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13章
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【よいしょ!】
私達は気絶したメイドさんをシルバに乗せて塔に入った。
中は冷たい石で出来た高い筒状の作りになっている。
螺旋の階段を登ると上に扉があった、開けて中に入ると少し狭いがシルバ達と十分に休めるぐらいの部屋があった。
【狭いな、ミヅキはそこで少し待ってろ】
シルバは私とメイドさんを扉の前に待たせて不服そうに部屋をウロウロと歩き回って匂いを嗅いでいる。
他のみんなも部屋の様子をうかがっていた。
【変なものは無さそうだな】
【こっちも平気そう、なんにも無いよ】
【嫌な感じは無いな】
みんなからOKを貰って中へと入る。
一つだけあったベッドにメイドさんを寝かせた。
【それにしても困ったね、いつ起きるかな?】
私はメイドさんの顔を覗き込む、メイドさんは青い顔で目を閉じ目覚める気配はなかった。
【なんか寒いのかな?】
部屋は思ったよりは寒くないが暖かくもない。
私は部屋に付いていた暖炉を見つめる。
【ここに火をつければ暖房になるかな?】
【じゃあ僕がつけるよ! コハクは木をくれる?】
【あい!】
コハクが魔法で木を暖炉に投げ込むと、シンクが火をつけてくれる。
徐々に部屋の中が暖かくなってきた。
【はーあったかい…二人ともありがとう】
私は暖房の前でシンクとコハクを抱きしめた。
ポカポカとあったまってくると少し気持ちが落ち着いてきた。
嘆いてたって仕方ない…自分で選んでここに来たんだ。
ここで出来ることをしてシルバ達に嫌な思いをさせないようにしないと…
私はチラッとシルバ達を見る。
【変な事を考えなくていい、俺達はいつもミヅキに従いミヅキと共に行く】
まるで全てをお見通しているようにシルバは私の頬をぺろっと舐めた。
【シルバ、イケメンすぎない?】
私はふっと肩の力が抜けた。
【そうだね、みんながいるんだも私は私らしくいればいいよね】
【そうだよ!ミヅキが何かしちゃっても僕達がいるから】
シンクの言葉に皆が同意するように頷いた。
【そういう事だ。だからミヅキは好きなようにすればいい、元よりそのつもりで生きるって決めたんだろ?】
【そうだったね…なんかシルバ達とあったのがすごく昔に感じるよ】
懐かしむようにシルバの喉元を撫でた。
【よーし!せっかく何かすると怒る人達がいないんだ!すきにするぞ!】
【そう来なくっちゃ!】
【お腹が空いてるから色々考えちゃうんだね!なんか美味しいものでも食べようか?】
【いいな!】
シルバが真っ先に賛成してくれた。
【ちょうど暖炉もあるしなんか温かいものがいいね】
私は鍋を取り出すが引っ掛けるところがない…どうしようかと思っているとプルシアが持っていてくれると言う。
【プルシア、熱くない?】
火のそばで温まる鍋を直に持っている。
【こんなのなんて事はない】
プルシアは本当に平気そうに持っていた。
【じゃあ大変になったらすぐに言ってね】
私は素早く済ませようと野菜を切って肉を切ると鍋で炒める。
そこに水を入れて煮込むと違う皿でバターで小麦粉を炒めて牛乳を混ぜた。
それを鍋にうつしてシチューを作る。
【牛乳も今あるだけで終わっちゃうな…】
こっちの国にも牛乳があるといいけど…
あまり期待せずにいた方がいいかもしれない。
メイドさんが起きたらどんな食材があるのか聞いてみよう。
鍋の中をヘラで回しているとグツグツと煮込まってきた。
部屋にシチューのいい香りが充満するとその匂いにメイドさんがもぞっと動き出した。
「ん…」
気がつくとはっ!と起きて自分のいる場所に気が付き青い顔をする。
また今にも気絶してしまいそうだった。
「も、申し訳ございません!アナテマ様!」
メイドさんは地べたに頭を擦り付けて私に向かって謝罪した。
「あの…私はアナテマじゃないですよ。なんかすごく似てるみたいですけど…」
「え!?」
メイドさんは恐る恐る顔をあげて私の顔を見た。
「ほ、本当にアナテマ様ではないのでしょうか?」
消え入りそうな声で聞いてきた。
「はい、私はミヅキって言います。あのアナテマに無理やりここに連れてこられたの!本当アナテマってわがままでやな奴だよね」
「そ、そんな!わたしの口からはそんな事は絶対に言えません…」
メイドさんがガタガタと震え出した。
「ご、ごめんなさい…脅かす気はなかったんです。あっ!そうだ今からシチュー食べるからメイドさんも一緒にどうですか?」
私は出来たてのシチューをよそってメイドさんに渡した。
「私も食べていいのでしょうか…」
不安そうにシチューを見つめて固まっている。
「私が作ったものをメイドさんにあげてるんだから問題ないですよ。あったかいうちに食べましょ!シルバ達もどうぞ」
私はシルバ達の分もよそうと最後に自分の分も用意する。
みんな揃ったところでいただきますと手を合わせた。
私達が食べ出すとメイドさんもその様子をみてそっとシチューを口にする。
「あったかい…」
メイドさんはシチューの美味しさにポロッと涙をこぼした。
私達は気絶したメイドさんをシルバに乗せて塔に入った。
中は冷たい石で出来た高い筒状の作りになっている。
螺旋の階段を登ると上に扉があった、開けて中に入ると少し狭いがシルバ達と十分に休めるぐらいの部屋があった。
【狭いな、ミヅキはそこで少し待ってろ】
シルバは私とメイドさんを扉の前に待たせて不服そうに部屋をウロウロと歩き回って匂いを嗅いでいる。
他のみんなも部屋の様子をうかがっていた。
【変なものは無さそうだな】
【こっちも平気そう、なんにも無いよ】
【嫌な感じは無いな】
みんなからOKを貰って中へと入る。
一つだけあったベッドにメイドさんを寝かせた。
【それにしても困ったね、いつ起きるかな?】
私はメイドさんの顔を覗き込む、メイドさんは青い顔で目を閉じ目覚める気配はなかった。
【なんか寒いのかな?】
部屋は思ったよりは寒くないが暖かくもない。
私は部屋に付いていた暖炉を見つめる。
【ここに火をつければ暖房になるかな?】
【じゃあ僕がつけるよ! コハクは木をくれる?】
【あい!】
コハクが魔法で木を暖炉に投げ込むと、シンクが火をつけてくれる。
徐々に部屋の中が暖かくなってきた。
【はーあったかい…二人ともありがとう】
私は暖房の前でシンクとコハクを抱きしめた。
ポカポカとあったまってくると少し気持ちが落ち着いてきた。
嘆いてたって仕方ない…自分で選んでここに来たんだ。
ここで出来ることをしてシルバ達に嫌な思いをさせないようにしないと…
私はチラッとシルバ達を見る。
【変な事を考えなくていい、俺達はいつもミヅキに従いミヅキと共に行く】
まるで全てをお見通しているようにシルバは私の頬をぺろっと舐めた。
【シルバ、イケメンすぎない?】
私はふっと肩の力が抜けた。
【そうだね、みんながいるんだも私は私らしくいればいいよね】
【そうだよ!ミヅキが何かしちゃっても僕達がいるから】
シンクの言葉に皆が同意するように頷いた。
【そういう事だ。だからミヅキは好きなようにすればいい、元よりそのつもりで生きるって決めたんだろ?】
【そうだったね…なんかシルバ達とあったのがすごく昔に感じるよ】
懐かしむようにシルバの喉元を撫でた。
【よーし!せっかく何かすると怒る人達がいないんだ!すきにするぞ!】
【そう来なくっちゃ!】
【お腹が空いてるから色々考えちゃうんだね!なんか美味しいものでも食べようか?】
【いいな!】
シルバが真っ先に賛成してくれた。
【ちょうど暖炉もあるしなんか温かいものがいいね】
私は鍋を取り出すが引っ掛けるところがない…どうしようかと思っているとプルシアが持っていてくれると言う。
【プルシア、熱くない?】
火のそばで温まる鍋を直に持っている。
【こんなのなんて事はない】
プルシアは本当に平気そうに持っていた。
【じゃあ大変になったらすぐに言ってね】
私は素早く済ませようと野菜を切って肉を切ると鍋で炒める。
そこに水を入れて煮込むと違う皿でバターで小麦粉を炒めて牛乳を混ぜた。
それを鍋にうつしてシチューを作る。
【牛乳も今あるだけで終わっちゃうな…】
こっちの国にも牛乳があるといいけど…
あまり期待せずにいた方がいいかもしれない。
メイドさんが起きたらどんな食材があるのか聞いてみよう。
鍋の中をヘラで回しているとグツグツと煮込まってきた。
部屋にシチューのいい香りが充満するとその匂いにメイドさんがもぞっと動き出した。
「ん…」
気がつくとはっ!と起きて自分のいる場所に気が付き青い顔をする。
また今にも気絶してしまいそうだった。
「も、申し訳ございません!アナテマ様!」
メイドさんは地べたに頭を擦り付けて私に向かって謝罪した。
「あの…私はアナテマじゃないですよ。なんかすごく似てるみたいですけど…」
「え!?」
メイドさんは恐る恐る顔をあげて私の顔を見た。
「ほ、本当にアナテマ様ではないのでしょうか?」
消え入りそうな声で聞いてきた。
「はい、私はミヅキって言います。あのアナテマに無理やりここに連れてこられたの!本当アナテマってわがままでやな奴だよね」
「そ、そんな!わたしの口からはそんな事は絶対に言えません…」
メイドさんがガタガタと震え出した。
「ご、ごめんなさい…脅かす気はなかったんです。あっ!そうだ今からシチュー食べるからメイドさんも一緒にどうですか?」
私は出来たてのシチューをよそってメイドさんに渡した。
「私も食べていいのでしょうか…」
不安そうにシチューを見つめて固まっている。
「私が作ったものをメイドさんにあげてるんだから問題ないですよ。あったかいうちに食べましょ!シルバ達もどうぞ」
私はシルバ達の分もよそうと最後に自分の分も用意する。
みんな揃ったところでいただきますと手を合わせた。
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「あったかい…」
メイドさんはシチューの美味しさにポロッと涙をこぼした。
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