17 / 25
告白
しおりを挟む
アルセウスとニアはお目当ての店まで歩いていると…
「ニアちゃん!今日こそはいい返事を聞かせてくれ」
大きな花束を持った男がニアの目の前にいきなり現れた。
「マックさんまた来たの?返事は何度来ても同じだよ。ごめんね」
ニアが困った顔で謝り頭を下げた。
アルセウスは驚き一歩下がってその様子を見ていた。
「なんでなんだ!こんなにも君を思っているのに…」
花束を握り潰してマックが項垂れる。
「私…好きな人がいるの…だからごめんなさい」
ニアが頬を染めるとマックはその顔をみて頬を染めている。
「可愛い…やっぱり好きだ…」
「だから何度言われても無理です」
「あはは!マックざまぁないな!ニアちゃん好きな人って俺の事じゃない?」
すると違う町の若者が現れた。
「ちょっと待ったー!」
「あっ狡いぞ!なら俺も!」
マックを皮切りに次々にニアに告白しようとする者が現れるがニアはそれを全て断っていた。
「それじゃあみんなごめんね。アルと約束があるから行くね」
アルセウスと歩き去るニアを未練たらしく見つめている。
「なんでだ…この町で他に相手なんていたか?」
気がつけば町の若い男はほとんどニアに告白していた。
「この町の奴じゃないのかも…」
「ニアちゃん…他の男と歩いてるのなんて見た事ないのに…好きな相手って誰なんだ?」
男達は思い当たらずに首を傾げるばかりだった。
「あの男達はなんだ?」
アルセウスはニアと二人になると聞いてみた。
「さぁ?アルセウスは気にしないで」
ニアはそういうとギュッとアルセウスにしがみつく。
傍から見れば仲のいい親子にしか見えなかった…
必要な買い物を終えて最後に初めて服を買ったあの服屋による。
服を買う時はここの店と決めていた。
「こんにちはー!リリーさんいますか」
ニアが元気よくお店に入るとリリーさんは接客中だった。
「あっ、ニアちゃんちょっと待っててね」
リリーが声をかけるとニアは頷き外で待ってるとジェスチャーして店を出た。
リリーさんはニアに服を勧めてくれた店員さんで男の店長は程なく首になりリリーさんが店長となっていた。
「ん?どうした?」
すぐに店を出てきたニアにアルセウスが早いなと聞いてくる。
「人がいたから終わってからゆっくり話すことにする」
「そうか、では私は少し違う店にいっててもいいか?」
「うん!終わったらお店に来てね」
アルセウスは頷くと違う店へと歩き出した。
ニアはアルセウスが見えなくなるまでその姿を見つめていた…
「はぁ…全然気がついてないよね…」
ボソッと呟く声はもちろんアルセウスには聞こえていなかった。
「こんにちは、お嬢さん」
するとトントンと肩を叩かれてびっくりして飛び上がる。
振り返るとリリーさんのお店にいたお客さんが出てきてニアの肩を叩いたようだ。
「お店の方空きましたよ」
どうやら先程の様子をみて声をかけてくれたようだ。
「ありがとうございます。すみません急かしちゃいましたか?」
ニアが申し訳なさそうにすると大丈夫だと首を振り、少し悩んだような顔をした。
「何かありました?」
「いえ、もしよろしかったら友人の贈り物を買うのに何かいい物があれば教えて欲しいなぁ…と。でもいきなりで迷惑ですよね」
困った顔でそう言われ少し悩む。
アルセウスがそばに居たなら断るがちょうど少し時間がある。
「でもリリーさんに聞いた方が…」
「それもいいけどちょうど君ぐらいの年の女の子にあげたいんだ」
「ちょっとなら…でも私の選ぶ物で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。あっ紹介が遅れてごめんね。僕はクリストファー、君はニアさんだよね」
「え?私の事知ってるの?」
「さっきリリーさんが言ってたからね」
クリストファーに笑われて気がついた。
「あっ…」
ニアは恥ずかしいと頬を赤くする。
「ふふ、可愛いね」
赤くなった頬を軽く触られそうになりニアはサッと避けた。
「ごめんね、あんまりにも可愛いらしくて…じゃあ行こうか」
クリストファーはニアの肩を優しく引き寄せお店へと先導する。
ニアはなんだか居心地悪くなる。
隣にはいつもアルセウスがいた、他の男の人がいることに違和感を感じる。
早く済ませてアルセウスのところに戻ろう…
ニアの頭はアルセウスの事ばかり考えていた。
「ニアちゃん!今日こそはいい返事を聞かせてくれ」
大きな花束を持った男がニアの目の前にいきなり現れた。
「マックさんまた来たの?返事は何度来ても同じだよ。ごめんね」
ニアが困った顔で謝り頭を下げた。
アルセウスは驚き一歩下がってその様子を見ていた。
「なんでなんだ!こんなにも君を思っているのに…」
花束を握り潰してマックが項垂れる。
「私…好きな人がいるの…だからごめんなさい」
ニアが頬を染めるとマックはその顔をみて頬を染めている。
「可愛い…やっぱり好きだ…」
「だから何度言われても無理です」
「あはは!マックざまぁないな!ニアちゃん好きな人って俺の事じゃない?」
すると違う町の若者が現れた。
「ちょっと待ったー!」
「あっ狡いぞ!なら俺も!」
マックを皮切りに次々にニアに告白しようとする者が現れるがニアはそれを全て断っていた。
「それじゃあみんなごめんね。アルと約束があるから行くね」
アルセウスと歩き去るニアを未練たらしく見つめている。
「なんでだ…この町で他に相手なんていたか?」
気がつけば町の若い男はほとんどニアに告白していた。
「この町の奴じゃないのかも…」
「ニアちゃん…他の男と歩いてるのなんて見た事ないのに…好きな相手って誰なんだ?」
男達は思い当たらずに首を傾げるばかりだった。
「あの男達はなんだ?」
アルセウスはニアと二人になると聞いてみた。
「さぁ?アルセウスは気にしないで」
ニアはそういうとギュッとアルセウスにしがみつく。
傍から見れば仲のいい親子にしか見えなかった…
必要な買い物を終えて最後に初めて服を買ったあの服屋による。
服を買う時はここの店と決めていた。
「こんにちはー!リリーさんいますか」
ニアが元気よくお店に入るとリリーさんは接客中だった。
「あっ、ニアちゃんちょっと待っててね」
リリーが声をかけるとニアは頷き外で待ってるとジェスチャーして店を出た。
リリーさんはニアに服を勧めてくれた店員さんで男の店長は程なく首になりリリーさんが店長となっていた。
「ん?どうした?」
すぐに店を出てきたニアにアルセウスが早いなと聞いてくる。
「人がいたから終わってからゆっくり話すことにする」
「そうか、では私は少し違う店にいっててもいいか?」
「うん!終わったらお店に来てね」
アルセウスは頷くと違う店へと歩き出した。
ニアはアルセウスが見えなくなるまでその姿を見つめていた…
「はぁ…全然気がついてないよね…」
ボソッと呟く声はもちろんアルセウスには聞こえていなかった。
「こんにちは、お嬢さん」
するとトントンと肩を叩かれてびっくりして飛び上がる。
振り返るとリリーさんのお店にいたお客さんが出てきてニアの肩を叩いたようだ。
「お店の方空きましたよ」
どうやら先程の様子をみて声をかけてくれたようだ。
「ありがとうございます。すみません急かしちゃいましたか?」
ニアが申し訳なさそうにすると大丈夫だと首を振り、少し悩んだような顔をした。
「何かありました?」
「いえ、もしよろしかったら友人の贈り物を買うのに何かいい物があれば教えて欲しいなぁ…と。でもいきなりで迷惑ですよね」
困った顔でそう言われ少し悩む。
アルセウスがそばに居たなら断るがちょうど少し時間がある。
「でもリリーさんに聞いた方が…」
「それもいいけどちょうど君ぐらいの年の女の子にあげたいんだ」
「ちょっとなら…でも私の選ぶ物で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。あっ紹介が遅れてごめんね。僕はクリストファー、君はニアさんだよね」
「え?私の事知ってるの?」
「さっきリリーさんが言ってたからね」
クリストファーに笑われて気がついた。
「あっ…」
ニアは恥ずかしいと頬を赤くする。
「ふふ、可愛いね」
赤くなった頬を軽く触られそうになりニアはサッと避けた。
「ごめんね、あんまりにも可愛いらしくて…じゃあ行こうか」
クリストファーはニアの肩を優しく引き寄せお店へと先導する。
ニアはなんだか居心地悪くなる。
隣にはいつもアルセウスがいた、他の男の人がいることに違和感を感じる。
早く済ませてアルセウスのところに戻ろう…
ニアの頭はアルセウスの事ばかり考えていた。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
辺境ぐうたら日記 〜気づいたら村の守り神になってた〜
自ら
ファンタジー
異世界に転移したアキト。 彼に壮大な野望も、世界を救う使命感もない。 望むのはただ、 美味しいものを食べて、気持ちよく寝て、静かに過ごすこと。 ところが―― 彼が焚き火をすれば、枯れていた森が息を吹き返す。 井戸を掘れば、地下水脈が活性化して村が潤う。 昼寝をすれば、周囲の魔物たちまで眠りにつく。 村人は彼を「奇跡を呼ぶ聖人」と崇め、 教会は「神の化身」として祀り上げ、 王都では「伝説の男」として語り継がれる。 だが、本人はまったく気づいていない。 今日も木陰で、心地よい風を感じながら昼寝をしている。 これは、欲望に忠実に生きた男が、 無自覚に世界を変えてしまう、 ゆるやかで温かな異世界スローライフ。 幸せは、案外すぐ隣にある。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる