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「改めてよろしくお願いします」

シルビオはペコッと頭を下げた。

「やったー!シルビオも一緒に行けるね!」

イブは嬉しそうにシルビオに抱きついた。

シルビオも行くと決まり早速移動をする事にした。

荷物を全てしまって他にも必要そうな物を買い足しておく。

「ケントのバッグはすごいな…それにその板も…あいつが狙うのもわかるよ。絶対に私達以外に見せない方がいい」

シルビオから改めてショルダーバッグとパソコンの異常性を教えられた。

「まぁそうだと思ったけど…でもこれ俺にしか使えないんだよ」

「それでもだ!絶対に見せちゃだめだ!本来ならイブや私にだって秘密にしとくもんだぞ」

シルビオが賢人の迂闊さに呆れている。

「以後気をつける…まぁこれから人に会うかわからないけどな」

「そうだな…北がどんなところか私もわからない…何もないし人が生きていける場所じゃないかもしれない…」

シルビオが少し不安そうに言うとイブが心配そうに手を握ったきた。

「それなら少し考えがあるんだ、まぁだからドンと頼ってくれ」

「ああ、ケントの事は頼りにしてるよ。なぁイブ」

「うん!ケント大好き」

「い、いや…好きとかじゃなくて頼りにね…」

イブの反応にシルビオは顔を真っ赤にしてゴニョゴニョと口ごもる。

「それって好きって事でしょ?」

イブはわからないと首を傾げてシルビオに聞いてくる。

「イブ、そういうのは自分の中で決めることなんだよ」

「ふーん…イブはケント好きだよ!頼りしてる!」

「ああ、ありがとうな。俺もイブが好きだし頼りにしてるよ」

「わ、私だって…その…好きだし…頼りにしてる!」

シルビオが負けじと声を出すが肝心のところは聞き取れないほど小さかった。

「無理するな、別に媚び売らなくったって見捨てたりしないよ」

賢人は笑って外の様子を見に向かった。

「媚びなんか売ってないし…」

シルビオは本気にしてないケントの背中にべー!っと舌をだした。

三人で外に出て様子を見てみると…

「なんか臭い…」

イブが鼻をつまんで顔を顰めた。
賢人達も異臭に周りをうかがう。

「見て!」

イブが指さす方を見ると黒い煙が上がっていた。

「あっちは…まさか…」

シルビオの村の方角に見える。

「村で何かあったのかも…」

イブがシルビオの顔をチラッと見上げた。

「別に何かあってもいいさ、それよりも今がまたとない機会なんじゃないか?」

シルビオが先を急ごうと促した。

「本気にいいのか?」

「いい…」

シルビオは顔を背けると、煙とは逆側に向かって歩き出す。

無言で三人で歩き出した。
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