゃあ私はもう体調もいいし…ここら辺で別れるよ」
「え!?」
シルビオの言葉にイブは驚いて立ち上がる。
「シルビオ、どこにいくの?」
「まさか村に戻るのか?」
ケントも心配していた。
「いや、もうあそこには戻れないし戻る気もないよ。まぁ狩りも出来るしどうにか一人で暮らしていくよ」
「な、なら…」
イブはちらっとケントの様子をうかがう。
一緒にくればと言いたいがそれを自分が言うべきではないと思っていた。
そんなイブの反応に賢人は笑った。
「シルビオが良ければ俺達と来るか?」
「え?」
「イブもそう思ってるみたいだし、人数が多い方が心強いからな。それにシルビオは強いみたいだし」
「そ、そりゃケントよりは強いけど…女の私をそばに置いて大丈夫か?」
シルビオは不安そうに聞いてきた。
「女をそばに置くわけじゃないよ、シルビオだからそばにいないかって言ってんだ」
賢人の言葉にシルビオは嬉しそうに頷いた。
賢人は容器に粥をすくって二人に渡すと自分の分もよそった。
「いただきます」
「「いただきます」」
まずは賢人が一口食べてみる。
「うん、まぁまぁかな」
少し味が薄かったかもしれないがいきなりの食事だしこのくらいの方がいいだろう。
少し反応が気になって二人が食べるのをそっと見ていた。
「うそ…」
「おいしー!」
イブは素直にうまいうまいと食べていたがシルビオは眉間に皺を寄せて固まってしまった。
「あんまりうまくないか?」
賢人が聞くとブンブンと首をふる。
「違う!逆だ、すごく美味くて驚いた」
もう一口食べてよく噛み締めている。
食べるのがもったいないのかゆっくりゆっくりと食べていた。
「おかわりならあるぞ…まぁ病み上がりだからあんまり食べすぎるのはよないけど」
賢人が声をかけると二人で同じように顔を輝かせる。
「も、貰ってもいいのか?」
「少しならいいぞ」
シルビオはゆっくりと全てを平らげておかわりと恥ずかしそうに賢人に容器をさしだした。
イブも負けじとおかわりをすると、鍋はあっという間に空になった。
お腹いっぱい食べて眠くなったのかその後すぐに二人は寝てしまった。その後もシルビオの体調を考慮して一日静かに過ごすことにした。
この日から食事は全て賢人が用意してやり、最初は申し訳無さそうに貰っていたシルビオも一日経つと打ち解けてきたのかおかわりをするのが当たり前になる。
数日休むとシルビオは問題なく動けるまで回復していた。
「うん、大丈夫そうだ」
シルビオは自分の体の調子を確認して頷くと、改めて膝をついてケントの前に座った。
「ケント、今までありがとう。そしてすまなかった…私は間違っていたよ、ケントは普通の男とは違う」
「うん、まぁもういいよ。別にシルビオが全て悪いわけじゃないしこうして助けてくれたから今は笑える」
二人は気まずそうに視線を逸らした。
「仲直りだね!」
そんな二人の間に立ってイブは嬉しそうに交互に見つめる。
そして二人の手をとると手を繋いだ。
「謝ったし仲直りだよね?」
「ああ、そうだな」
「うん、ありがとう」
シルビオとケントは頬を染めて手を取りあった。
「じゃあ私はもう体調もいいし…ここら辺で別れるよ」
「え!?」
シルビオの言葉にイブは驚いて立ち上がる。
「シルビオ、どこにいくの?」
「まさか村に戻るのか?」
ケントも心配していた。
「いや、もうあそこには戻れないし戻る気もないよ。まぁ狩りも出来るしどうにか一人で暮らしていくよ」
「な、なら…」
イブはちらっとケントの様子をうかがう。
一緒にくればと言いたいがそれを自分が言うべきではないと思っていた。
そんなイブの反応に賢人は笑った。
「シルビオが良ければ俺達と来るか?」
「え?」
「イブもそう思ってるみたいだし、人数が多い方が心強いからな。それにシルビオは強いみたいだし」
「そ、そりゃケントよりは強いけど…女の私をそばに置いて大丈夫か?」
シルビオは不安そうに聞いてきた。
「女をそばに置くわけじゃないよ、シルビオだからそばにいないかって言ってんだ」
賢人の言葉にシルビオは嬉しそうに頷いた。
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