憧れの先輩とお化け屋敷でアクシデント!?

サドラ

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憧れの先輩とお化け屋敷でアクシデント!?

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毎年やってくる夏。そしてお化け屋敷。今年は例年よりも少しだけ暑かった気がするけど、まぁ気のせいだろう。
お化け屋敷は毎年近所で開催される。二人一組で周るもので、結構本格的なものだ。
僕たちはくじを引いて、お互い一緒に行くメンバーを決めた。
「あ、弘人くんと一緒だ!よろしくね!」
なんと僕の相手は彩香先輩のようだ。なんてラッキーなんだ。僕は彩香先輩に見えないようにガッツポーズをした。
「じゃあ行こっか」
そう言って歩き出した彩香先輩についていく。
僕は彩香先輩のことが好きだ。でも、この気持ちを伝える勇気はない。ただ見ているだけでいいのだ。だって彼女の見た目は、完璧だから。まず、その容姿から好きになったと言っても過言ではない。
髪がサラッサラな黒髪ロングで、肌は透き通るように白くて綺麗だし、目は二重なのに大きく見えるくらいぱっちりしているし、鼻筋はすっと通っているし、唇はぷるんとしていて柔らかそうだし、目線を少し下げると、そこには細い腰がある。脚も細く長くてモデルみたいだ。しかも普段から露出度高めで脚を晒していて、ちょっとエッチなのだ。胸も大きい方だと思う。
こんな完璧な人間がいるだろうか?いや、いない。いるわけがない。
そんなことを考えているうちに、もうお化け屋敷の中に入っていた。
中は真っ暗だった。彩香先輩の顔もよく見えなくて残念だけど、懐中電灯を持つ僕の近くにいてくれることがありがたい。
「きゃっ……」
突然、彩香先輩の声が聞こえた。どうやら何かに当たったらしい。
するとすぐにまた悲鳴が上がった。今度はお化け役のスタッフさんに当たったようだ。
それからしばらく歩いていると、不意に彩香先輩が立ち止まった。「ど、どうしたんですか?」
彩香先輩は返事をしてくれない。その代わり、彩香先輩の手が伸びてきて、僕の手を掴んだ。
「え……」
彩香先輩は何も言わずに、ぎゅっと強く握って前へ進んでいく。そして、僕を引っ張っていく。
心臓がバクバクしてうるさい。彩香先輩に触れられている手が熱い。彩香先輩の顔が見れない。
「……っ!」いきなり彩香先輩が立ち止まる。その衝撃で思わず彩香先輩の方へと倒れ込んでしまう。彩香先輩はそれを気にせず、立ち止まっていた。
「あの……彩香先輩?」
恐る恐る声をかけると、彩香先輩が口を開いた。
「ごめんね……。怖くて……」
「いえ全然大丈夫です」
「ありがと……」
そう言ったきり、彩香先輩は黙ってしまった。
気まずい空気が流れる。
するといきなり、お化けが目の前にやってきた。
「き、きゃぁぁ!!!」彩香先輩は驚いて飛び退いた。僕と繋いでいた手を離してしまった。彩香先輩は暗闇の中で一人になる。僕は慌てて駆け寄った。
「彩香先輩、大丈夫ですか!?」
「むり…こわいよぉ……」
普段はクールで優しい彩香先輩がここまで怯えているのは珍しい。やっぱり、お化け屋敷は苦手なようだ。可愛い。
「わ、分かりました!離れないでくださいね」
そう言うと、彩香先輩はこくりと小さくうなずいた。
すると、今度は後ろから足音が聞こえてきた。僕はびっくりして振り返る。しかし何もいなかった。気のせいだったのかと思い、再び前を向いて歩き出す。するとまた足音が鳴る。さっきよりもはっきりと聞こえる気がする。
「な、なによぉ~~」
彩香先輩はもう泣き顔だ。それでも涙を拭いながらついてくる。
おかしい。確かにここに人は来ていないはずだ。それにここには僕ら以外に誰もいない。
でも足音は確実に近づいている。だんだん大きくなっているような……
「ひっ!」彩香先輩が息を飲む。次の瞬間、僕の背後から何かが飛び出した。それは彩香先輩に飛びかかる。
「きゃああああっ!!!」彩香先輩が叫ぶ。それと同時に彩香先輩の背中に張り付いていたものが落ちた。
「……あれ?なんにもいないじゃないですか」
「うぅ…」彩香先輩は泣いてしまった。それも大粒の涙を流して。
「あ、彩香先輩?」
「こ、こわかったの……」
彩香先輩は僕にしがみつく。彩香先輩の身体は震えていた。さらに追い打ちをかけるように不穏なBGMが漂ってきた。
「いや…」
彩香先輩は僕の腕にしがみついた。ま、まずい。腕に彼女の胸の感触がある。しかも柔らかい。これはまずいぞ。
そんなことを考えているうちに、お化けたちが襲ってくる。彩香先輩はぎゅっと目を瞑っている。そして僕の胸に顔を押し付けて、必死に耐えようとしていた。
「うへへへへへ…」
お化けたちがゆっくりと近づいたり遠のいたりする。なかなかの迫力だ。
「助けてぇ…助けて…」
彩香先輩はもうずっと僕に密着しっぱなしだ。まるで抱きついているみたいになっている。彼女の胸が当たっていて、ドキドキしている自分がいる。
「あ、彩香先輩、そろそろ行きましょうか」
「うん……」
彩香先輩は素直に従ってくれた。僕は彼女と一緒に出口へ向かう。
「開けますからね。」
「お願い…」
出口のドアを開けようとした瞬間、血まみれの人形がぶら下がってきた。
「きゃぁああ!!!」彩香先輩が叫んだ。
「あ、彩香先輩、落ち着いて……」
「無理ぃ……怖いよぉ……」
彩香先輩はもう限界のようで、僕を抱きしめて離さない。彩香先輩は泣きじゃくって、僕の服はびしょ濡れだった。
「彩香先輩、お化け屋敷出ましたよ」
「ほ、ほんとう?」
彩香先輩は僕から離れる。まだ怖がっていたけど、なんとか一人で立った。
「彩香先輩、大丈夫ですか?」
「ごめん、手つないで」「はい」
僕は彩香先輩の手を握る。彩香先輩は安心したように微笑んだ。
「ありがとう……あのね、私、こういうのお化け屋敷とかダメで……。だからいつも誰かと来るときはこうやって手を繋いでもらってるの」「そうだったんですか……」
「うん。今日はありがとね」
彩香先輩は優しく微笑んでくれる。
その笑顔は可愛くて、愛おしくて。彩香先輩のことをもっと好きになってしまう。
「いえいえ、全然大丈夫です」
「ふふっ、何それ」
彩香先輩が笑う。僕もつられて笑ってしまう。こんなときだけ甘えん坊な先輩はなんて可愛いんだろう。―――――
お化け屋敷を出た後、彩香先輩は少し休憩したいと言った。
なので、僕たちは近くのベンチに座っていた。
「ねぇ」
「どうしました?」
「今日のこと、絶対誰にも言わないでね」「言いませんよ」
そう言うと彩香先輩は嬉しそうな顔になる。彼女はとても可愛い。
「えへへ……ありがと」
「いえ」
それからしばらく沈黙が続いた。僕は彩香先輩の方を見る。すると彩香先輩もこちらを見た。目が合う。
「ねぇ」
「はい」
「キスしていい?」
「…………」
彩香先輩が僕に寄りかかってくる。彩香先輩は僕の膝の上に頭を乗せてきた。「返事がないなら肯定とみなすよ?……んっ……」
彩香先輩の顔が近付いてきて、唇に柔らかいものが触れた。
彩香先輩は舌を絡ませてくる。僕もそれに応えるように絡める。お互いの唾液が混ざり合って、口の中に溜まっていく。彩香先輩はそれをごくりと飲み込んだ。
「……ぷはぁ」
「はぁ……はぁ……彩香先輩……いきなりすぎですよ……」
「だって、我慢できなかったんだもん」
「…え?」
「私、好きな子には積極的なタイプだから!」
僕の顔は真っ赤になった。
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