ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

674.帰還

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「よし!みんな乗ったね!コハクもムーもレムも大丈夫?」

籠の中を見るとコハクとレムが頷くがムーの姿が見えない。

トントン…

私は自分の影を叩くと、ピョコっとムーが顔を出した。

【ムー…どうしたの?大丈夫?】

ずっと元気のないムーに声をかける。

【大丈夫です。ムーはご飯を食べすぎて疲れたそうですから…】

レムが代わりに答えてくれた。

【そうなの?】

私はムーのプルプルの体を撫でる。

弱々しく震えるムーにニコッと笑うと

【いつでも呼んでね】

ムーは震えが止まるとズズっと影に消えていった。

ちょっと心配だけど…私はムーから何か言ってくれるのを待つことにした。

「じゃあレオンハルト様達も大丈夫ですね!?」

「ああ…だ、大丈夫だ…」

レオンハルト王子は始めてのプルシアの籠に顔をひきつらせながら枠にしがみついた。

「みなさーんお騒がせしましたー!また会えたら会いましょうねー」

私は獣人のみんなに手を振ると大声で挨拶をする。

「アトラス殿!今度はウエスト国の王都で会いましょう!お待ちしてます!」

レオンハルトは精一杯王子として獣人の王に挨拶をした。

「こんな急ですみませーん!もう本当に大変な急用なんです!ではまた!」

【プルシア!ゴー!】

私は挨拶もそこそこにプルシアに飛び立ってと頼むと…

【ああ…いいのか行っても?】

プルシアが後ろを気にしながら今一度確認する。

【うん!もう大急ぎでお願い!途中で伝書鳥さんがいたら教えてね!みんなもお願い!】

私はシルバ達にパンと手を合わせた!

【まぁミヅキの頼みなら探すが…】

【うん!僕が見つけてあげるよ!】

頼もしいシンクの答えによろしくと頭を撫でた。

【では行くぞ】

プルシアが羽根を広げて飛び立つと…

「ミヅキー!またなー!今度…俺もウエスト国に行ってやる!」

ジュウトが大声で叫んだ!

「あっジュウト…うん!会えたらまた!」

「おい!そこはまた必ず会おうだろ!」

「確証ない事は約束しないのー」

私は笑って答えると

「ミヅキー!」

ロバートさんが大きく手を振っている!

「ロバートさん!またねー!」

「ああ、そっちはまたなんだ…」

レオンハルト王子がつぶやくので無視していると

「いや!あの人どうすんだ!」

ロバートさんが必死に誰かを指さしている。

えー?なんか忘れた?

ロバートさんの言葉に私達は下を覗き込むと…

「おーい!!俺を忘れるな!」

アランさんが怒った顔でこちらに向かって拳を突き上げる!

「「「「あっ…」」」」

みんなはしまったと顔を見合わせた…

【いや、あいつは置いていくのかと思ってな…】

プルシアの言葉に私は慌てた!

【プルシア!駄目!拾って!】

【わかった、まぁ行きと同じでいいな。もう降りるのは面倒だ】

プルシアはぐるっと旋回するとアランさん目掛けて急降下する。

「えっま、まさか?」

アランさんは自分目掛けて脚を突き出すドラゴンに引き笑いをした。

「結局こうなるのかよ!」

行きと同じようにプルシアの脚に掴まれアランさんを無事(?)に回収した。

「よ、よし!もう忘れ物はないよね?」

下の方から聞こえるアランさんの叫び声は聞こえないふりをしてみんなの顔を見回した。

「あー!ミヅキの卵焼き!」

「卵焼き?ああそんなに約束してたっけ?厨房にあったはずだけど…どうなったんだろ?」

【確か厨房でいい匂いがしていたな…俺はミヅキが心配で見向きもしなかったけどな!】

シルバが顔をあげて胸を張る。

【シルバは優しいね~】

私はシルバの大きな胸に抱きつくと

「残念だね!卵焼きはきっと獣人のみんなが残さず美味しく食べてくれてるよ!」

「そんな…せっかくのミヅキの手作り…」

レオンハルト王子がガックリと肩を落とすと、名残惜しそうに獣人の国の方をチラッと見つめた。

「ま、また作ってくれるよな!」

「うーん…気が向いたらね!」

「嫌だ!絶対だ!」

レオンハルト王子があまりにも必死な顔で頼み込見込んできた。

「わ、わかりましたよ…時間があったら…ね」

「よし!」

レオンハルト王子がガッツポーズをすると…

【ミヅキ、そろそろ王都に着くぞ。右の方だ】

【さすがプルシア!早いね!】

 プルシアが知らせてくれた方角を見ると、すぐそばに王都が見えていた。

【プルシア王都の上で少しだけスピード緩めてくれる?】

【問題ない】

プルシアが徐々にスピードを緩めると…

「じゃあシリウスさん!ユリウスさん!アルフノーヴァさんにレオンハルト王子!獣人の国ではお世話になりました!国王様によろしく!」

「はいはい、プルシアさんありがとうございました」

アルフノーヴァさんがサッとプルシアにお礼を言いながらその鱗を撫でた。

【ひっ!】

プルシアから聞いた事のない高い声がする。

【早く降りろ!】

プルシアは籠を横に傾けた!

「あっ…」

「きゃぁ!」

まさに降りようと準備していたアルフノーヴァさんがその拍子に下へと落ちた。

「あー!アルフノーヴァさーん!」

私も落ちそうになったが直前でシルバに背に乗せられた。

他のみんなはさすがと言うべきか落ちることなく反応していた。

「大丈夫でーす。王子の事シリウスとユリウス頼むよー」

小さくなりながらアルフノーヴァさんが叫ぶと…

「ほ、本当にここから落ちるのか…」

レオンハルト王子がシリウスさんに抱っこされながら下を見た。

「王子、ミヅキの前ですよ」

シリウスが囁くと

「そ、そうだな…よし!ミヅキ!じゃあ俺達は行くからな」

レオンハルト王子は顔を引き釣らせながらも笑顔を見せた。

「はい、シリウスさん!レオンの事離さないようにね!落ちたら死んじゃうから」

「そんなドジはしないよ」

シリウスさんが苦笑して答えた。

「まぁシリウスさん達なら大丈夫か…じゃあ皆さん気をつけて…」

「またな!ミヅキ!」

「……じゃあね!」

レオンハルト王子の言葉に少し考えて私は笑顔で手を振った!

「なんでまたねって……」

「レオンハルト王子お話中申し訳ないですがもう降りないと王都から離れてしまいます!じゃあなミヅキ!」

「うん!」

シリウスさんが飛び降りると…

「ひゃああ~!」

レオンハルト王子の叫び声がどんどん小さくなっていく…

「では私も、ミヅキまた会いましょう」

ユリウスさんが笑いかけると

「うん!またね!」

ユリウスさんが私の言葉に満足そうに笑って飛び降りた。

みんなが急降下するのを流れる景色と一緒に見ていると…

「おっ、無事着地したな」

ベイカーさんが覗き込んで笑っている。

「嘘!?見えた?」

私も覗き込もうとすると…

「危ないぞ!」

ベイカーさんに抱きかかえられた。

「ほら、あそこを見てみろ。三人で立ってこっちみてるだろ?」

ベイカーさんが指さす方を目を細めて見ると確かに米粒程の人影が見える。

「でも…三人?一人足りなく無い?」

「王子はおんぶされてるな…ぶっふ!こりゃ気を失ったな」

ベイカーさんが腹を抱えて笑っている。

「まぁ私もこの高さから落ちたら気を失う自信あるな…」

さすがに王子の気持ちがわかった。

「は?こんなもんで気を失ってたら…セバスさんのしごきなんて絶対に持たないぞ!」

「セバスさんのしごきか…凄そうだ…ってセバスさん…あっ!手紙!」

ついまったりして本来の目的を忘れそうになった!



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