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僕と賭博
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「ねぇねぇ歩夢、ポーカーしようよ」
そう赤羽が言ったのは日が沈んで夜ご飯も食べ終わった頃だった。
「いいよ。でもポーカーってなんか賭けないとイマイチ面白くないんだよね」
「じゃあ負けた方は勝った方の命令を必ず一つ聞かなきゃいけないってのはどう?」
「結構重めだな。でもそれくらいの方が面白いかも。いいよ。それで行こう」
「おっけー。今回は2人だし、ドローポーカーにしようか」
ドローポーカーとは主に日本で一般的に行われるポーカーの形である。プレイヤーは山札から5枚の手札を引いた上で、一度だけ手札を好きな枚数捨てて、捨てた枚数分だけ山札からカードを引くことができる。そうして出来た手札で役を作り、相手と自分、どちらが強い役を持っているかで勝負する一見すると比較的シンプルなゲームである。
しかし、ポーカーには賭け金の概念が存在する。1人のプレイヤーがベット(金を賭けること)した場合、相手プレイヤーはコール(相手のベットと同額の賭け金を賭ける)するか、レイズ(相手のベット以上の賭け金を賭ける)しないと勝負することはできない。
要するにポーカーは高度な頭脳戦なのであり、単なる運だけのゲームではないのだ。
「じゃあ始めようか。賭け金はお互い1000コイン持ってる状態にしよう」
「はいはい」
ゲームスタートだ。
僕の手札は……おっと早速ツイてる!J2枚に6が2枚、それと10が1枚。ツーペアだ。ここはとりあえず10を捨てて1枚ドローしよう。Jか6を引ければフルハウスだし、引けなかったとしてもツーペアはかなり強い手札なはず。
あら残念。ドローは9だ。でも僕の手札は変わらずツーペア。ここは手始めに100コインベットかな。
僕は100コインをテーブルに出す。
「レイズ」
赤羽がテーブルに出したのは500コイン。
嘘でしょ。いきなり持ってるコインの半分賭けちゃうの?相当強い手札ってことかな。ここは一旦降りよう。
「フォールド」
開始早々100コインを失ってしまったけど、まだ全然取り返せる。次だ。
僕の手札は役無し。マークも揃ってないからフラッシュも狙えないし、数字も並んでないからストレートも厳しい。ええい全変えじゃあ!
山札からドローした5枚で完成した役はなし。いやだがしかし、ここは僕の持ち金ぜんぶ賭けることで赤羽を降ろさせる高等技術を使おう。流石に900コインの勝負は躊躇するに違いない。
「オールイン!!」
「コール」
「なにぃぃぃ!!」
赤羽奏多は900コインのオールインに対して即コールした。それもそのはず、彼の手札は7が3枚と5が2枚のフルハウスだったのだ。
「はい俺の勝ちね。ちなみにさ、歩夢が役ないの、バレバレだったよ。目泳ぎすぎ。嘘つくの下手だね。」
僕の………負け?たった2回しか勝負してないのに?というか今は命令が怖すぎる。赤羽の命令なんて、何を言われるか分かったもんじゃない。
「じゃあ命令ね。俺今喉乾いちゃったからさ、飲み物持ってきてよ。シャーチャっていう甘くて美味しいのがあるからさ。街の人に聞けばわかると思うから。よろしくー」
………なんだ、心配して損した。まさか赤羽からの命令がただのお使いだとは。拍子抜けだ。パパッといって帰ってこよう。
このときの進藤歩夢は知る由もない。この世界におけるお使いがとても過酷なものであることを。彼の常識は異世界では通用しないのだった。
そんなことをつゆも知らない彼は安堵の表情を浮かべていた。
そう赤羽が言ったのは日が沈んで夜ご飯も食べ終わった頃だった。
「いいよ。でもポーカーってなんか賭けないとイマイチ面白くないんだよね」
「じゃあ負けた方は勝った方の命令を必ず一つ聞かなきゃいけないってのはどう?」
「結構重めだな。でもそれくらいの方が面白いかも。いいよ。それで行こう」
「おっけー。今回は2人だし、ドローポーカーにしようか」
ドローポーカーとは主に日本で一般的に行われるポーカーの形である。プレイヤーは山札から5枚の手札を引いた上で、一度だけ手札を好きな枚数捨てて、捨てた枚数分だけ山札からカードを引くことができる。そうして出来た手札で役を作り、相手と自分、どちらが強い役を持っているかで勝負する一見すると比較的シンプルなゲームである。
しかし、ポーカーには賭け金の概念が存在する。1人のプレイヤーがベット(金を賭けること)した場合、相手プレイヤーはコール(相手のベットと同額の賭け金を賭ける)するか、レイズ(相手のベット以上の賭け金を賭ける)しないと勝負することはできない。
要するにポーカーは高度な頭脳戦なのであり、単なる運だけのゲームではないのだ。
「じゃあ始めようか。賭け金はお互い1000コイン持ってる状態にしよう」
「はいはい」
ゲームスタートだ。
僕の手札は……おっと早速ツイてる!J2枚に6が2枚、それと10が1枚。ツーペアだ。ここはとりあえず10を捨てて1枚ドローしよう。Jか6を引ければフルハウスだし、引けなかったとしてもツーペアはかなり強い手札なはず。
あら残念。ドローは9だ。でも僕の手札は変わらずツーペア。ここは手始めに100コインベットかな。
僕は100コインをテーブルに出す。
「レイズ」
赤羽がテーブルに出したのは500コイン。
嘘でしょ。いきなり持ってるコインの半分賭けちゃうの?相当強い手札ってことかな。ここは一旦降りよう。
「フォールド」
開始早々100コインを失ってしまったけど、まだ全然取り返せる。次だ。
僕の手札は役無し。マークも揃ってないからフラッシュも狙えないし、数字も並んでないからストレートも厳しい。ええい全変えじゃあ!
山札からドローした5枚で完成した役はなし。いやだがしかし、ここは僕の持ち金ぜんぶ賭けることで赤羽を降ろさせる高等技術を使おう。流石に900コインの勝負は躊躇するに違いない。
「オールイン!!」
「コール」
「なにぃぃぃ!!」
赤羽奏多は900コインのオールインに対して即コールした。それもそのはず、彼の手札は7が3枚と5が2枚のフルハウスだったのだ。
「はい俺の勝ちね。ちなみにさ、歩夢が役ないの、バレバレだったよ。目泳ぎすぎ。嘘つくの下手だね。」
僕の………負け?たった2回しか勝負してないのに?というか今は命令が怖すぎる。赤羽の命令なんて、何を言われるか分かったもんじゃない。
「じゃあ命令ね。俺今喉乾いちゃったからさ、飲み物持ってきてよ。シャーチャっていう甘くて美味しいのがあるからさ。街の人に聞けばわかると思うから。よろしくー」
………なんだ、心配して損した。まさか赤羽からの命令がただのお使いだとは。拍子抜けだ。パパッといって帰ってこよう。
このときの進藤歩夢は知る由もない。この世界におけるお使いがとても過酷なものであることを。彼の常識は異世界では通用しないのだった。
そんなことをつゆも知らない彼は安堵の表情を浮かべていた。
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