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13章
530.キメラ
倒れ込んでピクリとも動かない魔獣に近づくと…
【シルバ殺しちゃったの?】
【いや、そんなに強くやったつもりはないが…か弱いやつだったみたいだな】
【ミヅキ…なんかこいつおかしいよ…魔力が複数ある】
シンクが嫌そうな声で魔獣を見つめていた。
「魔力が?」
私の言葉にエヴァさんも一緒に近づき、覗き込むと…
「えっ…これって魔獣なの?なんか…色々混ざってない?」
その体を見ると胴体は虎の様な模様に尻尾は馬のようにサラサラ…ライオンの雌の様な顔だが色は白いそして眉間ら辺からは角が生えている、見た事もない生物が目の前で倒れている。
【これはなんて魔獣なの】
自分の知っている記憶の中でも見た事のない生物だった、シルバ達ならわかるのかと思い聞いてみると
【こんなやつ見た事もない】
シルバやプルシアも見た事がないという。
「エヴァさんは知ってる?シルバ達は見た事ないって」
「私もない…気味が悪いな…」
みんな一様に怪訝な顔をする。
「なんかライオンと虎と馬が混ざった感じだね。キマイラって言うのかな?」
【いや、キマイラは存在する…あまり姿を見せないが】
プルシアが答えると
【じゃあその子に親戚かなにかかな?】
触ろうとすると
【こら!ミヅキそんなわけがわからんもんに触るな!】
シルバがグイッと服を咥えて離すと
【えー!ちょっと触ってみたかったのに】
「ミヅキ、これはキマイラじゃない…もっと別の生き物だ」
エヴァさんの顔色が悪くなっている。
「エヴァさん!大丈夫?どうしたの?」
「わからんがなんかこれを見ると気分が悪い…すごく嫌な気持ちになる」
【じゃあ殺すか?】
シルバが手をかけようと爪を立てると…
「殺さないでくれ!」
後ろからイシスさんが叫び声をあげた!
【なんでエルフが…】
「イシスさん?」
みんながイシスさんを見ていると、イシスは倒れている魔獣に駆け寄り庇うように手を広げる。
「こいつは…こいつはエルフなんだ!仲間だ!殺さないでくれ」
「エルフ?」
エヴァさんが顔をしかめると…
「こいつは多分…ダフネだ。俺の幼なじみだ」
イシスは悲痛な面持ちで魔獣を見つめた…
とりあえず私達は話を聞くためにエルフ達が来ないような場所に移動すると…
「それで?その魔獣がエルフとはどういう事だ」
エヴァさんがイシスに聞くと
「こいつがこの森にあらわれたのは少し前なんだ…初めて対峙した時は見た事もない魔獣に襲われると思った…組み伏せられて噛み殺されると思ったら…こいつ俺の名前を呼んだんだ」
「はっ?喋ったのか?」
「片言だったが…イシスと…驚いて魔獣をしっかりと見るとずっと前に国を出て旅に出たダフネと同じ目をしていた」
「目が一緒ってだけではこいつがエルフなんて言えんだろ、どう見てもこいつは魔獣だぞ」
「そんなの俺だってわかってる!だからもう一度会ってみようとずっと探していたんだ!」
「ねぇ…エヴァさん、エルフって魔獣になるの?もしこの人がダフネさんだったとしたら、なんで魔獣になったの?」
私はエヴァさんに聞いて見ると…
「わ、分からない…」
エヴァさんが顔を逸らした…
【大方、誰かに実験台にでもされたのかもしれんな…】
プルシアが答える、実験台と聞いてオイを思い出す…
「まさか、エルフと動物を掛け合わせて作った…キメラって事?」
【それだと魔力が複数あるのも頷けるね】
シンクが頷く。
【酷い…こんなことできる人がいるの?】
みなが何も答えられずに魔獣を見つめていると…
ピクン…
魔獣が意識を取り戻した!
「グルル…」
魔獣はすぐに起き上がるとこちらを睨みつける…開いたその目は綺麗な緑色をしていた。
「やっぱり…ダフネと同じ緑の瞳だ…ダフネ!ダフネなのか!?」
イシスが魔獣に声をかけると
「ギャウ!」
イシスに牙を剥き出し吠える。
「シネ…ヒト…コロス!」
イシスに向いていた目はギロッと私の方を向いた…
【【【【ミヅキ!】】】】
「ミヅキ!」
魔獣は私に狙いをつけて一直線に飛びかかってきた!
「やめろ!」
イシスがまっさきに反応して魔獣に飛びかかる!
魔獣の体を押さえつけると…
「ああ!」
魔獣がイシスに噛み付いた、イシスの腕の力が緩むと魔獣は森に向かって走り出し逃げて行ってしまった…
「だ、大丈夫!?」
イシスさんに駆け寄ると噛まれた場所から血が滲んでいる。
「おい、本当にあれがダフネなのか?お前の事なんてわかってなかったぞ」
エヴァさんが手当をしながらイシスに怒鳴ると
「やっぱりあの声…あの瞳。ダフネとしか思えない…思いたくないけどダフネなんだよ…」
イシスは噛まれた痛みか…それとも違う痛みからか涙を流した…
エヴァさんがイシスさんの噛まれた腕を手当てすると、落ち着きを取り戻したイシスさんが…
「やはりダフネだった…俺はどうすればいい?」
消え入るような声で話し出す。
エヴァさんは黙って手当てを続けると
「城に報告するしかないんじゃないか…」
イシスは悔しそうに地面を見つめている。
「エヴァさん」
私はエヴァさんは服を掴んで引っ張ると
「あの魔獣…もう元には戻らないの」
エヴァさんは悲しそうに首を振る
「あれだけ自我がないともう…かなり重度に混じっているのだろう…いくらミヅキでも無理だよ」
イシスさんは決心したように立ち上がると
「すまなかったな、自分の都合で子供まで巻き込んでしまい…俺はこれから城に報告に行く…ダフネじゃないとしてもあのままにしておけないからな」
イシスさんは悲しそうに立ち上がると
「イシスさん…」
私はイシスさんに駆け寄る
「すまんな…あいつは人を恨んでいるようだった。もう襲われる事はないだろ」
「人…?」
「襲われた時人を殺すと言っていた、きっとあんな風にされた事だけは覚えているのかもな…だから今までエルフは襲われなかったのかも」
「じゃあミヅキが襲われそうになったのは…」
「あれは気を失って驚いたからだろう…」
イシスさんが力なく笑うと、痛っ!と顔をしかめる。
見ると噛まれた場所の血が止まらないようでじわじわと包帯を濡らす。
「おかしいな…この程度の傷、森に入ればすぐに血ぐらい止まるのに」
辛そうに顔をしかめている。
「イシスさん…座って…」
私はイシスさんに触れないように屈んでと頼むとそっと傷ついた場所に触れないように回復魔法をかける。
「凄いな、回復魔法が使えるか?変わった…魔力だね…」
不思議そうに私を見つめていると
「ミヅキ…」
エヴァさんがもう大丈夫だと止める。
治った傷を見て…
「ごめんなさい」
私は嘘をつき、こんな事しかできない自分が許せなかった。
「なぜ謝る」
イシスさんは苦笑すると慰めるように頭に手を置こうとして留まる。
そういえば触られるのが好きではないんだったな…
手を引っ込めると少女は悲しそうにこちらを見上げた…
えっ…
その顔は一瞬人の子に見えた…同じ顔で黒髪に黒目…しかし悲しそうな顔は変わらない。
目を瞬くと、目の前にはエルフの少女…やはり見間違いか
イシスは回復のお礼を言うと立ち上がる。
「ありがとう、ミヅキだったね。もう大丈夫、君達も城に向かってるんだろ。もう襲われることはないと思うが一緒に行こう」
イシスさんの言葉にエヴァさんと私は黙って頷いた。
【シルバ殺しちゃったの?】
【いや、そんなに強くやったつもりはないが…か弱いやつだったみたいだな】
【ミヅキ…なんかこいつおかしいよ…魔力が複数ある】
シンクが嫌そうな声で魔獣を見つめていた。
「魔力が?」
私の言葉にエヴァさんも一緒に近づき、覗き込むと…
「えっ…これって魔獣なの?なんか…色々混ざってない?」
その体を見ると胴体は虎の様な模様に尻尾は馬のようにサラサラ…ライオンの雌の様な顔だが色は白いそして眉間ら辺からは角が生えている、見た事もない生物が目の前で倒れている。
【これはなんて魔獣なの】
自分の知っている記憶の中でも見た事のない生物だった、シルバ達ならわかるのかと思い聞いてみると
【こんなやつ見た事もない】
シルバやプルシアも見た事がないという。
「エヴァさんは知ってる?シルバ達は見た事ないって」
「私もない…気味が悪いな…」
みんな一様に怪訝な顔をする。
「なんかライオンと虎と馬が混ざった感じだね。キマイラって言うのかな?」
【いや、キマイラは存在する…あまり姿を見せないが】
プルシアが答えると
【じゃあその子に親戚かなにかかな?】
触ろうとすると
【こら!ミヅキそんなわけがわからんもんに触るな!】
シルバがグイッと服を咥えて離すと
【えー!ちょっと触ってみたかったのに】
「ミヅキ、これはキマイラじゃない…もっと別の生き物だ」
エヴァさんの顔色が悪くなっている。
「エヴァさん!大丈夫?どうしたの?」
「わからんがなんかこれを見ると気分が悪い…すごく嫌な気持ちになる」
【じゃあ殺すか?】
シルバが手をかけようと爪を立てると…
「殺さないでくれ!」
後ろからイシスさんが叫び声をあげた!
【なんでエルフが…】
「イシスさん?」
みんながイシスさんを見ていると、イシスは倒れている魔獣に駆け寄り庇うように手を広げる。
「こいつは…こいつはエルフなんだ!仲間だ!殺さないでくれ」
「エルフ?」
エヴァさんが顔をしかめると…
「こいつは多分…ダフネだ。俺の幼なじみだ」
イシスは悲痛な面持ちで魔獣を見つめた…
とりあえず私達は話を聞くためにエルフ達が来ないような場所に移動すると…
「それで?その魔獣がエルフとはどういう事だ」
エヴァさんがイシスに聞くと
「こいつがこの森にあらわれたのは少し前なんだ…初めて対峙した時は見た事もない魔獣に襲われると思った…組み伏せられて噛み殺されると思ったら…こいつ俺の名前を呼んだんだ」
「はっ?喋ったのか?」
「片言だったが…イシスと…驚いて魔獣をしっかりと見るとずっと前に国を出て旅に出たダフネと同じ目をしていた」
「目が一緒ってだけではこいつがエルフなんて言えんだろ、どう見てもこいつは魔獣だぞ」
「そんなの俺だってわかってる!だからもう一度会ってみようとずっと探していたんだ!」
「ねぇ…エヴァさん、エルフって魔獣になるの?もしこの人がダフネさんだったとしたら、なんで魔獣になったの?」
私はエヴァさんに聞いて見ると…
「わ、分からない…」
エヴァさんが顔を逸らした…
【大方、誰かに実験台にでもされたのかもしれんな…】
プルシアが答える、実験台と聞いてオイを思い出す…
「まさか、エルフと動物を掛け合わせて作った…キメラって事?」
【それだと魔力が複数あるのも頷けるね】
シンクが頷く。
【酷い…こんなことできる人がいるの?】
みなが何も答えられずに魔獣を見つめていると…
ピクン…
魔獣が意識を取り戻した!
「グルル…」
魔獣はすぐに起き上がるとこちらを睨みつける…開いたその目は綺麗な緑色をしていた。
「やっぱり…ダフネと同じ緑の瞳だ…ダフネ!ダフネなのか!?」
イシスが魔獣に声をかけると
「ギャウ!」
イシスに牙を剥き出し吠える。
「シネ…ヒト…コロス!」
イシスに向いていた目はギロッと私の方を向いた…
【【【【ミヅキ!】】】】
「ミヅキ!」
魔獣は私に狙いをつけて一直線に飛びかかってきた!
「やめろ!」
イシスがまっさきに反応して魔獣に飛びかかる!
魔獣の体を押さえつけると…
「ああ!」
魔獣がイシスに噛み付いた、イシスの腕の力が緩むと魔獣は森に向かって走り出し逃げて行ってしまった…
「だ、大丈夫!?」
イシスさんに駆け寄ると噛まれた場所から血が滲んでいる。
「おい、本当にあれがダフネなのか?お前の事なんてわかってなかったぞ」
エヴァさんが手当をしながらイシスに怒鳴ると
「やっぱりあの声…あの瞳。ダフネとしか思えない…思いたくないけどダフネなんだよ…」
イシスは噛まれた痛みか…それとも違う痛みからか涙を流した…
エヴァさんがイシスさんの噛まれた腕を手当てすると、落ち着きを取り戻したイシスさんが…
「やはりダフネだった…俺はどうすればいい?」
消え入るような声で話し出す。
エヴァさんは黙って手当てを続けると
「城に報告するしかないんじゃないか…」
イシスは悔しそうに地面を見つめている。
「エヴァさん」
私はエヴァさんは服を掴んで引っ張ると
「あの魔獣…もう元には戻らないの」
エヴァさんは悲しそうに首を振る
「あれだけ自我がないともう…かなり重度に混じっているのだろう…いくらミヅキでも無理だよ」
イシスさんは決心したように立ち上がると
「すまなかったな、自分の都合で子供まで巻き込んでしまい…俺はこれから城に報告に行く…ダフネじゃないとしてもあのままにしておけないからな」
イシスさんは悲しそうに立ち上がると
「イシスさん…」
私はイシスさんに駆け寄る
「すまんな…あいつは人を恨んでいるようだった。もう襲われる事はないだろ」
「人…?」
「襲われた時人を殺すと言っていた、きっとあんな風にされた事だけは覚えているのかもな…だから今までエルフは襲われなかったのかも」
「じゃあミヅキが襲われそうになったのは…」
「あれは気を失って驚いたからだろう…」
イシスさんが力なく笑うと、痛っ!と顔をしかめる。
見ると噛まれた場所の血が止まらないようでじわじわと包帯を濡らす。
「おかしいな…この程度の傷、森に入ればすぐに血ぐらい止まるのに」
辛そうに顔をしかめている。
「イシスさん…座って…」
私はイシスさんに触れないように屈んでと頼むとそっと傷ついた場所に触れないように回復魔法をかける。
「凄いな、回復魔法が使えるか?変わった…魔力だね…」
不思議そうに私を見つめていると
「ミヅキ…」
エヴァさんがもう大丈夫だと止める。
治った傷を見て…
「ごめんなさい」
私は嘘をつき、こんな事しかできない自分が許せなかった。
「なぜ謝る」
イシスさんは苦笑すると慰めるように頭に手を置こうとして留まる。
そういえば触られるのが好きではないんだったな…
手を引っ込めると少女は悲しそうにこちらを見上げた…
えっ…
その顔は一瞬人の子に見えた…同じ顔で黒髪に黒目…しかし悲しそうな顔は変わらない。
目を瞬くと、目の前にはエルフの少女…やはり見間違いか
イシスは回復のお礼を言うと立ち上がる。
「ありがとう、ミヅキだったね。もう大丈夫、君達も城に向かってるんだろ。もう襲われることはないと思うが一緒に行こう」
イシスさんの言葉にエヴァさんと私は黙って頷いた。
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