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12章
475.賭け
「あれ?ギルドに人が集まっていたと聞きましたが…」
セバスがギルドの下に降りて来ると冒険者が集まっていたと聞いていたが人ほとんど居なかった。
近くにいた受付嬢に声をかけると
「なんか急にガックリしながら皆さん出ていきましたよ」
受付のフレイシアがセバスに話しかける。
「そうですか…」
セバスは思案しながらまだギルドに残っていた冒険者に近づいて行った。
「今日は何か変わったことはありましたか?」
ギルドの依頼板を眺めていた冒険者はいきなりセバスさんに声をかけられて驚く。
「セ、セバスさん…」
「い、いえ…別に…何も、なぁ?」
「は、はい…」
明らかに動揺している冒険者にさらに尋問するように詰め寄る。
「何か隠してる事はありませんか?」
にっこりと笑いかけると…
「おい!セバス用意出来たぞ、行くか!」
ギルマスも降りてきてセバスに声をかけた。
「あっじゃあ俺達はこれで…」
冒険者達はそそくさとギルドを出ていってしまった。
キッとギルマスを睨むと
「な、なんだ?」
「いえ…では行きましょうか?」
セバスは冒険者を捕まえるのは明日にしてギルマスとギルドを出ていった…
「行ったか?」
冒険者達は隠れてそっと影からセバスさん達が出て行くのを見つめていると…
「また明日…」
セバスさんが急に振り向いてニコッと微笑んだ…
「明日なんかあるのか?」
ギルマスが少し離れてからセバスに聞くと
「明日少し聞きたいことがあるだけです」
「あんまり冒険者達をいじめるなよ」
ギルマスが苦笑すると
「いじめてなどいませんが?」
心外だとギルマスを見つめる。
「セバス…自分がどんな顔をしてるのかわかっているのか?」
ギルマスが聞くと
「いつも通りですが?」
「まぁパッと見普通だがな、イライラしたりたまに寂しそうにため息ついてるぞ」
セバスがハッと口元を押さえる。
「寂しいのはわかるぞ、だからそんなセバスに朗報だ」
「まさか!」
ギルマスがにっこりと笑顔を向ける。
「ミヅキ達が王都を発ったらしい、そのうち待っていりゃ帰って来るだろ」
「そうですか…」
ギルマスはセバスの顔をみてニヤニヤと笑う。
「なんでしょう?」
ギルマスの気持ち悪い笑いにセバスの眉があがる。
「さっきとまるっきり顔色が違うわい、わしのおかげだな!だから今日はセバスの奢りだ!」
ギルマスが嬉しそうにセバスの肩を組む。
「まぁいいでしょう。久しぶりに美味しいお酒が飲めそうです」
セバス達は店へと向かった…その途中でドラゴン亭の前を通る…
「あれ?今日はドラゴン亭はお休みか?」
いつもは開いているドラゴン亭の扉にはクローズの看板が下がっている。
「リリアンさんの出産はまだ先ですよね?」
「そのはずだ」
「ムツカちゃんと息抜きに何処かに行ったのかもしれないな。せっかくあいつらにも知らせようと思ったのになぁ」
ギルマスが窓から中を覗くが店の中には誰も居ない。
「ドラゴン亭がお休みですか…」
セバスがまた考え込む。
「なんだ?また眉が下がってるぞ、なんか気になるのか」
「いえ…なんでもありません」
セバスはじっとドラゴン亭を見つめるとギルマスとその場を離れて行った。
「それで?王都に向かうの?」
プルシアの籠に乗っているリリアンがコハクに問いかける。
「ポルクスのところ!」
「ポルクスのところ?まさかもうこっちに帰ってきてるの?」
「うん」
「嘘…」
リリアンがルンバを見つめると
「ならセバスさん達にも知らせた方が良かったのかしら…てっきり王都に行くのかと…」
「俺もだ…セバスさん達あんなに楽しみにしてるのに、こんな近くに帰ってきてるって知ったら…」
【なんだ?セバスも連れてきた方が良かったのか?】
プルシアが聞くと
「ミヅキなんにもいってなかったよね?」
コハクがあれ?と頭を押さえる。
「聞かなかったことにしておくか…」
ルンバとリリアンは頷きあった。
ギルマスとセバスは一軒のお店に着くと扉を開けた。
「いらっしゃい」
店のマスターが声をかけると、二人は店の奥の方の席に座る。
「いつもの」
ギルマスが声をかけると
「セバスさんはどうします」
店のマスターがギルマスの酒を用意しながら聞いてくる。
「では同じ物を」
頷くと二人の前に酒を置いた。
「じゃあミヅキが無事帰ってくるように」
「乾杯」
二人が一気に酒を飲むと
「ミヅキって…噂の子が帰って来るんですか?」
二人に会話にマスターも加わる。
「そうみたいです…」
セバスさんが嬉しそうに笑うと
「セバスさんのそんな顔は久しぶりですね」
マスターが驚いてセバスさんの笑顔を見つめる。
「まぁ…娘が帰ってくるよなものですからね」
「前に飲ましてくれたあの美味い酒を造ったって子ですよね?出来たらうちにも売って欲しいなぁ…」
「そりゃいいな!そしたらここで好きな時に飲めるな」
ギルマスが喜ぶと
「帰って来たら聞いてみたらどうですか?」
「その時は紹介してくださいね」
マスターが笑って頼むと店の扉が開いて違う客が入ってきた。
「すみません~二人ですけど入れま……」
初めて訪れた冒険者が中に声をかけると…
「いらっしゃい…お二人ですか?」
マスターが返事をする。
「あっ…すみません…やっぱりいいです…」
冒険者達は顔を青くして目を逸らすと扉をそっと閉めて出て行ってしまった。
「はぁ…」
マスターがガッカリと肩を落としてため息をつく。
「やっぱり、この見た目じゃみんな怖がるよな…」
落ち込むマスターにギルマスが笑いかける。
「まぁ気にすんな!ここはつまみも美味いし酒もいいのが揃ってる。知ってる奴は大丈夫だろ?」
「ほとんどがギルマスやセバスさんの紹介ですが…本当にお二人には感謝してます。この町で店を持たせてもらって」
マスターが頭を下げると
「そんなデカい図体で頭を下げるなよ、いじめてるみたいじゃないか!」
「本当にファルさんは見た目と中身が全然違いますね」
セバスもお酒が進み気持ちよくなり笑っている。
「その子もこんな見た目なら怖がらせちゃいますかね…」
マスターが眉を下げると
「どっちかと言うと好みのタイプなんじゃないかの?」
ギルマスがファルを上から下までじっくり眺めると
「そうですね。多分好きなタイプです」
セバスも頷く。
「はっ?」
ファルさんが驚きを隠せずに二人を見つめるがからかって言っているようには見えなかった。
「いや、気を使って頂かなくても大丈夫ですよ。代わりに違う方が交渉して下さって大丈夫ですから」
ファルが寂しそうに笑うと
「俺はこんなごつい見た目ですから」
そう言って顔を下げる。
「確かになぁ…それになんでスキンヘッドなんだ?」
「えっ?だって食べ物を扱いますから髪の毛がもし入ったりでもしたら大変じゃないですか?」
ファルが当たり前のように自分のツルツルの頭をパシパシと叩く。
「うーん…その考え方も好きそうだ…」
セバスがブツブツとファルさんを観察する。
「本人が来たら聞いてみるよ。多分来たいって言うと思うけどな」
「期待しないで待っています」
ファルさんがそう言うと…ギルマスが何やら思いつきニヤッと笑う。
「なら賭けないか?ミヅキがお前を怖がるか好きになるか?」
「はぁ…怖がるはわかりますが…好きになるはないと思いますよ」
「では私は好きになるに酒を一樽で」
セバスさんが好きになる、に賭ける。
「俺も好きに一樽だ!」
ギルマスがドンと机を叩く!
「では私は怖がるに一樽で…」
「よし、決まりだ!ますますミヅキが帰ってくるのが楽しみだ!」
ギルマスは上機嫌で酒を飲み干した!
セバスがギルドの下に降りて来ると冒険者が集まっていたと聞いていたが人ほとんど居なかった。
近くにいた受付嬢に声をかけると
「なんか急にガックリしながら皆さん出ていきましたよ」
受付のフレイシアがセバスに話しかける。
「そうですか…」
セバスは思案しながらまだギルドに残っていた冒険者に近づいて行った。
「今日は何か変わったことはありましたか?」
ギルドの依頼板を眺めていた冒険者はいきなりセバスさんに声をかけられて驚く。
「セ、セバスさん…」
「い、いえ…別に…何も、なぁ?」
「は、はい…」
明らかに動揺している冒険者にさらに尋問するように詰め寄る。
「何か隠してる事はありませんか?」
にっこりと笑いかけると…
「おい!セバス用意出来たぞ、行くか!」
ギルマスも降りてきてセバスに声をかけた。
「あっじゃあ俺達はこれで…」
冒険者達はそそくさとギルドを出ていってしまった。
キッとギルマスを睨むと
「な、なんだ?」
「いえ…では行きましょうか?」
セバスは冒険者を捕まえるのは明日にしてギルマスとギルドを出ていった…
「行ったか?」
冒険者達は隠れてそっと影からセバスさん達が出て行くのを見つめていると…
「また明日…」
セバスさんが急に振り向いてニコッと微笑んだ…
「明日なんかあるのか?」
ギルマスが少し離れてからセバスに聞くと
「明日少し聞きたいことがあるだけです」
「あんまり冒険者達をいじめるなよ」
ギルマスが苦笑すると
「いじめてなどいませんが?」
心外だとギルマスを見つめる。
「セバス…自分がどんな顔をしてるのかわかっているのか?」
ギルマスが聞くと
「いつも通りですが?」
「まぁパッと見普通だがな、イライラしたりたまに寂しそうにため息ついてるぞ」
セバスがハッと口元を押さえる。
「寂しいのはわかるぞ、だからそんなセバスに朗報だ」
「まさか!」
ギルマスがにっこりと笑顔を向ける。
「ミヅキ達が王都を発ったらしい、そのうち待っていりゃ帰って来るだろ」
「そうですか…」
ギルマスはセバスの顔をみてニヤニヤと笑う。
「なんでしょう?」
ギルマスの気持ち悪い笑いにセバスの眉があがる。
「さっきとまるっきり顔色が違うわい、わしのおかげだな!だから今日はセバスの奢りだ!」
ギルマスが嬉しそうにセバスの肩を組む。
「まぁいいでしょう。久しぶりに美味しいお酒が飲めそうです」
セバス達は店へと向かった…その途中でドラゴン亭の前を通る…
「あれ?今日はドラゴン亭はお休みか?」
いつもは開いているドラゴン亭の扉にはクローズの看板が下がっている。
「リリアンさんの出産はまだ先ですよね?」
「そのはずだ」
「ムツカちゃんと息抜きに何処かに行ったのかもしれないな。せっかくあいつらにも知らせようと思ったのになぁ」
ギルマスが窓から中を覗くが店の中には誰も居ない。
「ドラゴン亭がお休みですか…」
セバスがまた考え込む。
「なんだ?また眉が下がってるぞ、なんか気になるのか」
「いえ…なんでもありません」
セバスはじっとドラゴン亭を見つめるとギルマスとその場を離れて行った。
「それで?王都に向かうの?」
プルシアの籠に乗っているリリアンがコハクに問いかける。
「ポルクスのところ!」
「ポルクスのところ?まさかもうこっちに帰ってきてるの?」
「うん」
「嘘…」
リリアンがルンバを見つめると
「ならセバスさん達にも知らせた方が良かったのかしら…てっきり王都に行くのかと…」
「俺もだ…セバスさん達あんなに楽しみにしてるのに、こんな近くに帰ってきてるって知ったら…」
【なんだ?セバスも連れてきた方が良かったのか?】
プルシアが聞くと
「ミヅキなんにもいってなかったよね?」
コハクがあれ?と頭を押さえる。
「聞かなかったことにしておくか…」
ルンバとリリアンは頷きあった。
ギルマスとセバスは一軒のお店に着くと扉を開けた。
「いらっしゃい」
店のマスターが声をかけると、二人は店の奥の方の席に座る。
「いつもの」
ギルマスが声をかけると
「セバスさんはどうします」
店のマスターがギルマスの酒を用意しながら聞いてくる。
「では同じ物を」
頷くと二人の前に酒を置いた。
「じゃあミヅキが無事帰ってくるように」
「乾杯」
二人が一気に酒を飲むと
「ミヅキって…噂の子が帰って来るんですか?」
二人に会話にマスターも加わる。
「そうみたいです…」
セバスさんが嬉しそうに笑うと
「セバスさんのそんな顔は久しぶりですね」
マスターが驚いてセバスさんの笑顔を見つめる。
「まぁ…娘が帰ってくるよなものですからね」
「前に飲ましてくれたあの美味い酒を造ったって子ですよね?出来たらうちにも売って欲しいなぁ…」
「そりゃいいな!そしたらここで好きな時に飲めるな」
ギルマスが喜ぶと
「帰って来たら聞いてみたらどうですか?」
「その時は紹介してくださいね」
マスターが笑って頼むと店の扉が開いて違う客が入ってきた。
「すみません~二人ですけど入れま……」
初めて訪れた冒険者が中に声をかけると…
「いらっしゃい…お二人ですか?」
マスターが返事をする。
「あっ…すみません…やっぱりいいです…」
冒険者達は顔を青くして目を逸らすと扉をそっと閉めて出て行ってしまった。
「はぁ…」
マスターがガッカリと肩を落としてため息をつく。
「やっぱり、この見た目じゃみんな怖がるよな…」
落ち込むマスターにギルマスが笑いかける。
「まぁ気にすんな!ここはつまみも美味いし酒もいいのが揃ってる。知ってる奴は大丈夫だろ?」
「ほとんどがギルマスやセバスさんの紹介ですが…本当にお二人には感謝してます。この町で店を持たせてもらって」
マスターが頭を下げると
「そんなデカい図体で頭を下げるなよ、いじめてるみたいじゃないか!」
「本当にファルさんは見た目と中身が全然違いますね」
セバスもお酒が進み気持ちよくなり笑っている。
「その子もこんな見た目なら怖がらせちゃいますかね…」
マスターが眉を下げると
「どっちかと言うと好みのタイプなんじゃないかの?」
ギルマスがファルを上から下までじっくり眺めると
「そうですね。多分好きなタイプです」
セバスも頷く。
「はっ?」
ファルさんが驚きを隠せずに二人を見つめるがからかって言っているようには見えなかった。
「いや、気を使って頂かなくても大丈夫ですよ。代わりに違う方が交渉して下さって大丈夫ですから」
ファルが寂しそうに笑うと
「俺はこんなごつい見た目ですから」
そう言って顔を下げる。
「確かになぁ…それになんでスキンヘッドなんだ?」
「えっ?だって食べ物を扱いますから髪の毛がもし入ったりでもしたら大変じゃないですか?」
ファルが当たり前のように自分のツルツルの頭をパシパシと叩く。
「うーん…その考え方も好きそうだ…」
セバスがブツブツとファルさんを観察する。
「本人が来たら聞いてみるよ。多分来たいって言うと思うけどな」
「期待しないで待っています」
ファルさんがそう言うと…ギルマスが何やら思いつきニヤッと笑う。
「なら賭けないか?ミヅキがお前を怖がるか好きになるか?」
「はぁ…怖がるはわかりますが…好きになるはないと思いますよ」
「では私は好きになるに酒を一樽で」
セバスさんが好きになる、に賭ける。
「俺も好きに一樽だ!」
ギルマスがドンと机を叩く!
「では私は怖がるに一樽で…」
「よし、決まりだ!ますますミヅキが帰ってくるのが楽しみだ!」
ギルマスは上機嫌で酒を飲み干した!
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