ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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12章(続き)

743.『ほっといて下さい』

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ベイカーは部屋を飛び出して隣の部屋を見る、突然現れたベイカーに部屋の扉の前にいた兵士達が身構えた。

「ベイカーさん、どうした?」

ガッツ隊長が一歩前に出て声をかける。

「ミヅキは!?ミヅキはいるか!」

「え?い、いやいると思う。中からは反応がないぞ」

俺につられて出てきたセバスさん達も何事かと扉の前に集まった。

「俺はなんで寝ちまったんだ!今夜は絶対に起きてようと思ってたのに…おい!誰か開けてくれ早くミヅキの顔をみたい」

ミヅキの顔を見れば安心する。
この胸騒ぎも止まる。

そう思ってセバスさんをみた。

セバスさんは俺の様子に頷くとアルフノーヴァさんを呼びに行ってくれた。

二人で結界を解いて中のミヅキに声をかける。

「ミヅキさん!起きてますか?」

「開けますよ、何もありませんでしたか?」

トントンと扉を叩いてそのまま開く、そして中の様子に皆が言葉を失った。

「居ない…」

「そんな!一晩ここに居ましたが誰も出てませんしミヅキ達も外に出てませんよ!」

ガッツ隊長が信じられないと部下と部屋の中をくまなく探す。

「ミヅキ…」

皆が心配して部屋を見回すと…机の上に置かれた手紙に気がついた。

「皆さん!手紙があります…これはミヅキさんの字ですね」

セバスさんが手紙をそっと持ち上げた。

『皆さんへ』

そう書かれた字は子供ながらしっかりとした文字で何度もみたミヅキの字だ。

「開けますよ…」

セバスさんが代表して開くと中の文を読み上げる。

『皆さんへ
突然私達が居なくなってびっくりしてるけど心配しないで、私昨日寝ながら思ったんだけど私達が隠れちゃえばあの子は何も出来ないよね?だから私シルバ達と遠くに行くことにしました。元よりゆっくりとシルバ達と暮らしていたかったのに気がつけばお節介な保護者に怖い保護者、口うるさい人が増えてなんだか窮屈になってきたからちょうどいいと思ったの。私達誰も邪魔させずに暮らしたいのでもう探したりしないで下さい。もう、私達の事はほっといて下さい。では今までお世話になりました。皆さんもお元気で     ミヅキ』

読み上げてセバスさんが無言になる。

セバスさんだけでなく皆が信じられないと唖然としていた。

「いや、嘘だろ…お得意のミヅキの嘘だよ」

俺は信じられないとから笑いをする。

「ですが現にミヅキは居ない…確かにいつも静かに暮らしたいとは言ってたが…」

「こんなにもはっきり言われると…きますね…」

ミヅキからの否定の言葉に誰もが口を閉ざし俺の意見に誰も同意しない。

「違う!きっと誰かに連れていかれたんだ…あいつだよ!」

「ベイカーさん、ここ魔法に綻びはありませんでした。解除した時にそれは分かります」

「じゃあなんでミヅキは居ないんだ!」

「ミヅキさんが自分の意思で出ていったとしか考えられません…この結界は外からはその効力は絶大ですが中からは簡単に出ていけるのです」

「そんな…」

ミヅキが望んでここから出ていった?
そんなにも俺たちはミヅキに窮屈な思いをさせていたのか…

足の力が抜けて指先に何も感じなくなる…そのまま倒れ込みたくなった。

「ん?」

するとアルフノーヴァさんがふと手紙に近づいてじっと見つめる。

「どうされました?」

セバスさんも一緒になって見つめると何かに気がついた。

「ここ、濡れてますね…水?ではなくて…何か魔力を含んだ物の様です」

「んーものは試しに…セバスちょっと貸して」

アルフノーヴァさんが手紙を受け取ると魔法をかけた。

「それは?」

ミヅキからの最後の手紙に何をするのかと不安になって声をかけた。

「復元の魔法です、本来は古文書の解読の為ですが…」

アルフノーヴァさんの魔法に手紙がポツポツと濡れていく。

「「「え?」」」

新しかった手紙にまるで雨でも降るかのように水滴が落ちる。

「これは…」

復元の魔法が完了するとその手紙は最初濡れていた事がわかった。

「貸してくれ!」

俺は手紙を受け取ってすぐにそれが何かわかった。

「やっぱりミヅキは自分の意思で出ていったんじゃない…何か出ていかなきゃいけない理由が出来たんだ。でもそれはミヅキの望む事じゃない…じゃなきゃこんなにもあいつが泣きながら手紙を書く理由がわからん!」

俺はみんなに手紙を突きつけた。

「はい、その手紙を見て私もそう感じました…」

「わしのミヅキを泣かせたやつは…あいつだな…」

ギルマスが久しぶりにキレていて拳をゴキゴキと鳴らしている。

「十中八九、アナテマという子の仕業でしょう。これがミヅキさんの意思で無いなら迎えに行くだけです」

「当たり前だ!ミヅキの意思だとしても迎えに行く!あいつの口からこの言葉を聞くまでは信じないぞ俺は!」

俺は手紙を机に叩きつけた。

「待ってろミヅキ!こんな反抗的な言葉を言う子は親代わりの俺が叱ってやらなきゃ…それが親ってもんだろ!」

「そうですね、ミヅキさんは本当にわかってらっしゃらないです。私達がどんなにも大切に思っているのか…」

「おお、セバスさんも久しぶりにキレてるな…」

「すぐに陛下に報告する!皆さんも一緒に来てください!」

ガッツ隊長の言葉に皆は頷いて部屋を飛び出した。

部屋から誰も居なくなると…机の影からぴょこんと丸い頭が飛び出した。

部屋を出ていくみんなを見送ると…安心したように影に戻っていった。
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