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第参幕 霊具
第九話
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「で、できたぁ!」
向い合わせた手のひらの間で、ふわふわと光の珠が浮いている。
白金色をしたその球はすごく頼りなく、今にも消え入りそう。
霊具の修行を始めてからちょうど一週間。
わたしは何とか自分の霊力を目に見えるように具現化する事に成功した。
霊力を高めて自在にコントロールする。
言うのは簡単だけれど、実際にやるとこれがすごく難しい。
高める方法は幽霊のお姉さんが教えてくれて、少しずつだけれど自分で抑えたり増幅させたりすることができるようになってきた。
具現化の方法は迦楼羅丸様が教えてくれた。
迦楼羅丸様は妖力を具現化して武器とするのを得意としているらしく、その解説はすごくわかりやすい。
でも、簡単にやってみせた迦楼羅丸様と違って、わたしはなかなかコツが掴めずに一週間もかかってしまった。
妖力と霊力じゃ全然違うと思ったのだけれど、呼び方が違うだけで根本は同じなんだって。
そういわれると、世界じゃ霊力の事を「魔力」とか「術力」とか言うみたい。
モノノケの事だって「獣人」とか「亞人」というらしいし。
国によって表現方法が違うって訳だね。
まあとにかく、なんとか自分の霊力を目に見える形にする事が出来た訳だけど、これで霊具を取得した訳じゃない。
この後はこの霊力の球を武器の形にしなければいけないんだもの。
どうやってこれを、形に…?
ほんの少しだけ気を抜いてしまったせいか、せっかく作った霊力の球がゆらりと消えてしまった。
「あ…。消えちゃったぁ」
「気を抜いたな。今のお前では、少しでも気を抜けばこうなる」
「そんなぁ…。それじゃあ武器の形になんてできないよぉ」
「まずは球を長時間具現化させる練習をする事だな。形を変えるのはその後だ」
「うう…」
もう一度集中して球を作り出す。
でもなぜかさっきよりも小さくて光も薄い。
『どうやら霊力を使いすぎたみたいね』
「え?もう?」
『まずは基礎的な霊力を高めていかないといけないようね。どうやら具現化させるには大量の霊力を使うみたいだし』
「ふぇぇぇ…」
球を解き、へたりとその場に座り込む。
確かにいつもの霊力を高める修業よりも疲れたかも。
反動かなにかが来たのかな?
「お前は安定してあの球を産み出せるように練習していろ」
「迦楼羅丸様は?」
「宿祢の相手をしてくる」
そういうと迦楼羅丸様はさっさと部屋を出て行ってしまった。
宿祢もわたしと同じ日から修行を始めたのに、もうわたしよりも強くなっている。
人間とモノノケ、という違いもあるだろうけれど、宿祢は才能があるのかも。
まだ妖術は使えないらしいけれど、ちょっと羨ましい。
『休んでいる暇はないわよ。そろそろお風呂を焚く時間よ』
「え?もうそんな時間?」
ついに雪が積もった外を見れば、陽がもう沈みかけていた。
白い雪は夕日に照らされてオレンジ色。
すごく綺麗で、啼々家に仕えていた頃はよく手を止めて眺めていたっけ。
すぐに秋ちゃんや結依ちゃん、泰時様に見つかって怒られていたなぁ。
…みんな、元気かな?
なんかちょっと、ホームシックかも。
ううん、そんな事いっていられないよね。
わたしはこの道を選んだんだし、選んだからには全力で頑張らないと。
「…ああ!薪!」
『ど、どうしたの?』
「薪だよ、薪!」
『薪がどうしたの?』
「薪を取りに行くの、忘れてた!…今日の分、足りるかなぁ?」
霊具の修行に夢中で薪が少なくなっていたのをすっかり忘れていたよ。
どうしよう?
今日の分、足りるかなぁ?
足りないかなぁ?
慌てて部屋を飛び出し薪置き場へと走り出したわたしの後を、『まったくもう…』とお姉さんが肩を竦めてついてきた。
向い合わせた手のひらの間で、ふわふわと光の珠が浮いている。
白金色をしたその球はすごく頼りなく、今にも消え入りそう。
霊具の修行を始めてからちょうど一週間。
わたしは何とか自分の霊力を目に見えるように具現化する事に成功した。
霊力を高めて自在にコントロールする。
言うのは簡単だけれど、実際にやるとこれがすごく難しい。
高める方法は幽霊のお姉さんが教えてくれて、少しずつだけれど自分で抑えたり増幅させたりすることができるようになってきた。
具現化の方法は迦楼羅丸様が教えてくれた。
迦楼羅丸様は妖力を具現化して武器とするのを得意としているらしく、その解説はすごくわかりやすい。
でも、簡単にやってみせた迦楼羅丸様と違って、わたしはなかなかコツが掴めずに一週間もかかってしまった。
妖力と霊力じゃ全然違うと思ったのだけれど、呼び方が違うだけで根本は同じなんだって。
そういわれると、世界じゃ霊力の事を「魔力」とか「術力」とか言うみたい。
モノノケの事だって「獣人」とか「亞人」というらしいし。
国によって表現方法が違うって訳だね。
まあとにかく、なんとか自分の霊力を目に見える形にする事が出来た訳だけど、これで霊具を取得した訳じゃない。
この後はこの霊力の球を武器の形にしなければいけないんだもの。
どうやってこれを、形に…?
ほんの少しだけ気を抜いてしまったせいか、せっかく作った霊力の球がゆらりと消えてしまった。
「あ…。消えちゃったぁ」
「気を抜いたな。今のお前では、少しでも気を抜けばこうなる」
「そんなぁ…。それじゃあ武器の形になんてできないよぉ」
「まずは球を長時間具現化させる練習をする事だな。形を変えるのはその後だ」
「うう…」
もう一度集中して球を作り出す。
でもなぜかさっきよりも小さくて光も薄い。
『どうやら霊力を使いすぎたみたいね』
「え?もう?」
『まずは基礎的な霊力を高めていかないといけないようね。どうやら具現化させるには大量の霊力を使うみたいだし』
「ふぇぇぇ…」
球を解き、へたりとその場に座り込む。
確かにいつもの霊力を高める修業よりも疲れたかも。
反動かなにかが来たのかな?
「お前は安定してあの球を産み出せるように練習していろ」
「迦楼羅丸様は?」
「宿祢の相手をしてくる」
そういうと迦楼羅丸様はさっさと部屋を出て行ってしまった。
宿祢もわたしと同じ日から修行を始めたのに、もうわたしよりも強くなっている。
人間とモノノケ、という違いもあるだろうけれど、宿祢は才能があるのかも。
まだ妖術は使えないらしいけれど、ちょっと羨ましい。
『休んでいる暇はないわよ。そろそろお風呂を焚く時間よ』
「え?もうそんな時間?」
ついに雪が積もった外を見れば、陽がもう沈みかけていた。
白い雪は夕日に照らされてオレンジ色。
すごく綺麗で、啼々家に仕えていた頃はよく手を止めて眺めていたっけ。
すぐに秋ちゃんや結依ちゃん、泰時様に見つかって怒られていたなぁ。
…みんな、元気かな?
なんかちょっと、ホームシックかも。
ううん、そんな事いっていられないよね。
わたしはこの道を選んだんだし、選んだからには全力で頑張らないと。
「…ああ!薪!」
『ど、どうしたの?』
「薪だよ、薪!」
『薪がどうしたの?』
「薪を取りに行くの、忘れてた!…今日の分、足りるかなぁ?」
霊具の修行に夢中で薪が少なくなっていたのをすっかり忘れていたよ。
どうしよう?
今日の分、足りるかなぁ?
足りないかなぁ?
慌てて部屋を飛び出し薪置き場へと走り出したわたしの後を、『まったくもう…』とお姉さんが肩を竦めてついてきた。
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