ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
491 / 656
14章

623.噂

「ハックシュン!」

ミヅキはシルバの上で豪快なくしゃみをした。

「おい!」

「ミヅキ!」

「なんで今するんだ!」

ベイカーさんやアランさん達から苦情が飛ぶ。

「あはは、ごめーん。なんか出ちゃった」

ミヅキが頭に手を当てて笑って謝ると、ベイカー達の目の前ではミヅキのくしゃみに気が付き魔物達が一斉に襲いかかっていた…

ちょうど魔物の住処を気付かれないように通り過ぎようとする所だったのだ。

「一匹一匹は弱いが面倒だから通り過ぎようとしてたのに!」

「クソ!キリねぇ!」

ベイカーとアランとコジローが中心に魔物を次々に倒すが数が多すぎる。

【うむ、しょうがない…一斉に燃やすか】

プルシアがパタパタと前に出ると…

【えっ?プルシア何する気?】

【全部咆哮で燃やす。ミヅキあいつらに退くように言ってくれ】

プルシアはスーッと息を吸い込むと

【まずい…下がるぞ!】

シルバが叫ぶと後ろに引く。

【ま、待って!ベイカーさんアランさん!コジローさん!プルシアが咆哮するよ!一旦引いて!】

ミヅキが叫ぶが

「わかかりました」

何故がコジローさんだけが後ろに引く。

【あれ?】

【ミヅキ、僕達の念話で話してるよ。だからシルバの声がコジローにしか聞こえないんじゃない?】

「あっ!」

「グオォォォー」

プルシアの咆哮が魔物達目掛けて放たれた。

「「えっ?」」

ベイカーとアランは一瞬固まると

「やべぇ!」

「逃げろ!コジロー大丈夫か!」

二人が間一髪飛び退くと

「はい、大丈夫です」

コジローは悠々とミヅキ達の横で待っていた。



「殺るならやるって言ってくれよ」

「巻き添えで死ぬところだぜ」

ベイカーさん達が文句を言うと

「ごめね、私が言ったんだけど二人とも聞こえなかったみたい」

ミヅキがごめんなさいと手を合わせて二人に謝ると

「俺はちゃんと聞こえましたよ」

コジローがニコッと笑うと

「じゃあ俺達が夢中になって聴き逃したのか?」

アランが首を捻っていると

「俺がミヅキの声を聞き逃すはずないんだけどなぁ…」

ベイカーは納得が行かずに耳の掃除をしていた。

【ごめんねプルシア、せっかく言ってくれたのに】

ミヅキが敵を殲滅して戻ってきたプルシアに手を伸ばすと、プルシアはミヅキの腕の中に着地する。

【問題ない、皆無事出し避けたんだからいいだろ。それよりも大丈夫か?くしゃみをしていだか寒いのか?】

【俺の上にいるんだ寒いわけないはずだが…】

シルバも少し心配そうに見ると

【全然大丈夫だよ!ちょっとムズムズしただけ、なんか誰かが噂でもしてるのかな?】

ミヅキが鼻を擦る。

「おおい!この先に階段があるぞ」

すると先の様子を見に行っていたロブさんが遠くから声をかけてきた。

「あっ!はーい!」

ミヅキが答えてゾロゾロとそちらに向かう。

「よし順調だな、このまま行けば今日中には地下五階まで行けそうだな」

「そうだな、なるべく魔物は無視して行くぞ。さっきみたいな時はしょうが無いが」

ロブさんが笑うと

「ごめんなさい…」

ミヅキがしゅんとすると

「いいんだいいんだ。くしゃみなんてのはしょうがない!そのくらい何時でもしていいぞ。処理は若いあいつらがするからな!まぁ若返った俺がやってやってもいいがな!」

ロブさんがガハハ!と豪快に笑う。

「全くよぉ、見慣れねぇなその頭…」

アランがじっとロブの頭を見つめると

「そんな羨ましそうに見るなよ!また抜けたらどうするんだ」

ロブさんがニヤニヤと笑う。

「しかしミヅキの発毛剤は凄い効果だな…」

「いや…発毛剤じゃないんだけどね…」

ミヅキが否定する。

だって本当はエリクサーのつもりだったから…

「本当にミヅキありがとな!残りの薬も俺が買い取るから安心しろ!」

「何が安心だ!お前が欲しいだけだろうが!」

ディムロスじいちゃんが怒ると

「お前だって一本貰ったんだろ?」

「ま、まぁ…いざって時の予備の為だ…まだまだわしには必要ないがな!」

「まぁもう俺にも必要ないがな!」

そう言ってロブさんが自分の髪をかきあげた。


実はロブさんの頭は一晩寝て起きるとフサフサに毛が生え、毛根が甦っていた。

「あ、ああ…ありゃなんだ…」

朝起きてみんなが驚いてロブさんの頭を見つめる。

そこには長髪になったロブさんが寝ていたからだ…

「こっわ!誰だこれ!」

アランさんが大声で叫ぶと

「んーうるさいなぁ…もう朝か…」

ロブさんがアランさんの声で起き上がった…

「なんだ?なんか視界を遮っとる…しかも頭が暖かいぞ…」

ロブさんが頭を触ると…

「はっ!」

驚いて飛び上がった!!

「わ、わしの髪が!だ、誰か水は無いか!」

ミヅキが水を用意しようとするのをベイカーさんが慌てて止めて変わりに出してやると…ロブさんが水面を見つめる。

その様子をミヅキ達は固唾を呑んで見守っていると…

「こ、こりゃ…」

震える声で髪を触った…

「ロ、ロブさん?大丈夫…なんか急激に生えちゃったね…」

ミヅキが伺うように声をかけて肩に手を置くと…ガシッ!

ロブさんがミヅキの手を掴んだ!

「ミヅキ!ありがとう!わしの髪が甦ったぞ!」

目に涙を浮かべる…

そ、そんなに辛かったんだ…

ミヅキはあはは…と笑うと

「よ、よかったね…でも長くて少し怖いから切って整えた方がいいよ」

ミヅキが頭を見ると

「切る!?」

ロブさんの顔が強ばった!

「この髪を切るのか?また生えて来なくなるかもしれないのに?」

「そんなこたぁねぇだろ、そん時はまたその薬つければいいだろ?」

「しかし…」

ロブさんが渋っていると

「きっとロブさんは髪が短い方が似合うよ…それに薬ならまた作るから」

ミヅキはコソッとロブさんの耳に囁いた。

「ほ、本当か?」

ロブさんがミヅキを伺うと、コクコクと笑顔で頷く。

「じゃあ…切ろうかのぉ」

ロブさんは髪を愛おしげに触った…

ミヅキはロブさんを椅子に座らせると…

「じゃあ誰に切ってもらう?」

ズラっとロブさんの前に並んだ。

ミヅキ、ベイカー、アラン、コジロー、ディムロス、ロバート…ロブは一人一人じっくりと見ると…

「お前に頼むわ」

ロブさんはコジローを指さした。

「俺ですか?」

コジローが驚いて自分を指さすと

「お前が一番真面目そうで安心できる」

うんと頷くと

「えー!私だって切ってみたかったなぁ~」

ミヅキが言うと

「じゃあ変わろうか?」

コジローが優しくミヅキに微笑みかけると

「馬鹿!なんでおぬしが決めるんだ!」

ロブさんが慌てて立ち上がる!

「大丈夫!お客さん素敵な髪型にしますよ~」

ミヅキは神木のナイフを持ってニコリと笑った。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593