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「この先でいいんだな」

隣で腕を組むシルビオに確認しながら洞窟の中を進んでいく。

「うん、こっちから風が流れてるから道はあると思う」

シルビオが指さす方にライトを向けた。

「まだ先は見えないな、今日はここら辺で休むか…」

賢人が歩みを緩めると二人はパッと手を離して寝支度を整えた。

賢人はその間に食事の用意をしてみんなで軽く済ませる、いざ休もうと布団を見るといつもと様子が違った…

「おい、これはなんだ?」

賢人は敷かれた布団を指さして眉間に皺を寄せて二人に問いただした。

「これは私達が話し合った結果だよ」

「そうなの!だってケント私と寝てくれるって言ったよね?」

「そりゃイブと寝るのは約束したけどシルビオもとは言ってないぞ!仕切りはどうしたんだ」

「あれはもういいよ、何かあった時邪魔だし怖いし。それならこっち側に付けておいたよくないか?」

シルビオが歩いてきた方面を指さした。

「まぁ誰か来るならこっちからかもしれないけど…」

「そういう事!私達はケントと寝たいの、だからあれはもう必要ない」

「ない!」

シルビオとイブはうんうんと納得しているが賢人としては複雑だった。

昨夜のシルビオの事もあるし少し離れて寝たかったのに…

「わかったよ、じゃ俺はこっちの端で…」

賢人は右端の布団を取ろうとするとシルビオがその布団にピョンッと飛び乗った。

「だめ、ここは私」

「え?でも危なくないか?」

そっちは仕切りを置こうとしていた通路側だった。

「私、ケントより強いから問題ない」

「なら」

賢人はその反対側の布団を見ると…そこにはイブが寝ていた。

「イブはそこで寝るのか?」

「うん、ケントはここね!」

イブは真ん中の布団をポンポンと叩いた。

「俺が真ん中なの?」

賢人は腑に落ちない気分で真ん中の布団を見つめた。

「ほら、ご飯も食べたし寝ようよ!」

二人はちゃっかりと布団に入っていて賢人はそこで寝るしかないようだった。

仕方ないと諦めて布団に入ると…モゾモゾ…二人が両側から擦り寄ってきた。

「自分の布団があるだろ!」

「だって寒いし」

「一緒に寝るって言った」

二人はクスクス笑ってケントにピッタリとくっついた。

「あったかいなぁ…」

「うん、ケント狭い?大丈夫?」

「そう思うなら少し離れてくれよ」

「やだー」

イブは笑ってさらに抱きしめる腕に力を入れる。

「たく…」

賢人は困った顔をしながらも懐いてくる二人に悪い気はしなかった。

ただ…シルビオが抱きつくと胸の感触がしっかりと伝わる。イブがいるので反応する訳にはいかない…しかし下半身は言うことを聞かずに元気いっぱいだった。

賢人は今夜眠れるかだけ心配だった。
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