ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
395 / 656
13章

538.浄化

ミヅキ達の様子にオリビアは神木の陰から様子を覗き込む…

「な、何が始まるの…」

「ミヅキがあの魔物を浄化するんだ」

コジローがボソッと呟くと…

「あ、あなたは…人間じゃ無いみたいね…」

オリビアがコジローをじっと見つめる。

「私は王狼族だ。だがそんな事はミヅキの前では関係ないよ」

「あの子…あの方は誰なんですか?聖獣から好かれ…神木様からも…あんな人間がいるなんて…」

「まぁ…ミヅキだからね」

コジローはそうとしか言えないとばかりに苦笑すると

「ミヅキ…」

これから聖獣達と何か始めようとするミヅキから目を離すまいと見つめた。



【ではいきます!皆さん気をつけて!】

神木様からの合図に魔物の周りの結界を解くと…

ボッ!

待っていたかの様に魔物が燃え出す!

【こいつ!生意気に火の結界か!】

【僕の前で火の結界なんて笑わせるね!】

シンクはミヅキの肩から羽ばたくと体を大きくしてさらに羽ばたく、その風が魔物を直撃するとみるみると火が弱まっていった。

【プルシア行くぞ!】

【ああ!わかってるよ】

シルバとプルシアが魔物に襲いかかると上からねじ伏せる!

魔物の体を脚で踏みつけると体の自由を奪った。

魔物は暴れるがシルバ達はビクともしない…

【お前が暴れるとミヅキが傷つく可能性がある…そんなことは絶対にさせん】

シルバがさらに魔物に体重をかけると威圧を放つ。

「ぎゃあああ!」

魔物は威圧をはじき返すような雄叫びをあげた!

そのままシルバに向かって風魔法を放つと、風の刃がシルバの顔に直撃してしまう!

【シルバ!】

私は心配になり叫び駆け寄ろうとすると、シルバから声がかかる。

【大丈夫、なんともない】

シルバはブルっと顔を振ると私の方を見た。

シルバを見るが…怪我をした様子もない

【あんな攻撃どうということもない、さぁ神木!早いところこいつの動きを止めてくれ】

【ええ、そこまで押さえてもられるなら問題ないわ】

神木様が魔物の体に巻き付くと額の部分だけ外に晒される。

【ミヅキあとはお願いします】

【ミヅキ!】

神木様とシルバからの合図に私は魔物へと近づくと…

【ダフネさん…助けてあげられなくてごめんね…だけどあなたの魂は救ってみせる!】

私は魔物の額に手を置くと浄化するべく魔力を流し込んだ!

目を瞑ると目の前に見た事ない女性のエルフが目を瞑って立っている…

髪が短く活発的な印象のエルフのお姉さんはゆっくりと瞳を開くと…

緑色の瞳…ダフネさん?

エルフの女性は何も答えずにただにっこりと笑うと…

あ、り、が、と、う…

そう口を動かして泡になって消えていった…

私は目を開くと…

【ミヅキ…】

シルバが心配そうな金色の瞳が目に入る。

周りを見るとシルバが私を包み込み伺うように抱きしめ顔を覗き込んでいる。

【シルバ…大丈夫だよ。ダフネさんも天国に行けたみたい】

シルバの心配顔を優しく撫でると…

【さすがミヅキだな…】

そっと私の手に擦り寄り気持ちよさそうに目を細めた…

【大丈夫ですか?】

神木様からも心配そうな声がかかると

【あっ!はい、大丈夫です…ちょっと魔力を大量に使ったので疲れましたが…でも上手くいったみたいですね】

私は神木様に笑いかけると

【ええ、ミヅキのおかげでエルフの子の魂は無事天へと旅立ちました…これでまたいつか生まれ変わることができるでしょう】

ありがとうと微笑むと…

「ミヅキー!」

「ミヅキさん!」

ベイカーさんとセバスさんの声が聞こえる…

【あれ…なんかまだ夢の中にいるのかな…ベイカーさん達の声がする…】

私は魔力を大量に使った事で眠気に襲われる…しかもふかふかのシルバの温もりと気持ちよく上下するシルバの呼吸にあっという間に眠りに落ちてしまった…

ミヅキがストンと眠りに落ちると…

【お疲れ様…】

シルバがミヅキの頬に口を近づける…

【ミヅキ…僕の魔力わけてあげるね】

シンクはミヅキのお腹に体を近づけるとミヅキにくっついて魔力込める。

すると気持ちがいいのかミヅキが無意識にシンクの体を抱きかかえた。

ミヅキの腕に抱かれシンクは嬉しそうに魔力を流し続ける。

そんなミヅキ達の元にベイカー達が駆けつけると…

「さっきの光…やっぱりミヅキか…」

シルバ達に困れ寝ているミヅキを見ると…顔色もよく幸せそうに寝ている。

「どうやら…ただ魔力疲れで眠っているだけのようですね…」

セバスもミヅキの様子を見てほっと息をついた。

「神木様!一体何があったのですか?先程の光は!」

エルフ達は神木様に駆け寄ると

【穢れた魔物がここまで来たのです。あれはエルフと他の魔物をかけあわせて作って異形の物でした…】

「あれがエルフ!?」

「ダフネは…その魔物は!」

【そこにいるミヅキと聖獣達が浄化してくださいました。あのままではエルフの子は魂助からなかっでしょう】

「ミヅキ?あの聖獣に囲まれ眠っている人の子ですか?」

神木様はそうだと微笑み頷くと…

「私も見てました…」

オリビアが神木の陰から出てきた…

「オリビア!大丈夫だったか!?」

エルフの兄達が駆け寄ると

「お、コジローもいるぞ」

ベイカーさんがオリビアを守っていたコジローに気がついた。

コジローもベイカー達に気が付きミヅキの元に来ると

「皆さん無事のようで良かったです、ミヅキも…大丈夫そうだね。よかった」

ミヅキの顔を見てほっとすると

「お前…あんまり心配してないよな?」

どうも軽い感じのコジローをジロっと見つめると

「いや!一応心配しましたよ!エルフの国と揉めてたらどうしようとか…ミヅキが無茶したら困るなとか…ベイカーさん達は…自分よりもはるかに強い相手を心配などおこがましいですから」

コジローは片目で笑う。

「はぁ…きっと俺達の心配なんて誰もしてないんだな…」

ベイカーがため息をつくと

「それだけ信頼されていると言うことではありませんか?」

「はぁ…これでもう帰れるんだよな?俺はもう腹ぺこだ、早く帰って飯が食いたいよ」

アランの腹が盛大になると

「あなたは…こんな時でもブレませんね」

セバスがため息をつく。

「でも帰りたいのは同感です。アルフノーヴァさん我々はもうお暇してもよろしいでしょうか?」

「大丈夫じゃないかな?ちょっと聞いてくるよ」

アルフノーヴァがオリビアと話し合っている父と兄達の元に向かうと…

「あの方は素晴らしい魔力を持っていました!心地よい光は温かく…あんな魔力を感じたことは父以来です」

アルフノーヴァがそばによるとどうもオリビアが興奮しながらミヅキが魔物を浄化した所を説明しているようだった。

「人で我らが王と同じくらいの魔力か…人にしておくのは惜しいなぁ…この国にいればもっと魔力を高められるんじゃないか?」

兄の一人が提案すると

「それは素晴らしい考えです!あの方ならここにずっといてくださっても反対するエルフなんていないと思います」

「オリビアがここまで変わるなんて…凄い人がいたものだ…」

エルフ達が話し合っていると…

「ちょっと…兄さん達何勝手なことを、ミヅキさんは人の子ですよ。それに彼らがそんな事許しませんからね、滅多のことは口にしないでください」

アルフノーヴァが注意すると…

「そうか…いやでも…」

エルフ達は聖獣に守られているミヅキを見つめた。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593