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プロローグ
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しおりを挟むチュンチュンと、鳥の音で目が覚める。
僕は勢いよく目を覚ますと、すぐにそばにあるベルを鳴らした。
急ぎで準備を終わらせて部屋を飛び出し、早足で廊下を歩く。
到着した先の扉を勢いよく開けて愛しい存在が目に入った時、自然と口角が上がるのを感じた。
「は?」
「おはよう、いのり」
「は、何、お前、何でここにいるの」
「何って、祈を迎えにきた」
「いや、まて。なにどういうこと?てか、何で笑ってんの?てか、笑えんの?いや、何これ夢?俺はまだ夢を見てた?」
「夢じゃないよ」
僕は祈の頬に手を添えて頬を摘む。
「痛い……って離せよ!」
「あぁ、ごめん。痛かったよね。じゃ、僕の頬を摘む?それとも叩く?殴るのは祈の手が痛いだろうから僕を殴りたいなら、使用人に命令して僕を殴ってくれたら嬉しいな」
「は?」
祈の大きな瞳がこれでもかというほど開かれる。
「わ、祈、駄目だよ。そんなに開いたら、祈の可愛い瞳が落ちちゃうよ」
瞼にそっと手を添えると、祈からはたき落とされた。
「な、何、気持ち悪い」
「そうだよね、驚くよね。今までごめんね。大切な祈をあんなに蔑ろにして、僕どうかしてたんだ。本当にごめんね。祈のためなら何でもするから、僕を許して」
祈の輪郭がぼやけていく、涙の膜がはって雫が落ちるのが分かった。僕って泣けるんだ。と驚くのと同時に、祈に嫌われてもう話せなくなったらどうしようという不安が僕を覆った。
「祈、愛してるよ。祈は僕の大切な弟なんだ」
「は?」
「祈は、僕のこと嫌い?」
「……嫌ってたのは、望でしょ」
「うん。ごめんね。祈を蔑ろにしてたのは認める、でも今は本当に大好きだよ」
「…別に……嫌いでは……ない」
「ほ、本当!?良かったぁ。じゃぁ、これからは一緒に眠ってくれる?」
「は、え、なんで…」
「寂しいから…。僕、祈と一緒にいたい…駄目?」
「駄目じゃ…ないけど」
「やったぁ!じゃぁ、今日の夜は祈の部屋で一緒に寝ようね!」
戸惑っているのは祈だけじゃなかった。
そばにいる使用人達も驚いていた。でも、祈以外気にしなくていいだろう。
「準備が終わったら、一緒に朝食に行こう。僕待ってる」
祈の部屋にあるソファーに座って、祈が準備している姿を眺める。
猫っ毛の柔らかな黒い髪にブルーの瞳。小さな鼻にピンク色の唇。服から出てる手足は白くて柔らかそうだ。
僕と同じ容姿なはずなのに全然違う。祈の方が100倍愛らしいよね。
「お待たせ」
「全然待ってないよ!それじゃぁ、行こうか!」
手を繋いで廊下に出ようとすると、祈は驚いたように手を引いた。
「何で手を繋ぐの?」
急に手を繋ぎはじめた僕に驚いたみたい。
「僕が祈に触れたかっただけだよ…。駄目…かな?」
「駄目じゃ…ないけど」
「そっか!じゃぁ、行こうか」
再度手を繋いぐ。次は振り払われなかった。
祈が戸惑っているのも分かったし、困惑しているのも気付いてた。でも、祈は優しいから、乞われたりしたら拒否できないんだね。
笑っている僕をみて屋敷中の人がざわめいたけど、僕にはどうってことなかった。
僕の祈を傷つけなければ、どうでもいいことだった。
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