67 / 125
67ハク
しおりを挟む
あの娘が置いてったおにぎりが妙に気になる…
あの忌まわしき記憶の供物に似ていた…そしてほのかに香る梅の匂い…
私を最後まで助けてくれた梅の木…
思わずおにぎりに手が伸びる、そのまま一口かぶりつくと…梅の酸味が口に広がる…
この味だ…
ふっと…昔の記憶が甦る…
「いつも見守って下さりありがとうございます」
「うちで取れたお米と梅です…あまり今年は取れませんで少しですが…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「古今ところ病気が流行り人手も減りました…お社を直せずすみません…」
「どうか…皆が冬を越せますように…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
………
………
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
何を今更…と思っていたが…
あれは…もしかしたら無けなしの供物だったのかもしれない
確かに社は壊されたが…必死で止めようとする声もあった…あの時の私には聞く余裕がなかったんだな…
懐かしい味に手が止まっていると…ファイが戻ってきた…
なぜ私の好きな梅を知っているのか不思議に思い聞くと…
部屋の様子と外の梅の木を見ただけでわかったと言う…
あの娘は…
ファイが何やらニヤニヤと笑いながら味の感想を求めて来る…思わず本音でが出てしまうと…
ファイが驚き固まってしまった…
その様子に直ぐにファイをさがらせる…
「また…これが食べられるとは…」
ハクは残りのおにぎりを全て平らげた…。
仕事終わりにファイにあの娘を呼ぶように言うと…ファイが難色を示す…
ファイがそうなるのも珍しい…どんな仕事もニコニコと無難にこなす奴なのに…
手間は取らせないから連れて来るように言うと渋々納得する…帰りは送るからとさがらせようとすると…
「また明日!」
と自分の存在を私にアピールしたようだ…取って食いなどしないのに…
ファイをさがらせると娘と向き合う…この娘をちゃんと見たのはこの時が二度目だった…
初めてはルシファー様に紹介された時…あの時はオドオドとしていだが…今は…同じ娘か?
とりあえずおにぎりの礼を言うと…嬉しそうに喜んでいた…作った奴が喜ぶとは…調子が狂う…
外の梅の木を見て…よかったら一緒に梅干しを作らないかと言われる…何故私が?
怪訝に思うと…自分がいなくなった後のことを心配していた…
確かに人と魔族とでは時間が違うが…
人とは死を恐れるものではないのか?
あいつらはそうだった…その為に私は…
しかしこの娘は死を受け入れているようだ…まだそんなにも生を受けてから幾分も経っていないはずなのに…
この様な人もいるのだな…
いや…私がきちんと見ていなかっただけか…
娘と梅の実がなったら作ることを約束して部屋へと送り届けると…
嬉しそうにしながら私が優しいと言う…
優しくなどした覚えもなく、どちらかと言うと辛くあたったつもりだが…そう…全てはルシファー様の為だ!そして梅の為…
そう口にすると…自分でも言ってて可笑しくなる…つい笑いが漏れると…
笑ってる方が素敵だと言われた…
私の十分の一もいきていない小娘が何を言ってるやら…
しかし…悪い気はしない…
まぁ…ルシファー様の愛娘だ…ルシファー様の為少しは可愛がってやろう…。
あの忌まわしき記憶の供物に似ていた…そしてほのかに香る梅の匂い…
私を最後まで助けてくれた梅の木…
思わずおにぎりに手が伸びる、そのまま一口かぶりつくと…梅の酸味が口に広がる…
この味だ…
ふっと…昔の記憶が甦る…
「いつも見守って下さりありがとうございます」
「うちで取れたお米と梅です…あまり今年は取れませんで少しですが…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「古今ところ病気が流行り人手も減りました…お社を直せずすみません…」
「どうか…皆が冬を越せますように…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
………
………
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
何を今更…と思っていたが…
あれは…もしかしたら無けなしの供物だったのかもしれない
確かに社は壊されたが…必死で止めようとする声もあった…あの時の私には聞く余裕がなかったんだな…
懐かしい味に手が止まっていると…ファイが戻ってきた…
なぜ私の好きな梅を知っているのか不思議に思い聞くと…
部屋の様子と外の梅の木を見ただけでわかったと言う…
あの娘は…
ファイが何やらニヤニヤと笑いながら味の感想を求めて来る…思わず本音でが出てしまうと…
ファイが驚き固まってしまった…
その様子に直ぐにファイをさがらせる…
「また…これが食べられるとは…」
ハクは残りのおにぎりを全て平らげた…。
仕事終わりにファイにあの娘を呼ぶように言うと…ファイが難色を示す…
ファイがそうなるのも珍しい…どんな仕事もニコニコと無難にこなす奴なのに…
手間は取らせないから連れて来るように言うと渋々納得する…帰りは送るからとさがらせようとすると…
「また明日!」
と自分の存在を私にアピールしたようだ…取って食いなどしないのに…
ファイをさがらせると娘と向き合う…この娘をちゃんと見たのはこの時が二度目だった…
初めてはルシファー様に紹介された時…あの時はオドオドとしていだが…今は…同じ娘か?
とりあえずおにぎりの礼を言うと…嬉しそうに喜んでいた…作った奴が喜ぶとは…調子が狂う…
外の梅の木を見て…よかったら一緒に梅干しを作らないかと言われる…何故私が?
怪訝に思うと…自分がいなくなった後のことを心配していた…
確かに人と魔族とでは時間が違うが…
人とは死を恐れるものではないのか?
あいつらはそうだった…その為に私は…
しかしこの娘は死を受け入れているようだ…まだそんなにも生を受けてから幾分も経っていないはずなのに…
この様な人もいるのだな…
いや…私がきちんと見ていなかっただけか…
娘と梅の実がなったら作ることを約束して部屋へと送り届けると…
嬉しそうにしながら私が優しいと言う…
優しくなどした覚えもなく、どちらかと言うと辛くあたったつもりだが…そう…全てはルシファー様の為だ!そして梅の為…
そう口にすると…自分でも言ってて可笑しくなる…つい笑いが漏れると…
笑ってる方が素敵だと言われた…
私の十分の一もいきていない小娘が何を言ってるやら…
しかし…悪い気はしない…
まぁ…ルシファー様の愛娘だ…ルシファー様の為少しは可愛がってやろう…。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる