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第二幕 埜剛と埜壬
第五話
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「んごご…。なんか新しく人間の匂いがするな」
豚のように鼻を鳴らした…というか、体は人間なのに豚の頭を持つモノノケがじゅるりと涎よだれを垂らした。
「そりゃいい、もう一度狩りと洒落こむか」
ぶひぶひと他にも四人のモノノケが笑いあう。全員頭が豚で体が人間だ。同じ種族なのだろう。
二足歩行で、上半身は裸に肩当てなどの一部だけ軽鎧を身に着けている。武器なのか、それぞれが農具を手にしていた。
「今度は誰が先に捕まえるかな」
「俺だ、俺」
「いや、オレだ」
「おれだよ…ぶひ」
「でもなんだろうな?鬼の匂いもするぞ」
「鬼はだめだ、あいつら強い」
「逆に食われちまう」
「人間だ。狙うなら人間」
「こいつらよりも若いやつがいい。そっちのほうが肉が柔らかい」
涎を垂らしながら振り返った先には、つる草や荒縄で縛り上げられた人間達が無造作に転がされていた。目隠しと猿轡もされており、どうやら自力での脱出は不可能そうだ。すぐに殺されそうな雰囲気ではないが、話から察するにモノノケ達の食料、といったところだろうか。
「競争だ。捕まえたやつはちゃんと合図しろよ」
「ぶひひ。わかってる」
「楽しいな、楽しいなぁ」
「人間狩り楽しい。やめられない」
「ぶひひ。それじゃあスタートだ」
人間達を樹洞に押し込め、モノノケ達は一斉に散らばった。
自分が先に獲物を仕留めて自慢してやろう。頭の中にはそのことしかなかった。
豚のように鼻を鳴らした…というか、体は人間なのに豚の頭を持つモノノケがじゅるりと涎よだれを垂らした。
「そりゃいい、もう一度狩りと洒落こむか」
ぶひぶひと他にも四人のモノノケが笑いあう。全員頭が豚で体が人間だ。同じ種族なのだろう。
二足歩行で、上半身は裸に肩当てなどの一部だけ軽鎧を身に着けている。武器なのか、それぞれが農具を手にしていた。
「今度は誰が先に捕まえるかな」
「俺だ、俺」
「いや、オレだ」
「おれだよ…ぶひ」
「でもなんだろうな?鬼の匂いもするぞ」
「鬼はだめだ、あいつら強い」
「逆に食われちまう」
「人間だ。狙うなら人間」
「こいつらよりも若いやつがいい。そっちのほうが肉が柔らかい」
涎を垂らしながら振り返った先には、つる草や荒縄で縛り上げられた人間達が無造作に転がされていた。目隠しと猿轡もされており、どうやら自力での脱出は不可能そうだ。すぐに殺されそうな雰囲気ではないが、話から察するにモノノケ達の食料、といったところだろうか。
「競争だ。捕まえたやつはちゃんと合図しろよ」
「ぶひひ。わかってる」
「楽しいな、楽しいなぁ」
「人間狩り楽しい。やめられない」
「ぶひひ。それじゃあスタートだ」
人間達を樹洞に押し込め、モノノケ達は一斉に散らばった。
自分が先に獲物を仕留めて自慢してやろう。頭の中にはそのことしかなかった。
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