ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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番外編【ネタバレ注意】

買い物

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「今日はいつもみんなの為に頑張ってるミヅキになんでも好きなものを買ってやるぞ!」

依頼を終えて帰ってきたベイカーさんが家の扉を開けるなりご機嫌にそんな事を言い出した。

「いきなりどうしたのベイカーさん?」

私は不審がってベイカーさんをジト目で見つめる。

「いやー今日の依頼が上手くいってたくさん依頼料貰ったからな!いつも美味いもの食わしてくれるお礼に今日は俺がなんでも買ってやるぞ。なにがいい?やっぱり美味いものか?」

【美味いものがいいよな!】

シルバがガバッと立ち上がるとブンブンとしっぽを振る。

「シルバも行きたいよな!よし、早速行こうぜ!」

まだどこに行きたいのかも言ってないのにベイカーさんは早速外に飛び出した。

【ほら、ミヅキも行こう】

シルバに背中を押されて私は苦笑いを浮かべながら外に出た。

「行きたいのは二人でしょー」

でもベイカーさんとのんびり出かけるのは久しぶりだった。

私は喜ぶ顔を少し隠してベイカーさんの後を追いかけた。

「まずは服だな、ミヅキに合う可愛いのを俺が見繕ってやる!」

「えーベイカーさんが決めるの?」

「任せろ、ミヅキに合うものならわかる」

ベイカーさんがあまりに自信満々に言うので任せることにした。

よく行く服屋さんに着くと早速とベイカーさんが服を探しに行った。

私はシルバ達と待つように言われて店の試着室で大人しく待っている。

【ベイカーさんどんな服持ってくるんだろ?】

【ミヅキならなんでも似合う】

シルバが当たり前のように答えた。

【シルバ……本当にイケメンだよね】

ありがとうとふわふわの体に頬ずりする。

シルバとイチャイチャ待っているとニヤニヤと笑った男達が近づいてきた。

「お嬢ちゃん、こんなところでどうしたの?」

「それ、強そうな従魔だね」

私達を取り囲んで逃げ道を塞いだ。

「わぁ……なんか新鮮!」

【こうやって絡まれた事あったなー、未だにいるとは思わなかった】

シルバも慣れたもので慌てる様子もない。
町の顔見知りの人達が私達の様子に気がつくと憐れみの表情を浮かべた。

「あー、あの男達この町は初めてなのかな?ミヅキちゃんに声かけるなんてご愁傷さまだね」

「なんて運の悪い奴らだろ」

みんな(男達を)助ける気もないようだ。

「お兄さん達私に何かようですか?」

私がにっこり笑って話しかける。

「いや、お嬢ちゃんが困ってると思ってね。助けてあげようかと思ったんだよ」

「あっ、そうなんですか?ありがとうございます。てっきり人攫いかと思いました」

私が笑ってそういうとお兄さん達はギクッとして顔を強ばらせた。

「ひ、人聞きが悪いなーそんなわけないだろ?」

「そうですよね、すみません。でもお父さんがこのお店にいるので大丈夫です」

私は丁重にお断りした。

「お父さんが?」

お兄さん達は周りをうかがうが私達のやり取りにそばに寄ってくる様子はない。

「おい、このまま連れていこうぜ。この従魔も売れるだろ」

「そうだな」

コソコソとしたやり取りが丸聞こえで呆れてしまう。

「お兄さん、悪い事言いませんからやめておいた方がいいですよ」

「「はっ?」」

お兄さん達は私の言葉に眉をひそめた。

「悪い事をしない方がいいってことです。ここでのことは無かった事にしてあげますからこれからは真面目に生きてください」

私は諭すように声をかけた。

お兄さん達は子供の私に言われて唖然として固まっている。

「じゃあそういうことで」

私はもう話はないとベイカーさんを再び待つ事にした。

すると我に返ったお兄さんが顔を真っ赤にした。

「おい!優しく話しかけてやれば調子に乗るなよ!」

私の腕を掴もうとしてきた。

私はヒョイッとその手を避けるとシルバの後ろに隠れた。

「私の従魔、この町を滅ぼせちゃうほど強くてかっこいい子ですけど相手になります?」

【馬鹿な奴らだな】

シルバばやれやれと牙を出し唸って見せた。

「ひぃ!」

お兄さんはさっきまで大人しく寝ていたシルバに驚いて少し下がった。

「なぁ、こいつ変なガキだしやめておこうぜ」

「そうだな、可愛い子なら他にもいるだろ」

お兄さん達は相談しあって引くことに決めたようだ。

「お前みたいなガキにようはねぇよ」

「可愛くないガキだ。生意気なんだよ」

お兄さん達の捨て台詞を鼻で笑う。

まぁなんとでも言えばいいよ。と思っていると……

「おい、可愛くないってのはうちの子の事か?」

後ろにちょうど買い物を終えたベイカーさんが戻ってきた。

「「ギャ!」」

ベイカーさんは荷物を持ったままお兄さん達二人の肩に手を回してガッチリとホールドした。

そして顔を近づけて何やら話している。

「君達うちのミヅキになんのようだ?」

「お、お父さんですか!?すみません、お嬢さんが寂しそうに待っていたので相手をしていたんです!」

「そ、そうです!本当に可愛らしい子で……ですから腕の力抜いてください!」

顔をしかめながら必死に話していた。

「なんかね、生意気って言われたよ。あと変だって」

私は言われた事をベイカーさんに教えた。

「なんだと!うちの子はな確かに生意気で変だがこんなに可愛い子そうそういないんだよ!」

え?ベイカーさん?
なんかディスられてる?

ベイカーさんはそのままお兄さん達の首を絞めたまま私の事を話していた。

そのうちにお兄さん達は白目をむいて口から泡を出してしまう。

その様子に町のみんなが慌ててベイカーさんを止めていた。

「全く、最近は絡まれるのも少なくなっていたのに少し油断するとこうだ」

ベイカーさんは怒りながらお兄さん達を手放した。

「ミヅキ、大丈夫か?」

ベイカーさんが笑って私の方を見るが私はジロっとベイカーさんを睨みつけた。

「なんだその顔?」

ベイカーさんはわかっていないようなので教えてあげた。

「どうせ私は変な子で生意気ですよー」

ぷいっと横を向いた。

「え?あっ!違う、違うぞ!ミヅキは変でも可愛いって事だ!」

「変なのは否定しないんだね」

私はシルバに行こうと家へと帰ろうとする。

「ミヅキ違うんだ、変でも生意気でも全部ミヅキで俺にはどんなミヅキでも可愛いって事で……」

必死な様子で弁明してくる。

「ぷッ……」

その様子に思わず笑ってしまった。

その様子にベイカーさんはほっとする。

「まぁ助けてくれたからよしとします!」

ありがとうございます。と笑って買ってきた服を見せて貰った。

「この後は美味しいものを食べて嫌な事を忘れようぜ!」

ベイカーさんはこの先に美味い店が出来た指さした。

「そうだね!」

せっかくのお出かけだ、二人で楽しもう!

私は手を繋ごうとベイカーさんの差し出した手をギュッと握り返した。


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