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12章(続き)
730.
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エルフ達の王都での住まいは…一応どうにかなった。
私達は確認と報告の為に一度王宮へと戻ることにした…
王宮では各国の国王達や側近が王の間に集まって今後の日程などを話し合っていた。
私は報告の為、レオンハルト達の後ろにこっそりと一緒に並んでいる。
目立たないように体を小さくしていた。
「ここから見えます大木がエルフ達の住まいとなります」
アルフノーヴァさんが代表で話し出す。
「ああ、見えていた。エルフ達の反応はどうだ?」
「気に入った様子で今は各自部屋を決めて休んでいます」
「ならよかった、皆ご苦労だったな」
ギルバート王が微笑んで労う。
私はいいのか?と思い顔をあげるとバッチリと国王と目があった。
ギルバート王は苦笑して頷いていた。
どうやらあの程度なら大丈夫だったらしい!
私はよかったと胸を撫で下ろす。
これでベイカーさん達に怒られることはないと思いフーっと息を吐いて汗を拭った。
国王達はエルフ達の住まいの事で逆に褒めてまた褒美をと言う話になりそうだったので丁重に断って王宮を後にする事にした。
確かに力は貸したが私だけの力ではないし別に欲しいものも無かった。
それよりも早く帰ってのんびりとシルバ達をもふもふしたい。
足早に王宮を出て城門までレオンハルト達に送られるとちょうどベイカーさん達が迎えに来ていた。
「ベイカーさん!セバスさん!じいちゃん!」
三人が笑って出迎えてくれた。
私はベイカーさんの広げた腕の中に飛び込むとベイカーさんが軽々と抱き上げてくれる。
「あれはミヅキの仕業だよな」
後ろにそびえ立つ大きな木を指してベイカーさんが聞いてきた。
「い、いや違うよ!私だけじゃないし、ギルバート王もよくやったって褒めてくれたよ」
「本当かー?」
ベイカーさんに疑いの目を向けられて思わず目をそらす。
「やっぱりなんか隠してないか?」
頭を掴まれてこっちを向けと顔を真正面に向けられた。
「いや、ミヅキはよくやってくれました。あれはエルフ達の住まいになります。皆も喜んでいたので問題無いです。なにかあればエルフ達がやった事にする予定ですので」
レオンハルト王子がベイカーさんに説明した。
「エルフ達はそれでいいのですか?」
横からセバスさんが聞くとカイルも頷く。
「はい、エルフ達はミヅキの為になるならと快く協力してくれるそうです。彼らが魔力が高いのも事実ですし問題ないかと思われます」
「なら良かった、ミヅキさんに負担が無いならこちらとしては問題ないですからね」
セバスさんがにっこりと笑う。
どうやら誰も怒っていないようだ!
久しぶりに何もやらかさずに済んだのかもしれない!
自分の成長に胸を張る。
「ほらね!私だってやれば出来るんだよ」
ベイカーさんに勝ち誇ったように笑って見せた。
「馬鹿!いつもそうしろ。それでもやりすぎはやりすぎなんだよ」
ベイカーさんに調子に乗るなとコツンと軽く小突かれた。
「はーい、あれ?そういえばアランさんは?」
いつもなら一緒にいるアランさんが居ないことに気がついてベイカーさん達の後ろを探す。
「アランは久しぶりに王都の部隊兵さん達と過ごすようです。たまには静かでいいでしょう」
セバスさんが言うとじいちゃんも頷いた。
「あいつがいるとうるさくてかなわん、ほら、ミヅキじいちゃんのところに来るか?」
じいちゃんは息子の事はどうでもいいようで私に向かって両手を広げた。
私は今度はじいちゃんに抱っこされると…ぐぅ~とお腹がなった。
「おっ、可愛い腹の虫が鳴いとるわ!」
じいちゃんがガハハと笑うと、ぐー!!じいちゃんのお腹も豪快に鳴いた。
「ありゃわしもミヅキにつられて腹が減ったようだ」
「もう」
じいちゃんと笑っているとセバスさんとベイカーさんが寄ってきた。
「確かにお腹が空きましたね、そろそろご飯にしましょうか」
「待ってました!」
【待ってました!】
ベイカーさんとシルバが同時に舌をなめずりをする。
【ふふ、シルバ達も頑張ってくれたからお腹すいたよね】
「そういえば王都の外にたくさんのお店が出てましたよ」
「あっ!そういえばコジローさんの里のみんなもお店を出すって言ってた」
「ではそこに行ってみますか?」
「うん!」
私は勢いよく頷いた。
私達は確認と報告の為に一度王宮へと戻ることにした…
王宮では各国の国王達や側近が王の間に集まって今後の日程などを話し合っていた。
私は報告の為、レオンハルト達の後ろにこっそりと一緒に並んでいる。
目立たないように体を小さくしていた。
「ここから見えます大木がエルフ達の住まいとなります」
アルフノーヴァさんが代表で話し出す。
「ああ、見えていた。エルフ達の反応はどうだ?」
「気に入った様子で今は各自部屋を決めて休んでいます」
「ならよかった、皆ご苦労だったな」
ギルバート王が微笑んで労う。
私はいいのか?と思い顔をあげるとバッチリと国王と目があった。
ギルバート王は苦笑して頷いていた。
どうやらあの程度なら大丈夫だったらしい!
私はよかったと胸を撫で下ろす。
これでベイカーさん達に怒られることはないと思いフーっと息を吐いて汗を拭った。
国王達はエルフ達の住まいの事で逆に褒めてまた褒美をと言う話になりそうだったので丁重に断って王宮を後にする事にした。
確かに力は貸したが私だけの力ではないし別に欲しいものも無かった。
それよりも早く帰ってのんびりとシルバ達をもふもふしたい。
足早に王宮を出て城門までレオンハルト達に送られるとちょうどベイカーさん達が迎えに来ていた。
「ベイカーさん!セバスさん!じいちゃん!」
三人が笑って出迎えてくれた。
私はベイカーさんの広げた腕の中に飛び込むとベイカーさんが軽々と抱き上げてくれる。
「あれはミヅキの仕業だよな」
後ろにそびえ立つ大きな木を指してベイカーさんが聞いてきた。
「い、いや違うよ!私だけじゃないし、ギルバート王もよくやったって褒めてくれたよ」
「本当かー?」
ベイカーさんに疑いの目を向けられて思わず目をそらす。
「やっぱりなんか隠してないか?」
頭を掴まれてこっちを向けと顔を真正面に向けられた。
「いや、ミヅキはよくやってくれました。あれはエルフ達の住まいになります。皆も喜んでいたので問題無いです。なにかあればエルフ達がやった事にする予定ですので」
レオンハルト王子がベイカーさんに説明した。
「エルフ達はそれでいいのですか?」
横からセバスさんが聞くとカイルも頷く。
「はい、エルフ達はミヅキの為になるならと快く協力してくれるそうです。彼らが魔力が高いのも事実ですし問題ないかと思われます」
「なら良かった、ミヅキさんに負担が無いならこちらとしては問題ないですからね」
セバスさんがにっこりと笑う。
どうやら誰も怒っていないようだ!
久しぶりに何もやらかさずに済んだのかもしれない!
自分の成長に胸を張る。
「ほらね!私だってやれば出来るんだよ」
ベイカーさんに勝ち誇ったように笑って見せた。
「馬鹿!いつもそうしろ。それでもやりすぎはやりすぎなんだよ」
ベイカーさんに調子に乗るなとコツンと軽く小突かれた。
「はーい、あれ?そういえばアランさんは?」
いつもなら一緒にいるアランさんが居ないことに気がついてベイカーさん達の後ろを探す。
「アランは久しぶりに王都の部隊兵さん達と過ごすようです。たまには静かでいいでしょう」
セバスさんが言うとじいちゃんも頷いた。
「あいつがいるとうるさくてかなわん、ほら、ミヅキじいちゃんのところに来るか?」
じいちゃんは息子の事はどうでもいいようで私に向かって両手を広げた。
私は今度はじいちゃんに抱っこされると…ぐぅ~とお腹がなった。
「おっ、可愛い腹の虫が鳴いとるわ!」
じいちゃんがガハハと笑うと、ぐー!!じいちゃんのお腹も豪快に鳴いた。
「ありゃわしもミヅキにつられて腹が減ったようだ」
「もう」
じいちゃんと笑っているとセバスさんとベイカーさんが寄ってきた。
「確かにお腹が空きましたね、そろそろご飯にしましょうか」
「待ってました!」
【待ってました!】
ベイカーさんとシルバが同時に舌をなめずりをする。
【ふふ、シルバ達も頑張ってくれたからお腹すいたよね】
「そういえば王都の外にたくさんのお店が出てましたよ」
「あっ!そういえばコジローさんの里のみんなもお店を出すって言ってた」
「ではそこに行ってみますか?」
「うん!」
私は勢いよく頷いた。
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