ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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番外編【ネタバレ注意】

ベイカーさんの秘密3

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「そうだな、ミヅキこちらの女性なんだが…」

ベイカーさんは隣の女性を私に紹介しようとした…

その顔は恥ずかしそうにはにかんでいる。

聞きたくない。

ギュッと目をつぶるとベイカーさんは私の異変に気がついた。

「ど、どうした、やっぱりどっか悪いのか?ベロニカさん悪いけど今日は帰ってくれミヅキが心配だ」

「そうね、その方が良さそうだわ。ミヅキちゃんお大事にね」

ベロニカさんは嫌な顔もしないですぐに帰ろうとしてしまう。

しかも私の事を心配してくれて…

「大丈夫、ベイカーさん紹介して」

私は二人をみてにっこりと笑った。

「でも…ミヅキが心配だ。なんか昨日から変だし」

「そうよ私の事は気にしないで、また来るわ」

そうか、二人はいつでも会える間柄なんだ。

「大丈夫です、もう大丈夫」

私は帰ろうとするベロニカさんの服を引っ張って引き止めた。

「本当に?」

ベロニカさんは心配そうにベイカーさんに確認する。

「まぁ俺もいるし家だから、ミヅキがそう言うなら」

私はベイカーさんに下ろして貰うと二人に向き合った。

「じゃあ早速用意するから待っててくれ」

ベイカーさんは紹介を忘れたのかキッチンに立ち出した。

「ベイカーさん何してるの?」

急になにか作り始めたベイカーさんに戸惑うがベロニカさんはニコニコとその様子を見ていた。

「ミヅキちゃんはここに座って待ちましょう」

そして椅子に座らせてくれる。

ベイカーさんは慣れた様子で料理を作っている、あんなに手際よく動けたのかと驚いていると大盛りのミートボールパスタを作ってきた。

ミートボールはハンバーグのように大きくてゴロゴロとたくさんあり、ミートソースのいい香りが美味しそうだ。

「さぁ出来た!」

「ベイカーさんこっちもね」

するとベロニカさんが持っていた箱からケーキを取り出す。

お祝いのような食事に納得した。

「今日は二人のお祝いなんだね」

私はベイカーさんとベロニカさんを交互に見た。

「よくわかったな、大事な日だからなにかしたくてな」

ベイカーさんには珍しくロマンチックな事を言っていた。
それだけ大事な人なのだろう。

「なら私がいない方がいいんじゃない?ベイカーさんはベロニカさんと二人でお祝いしなよ。おめでとう」

私は精一杯に笑って二人を祝福した。

しかしベイカーさんとベロニカさんは驚いて顔を見合わせている。

「なんでベロニカさんとお祝いするんだ?」

「え?だってベイカーさんとベロニカさんのお付き合いの記念じゃないの?」

「「えー!」」

そう言うと二人は驚いて大きな声をあげる。

「ないない!ベイカーさんは無いよー」

ベロニカさんは笑って否定していた。

「え?じゃあなんのお祝い?」

「ふふ、これはミヅキちゃんとベイカーさんのお祝いよ。二人がこの家に暮らし始めた記念だって言ってわよ」

そんな事を言われて考えて見ると確かにそのくらい日が経っていた。

「ベイカーさん、本当?」

「まぁ…いつもミヅキが美味しいもの作ってくれるからたまには俺があげたいなって思ってベロニカさんにレシピを教えて貰ってたんだ」

「ベロニカさんの事が好きで頼んだんじゃ…」

まだ少し疑っているとベロニカさんが豪快に笑う。

「あはは!ごめんねミヅキちゃん、私結婚してるのよ。それに…ベイカーさんは悪いけど無いわ。だって恋人になる人以上に大切な人がいるからね」

「大切な人?」

「ミヅキちゃんの事よ、なにかあればうちのミヅキはって自慢ばっかりするよの、本当にこれじゃしばらくは奥さんどころか恋人も無理ね」

「ベイカーさん…」

そんなふうに外で言っていたなんて…

私は恥ずかしさに頬が熱くなった。

「それは仕方ない、今はミヅキの面倒をみるって決めたからな。それ以上に優先することは無い」

ベイカーさんの言葉に胸が熱くなった。
それと同時に自分の勘違いに恥ずかしくなる。

「ふふ、どうやら無事に誤解は解けたみたいね」

ベロニカさんはそっと私に耳打ちしてきた。

「さてと私はこれで帰らせてもらうわね、ベイカーさんもう一人で大丈夫でしょ?」

「ああ、ありがとう。明日にでも依頼完了と報告しておくよ」

「毎度あり!じゃあ私も旦那とデートしてくるわ」

ベロニカさんは私たちにウインクしてハラハラと手を振って帰って行った。

「依頼を申し込んだの?」

「そりゃ一人じゃ作れないからな、ほら食べようぜ。ミヅキ腹減ってるんだろ」

ベイカーさんはお皿にパスタと大きなミートボールをのせて私によそってくれた。

「ありがとう、すごく美味しそう!」

「だろ!ミヅキに食わしてやりたくて頑張って昨日何度も練習したんだぜ!そのおかげでバッチリ上手くなったよ」

ベイカーさんはシルバ達にもよそってくれると自分の分も用意して席に座った。

「いただきます!」

私がフォークを手に取って食べるのをベイカーさんがじっと見つめる。

いつもなら真っ先に食べるのに…

なんかムズムズしながらも大きな口でパスタをほうばった。

んんんーおいしー

私の食べる姿に満足したのかベイカーさんも自分の分を食べだした。

「うん、美味い!でも…」

なんだろうと首を傾げている。

「どうかした?」

「いや、全く同じに作ったんだが…ベロニカさんと食べた時より美味いんだよ、なんでだろ?」

「それって…」

私と一緒に食べたから?

思っても口にするのは恥ずかしかった。

「みんなで、食べたからかな。私もすごく美味しい、ベイカーさんありがとう」

「まだまだあるからもっと食えよ」

ベイカーさんは嬉しそうにおかわりをよそおうとする。

【だから心配ないって言ったんだ】

【ベイカーはベイカーだったね】

シルバとシンクに呆れられたが嬉しいので聞かなかった事にする。

お腹いっぱいに食べてケーキまで食べた私達は満腹で動けずにソファーで横になりみんなで眠った。

いつかベイカーさんに私よりも大切な人ができるまで…ここは私の場所。

そう誓ってベイカーさんの頼もしい胸で安心して眠りに落ちた。
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