風巫女と精霊の国

もも野はち助

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29.英雄の残した歌

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 翌日エリアテールは、一人になりたい時に足繁く通っている風呼びの儀を行うバルコニーに訪れ、物思いにふけっていた。

 だが以前とは違い、今のエリアテールの周りには、淡く優しい光を放つ4色の精霊達が群がってくる。
 昨日から精霊達の姿が見えるようになってからは、エリアテールが城外に出ただけで色とりどりな光を放つ彼らは、何故か集まって来るのだ。小さな人型の姿をしている中級精霊など、エリアテールの肩や頭に当たり前のようにちょこんと乗っかって来る事も多々ある。
 まだエリアテールが精霊の泉で洗礼を受けていなかった頃は、この光景が日常だったかと思うと思わず苦笑してしまうのだが、長い間その光景を隣で見続けていたイクレイオスには見慣れた光景のようで、昨日窓辺に集ってきた精霊達と戯れているエリアテールの様子を見ながら、こんな事を呟いていた。

「久しぶりに見た光景だが……やはり鬱陶しいな……」

 眉間に皺を刻みながらそう呟いたイクレイオスの様子から、洗礼を受ける前のエリアテールには、かなりの数の精霊達が日常的に群がっていたのだろう。昨日のイクレイオスは、心底鬱陶しそうにエリアテールに群がる精霊達を密かに手で追い払り、ブツブツと小言をこぼしていた。

 そんなイクレイオスはだが……あれからエリアテールの膝の上で30分近くも眠っていた。
 だがその後、なかなか執務室に戻って来ないイクレイオスを不審に思ったロッドが様子を確認しに来たのだ。
 しかしロッドが入室すると、背もたれ側が全面に見える方の二人掛けソファーにはエリアテールの姿しか確認出来なかった。

 その状況に疑問を抱きつつもエリアテールの方へ近づくと、その隣にソファーから投げ出されている長い足を確認する。その状況から現在のイクレイオスは、ソファーの上で横たわっているのだと察したロッドが、呆れ果てながら盛大に息を吐いた。

「また膝枕ですか……。もうこれに関してイクレイオス様は、絶対に味をしめておいでですね……。エリアテール様もあまり我が主をを甘やかないで頂き――」

 そう言いながら、ソファーの背もたれ越しからエリアテールの膝上で寝転んでいると思われる主君の姿を確認しようとしたロッドだが……次の瞬間、信じられない光景が目に飛び込んで来た。
 なんとそこには、エリアテールの腹部辺りに顔を埋め、抱き付きながら眠りコケるイクレイオスの姿があったからだ。
 
 その状況を瞬時に確認したロッドは、反射的にイクレイオスの上着の後ろ襟に素早く手をかける。
 そしてイクレイオスの首根っこを掴むような状態で引っ張り起こし、そのままエリアテールが座っている逆方向へとイクレイオスを全力でひっくり返した。すると危うくソファーのひじ掛け部分に後頭部を打ち付けかけたイクレイオスが勢いよく起き上がり、乱暴な起こし方をしたロッドを責めるように鋭く睨みつける。

「お~ま~え~はぁぁぁぁぁ~!! 先程と言い、ここ最近主である私に対して礼が無さ過ぎる! ロッド! これは明らかに王族に対しての不敬行為にあたるぞ!!」

 憎々しげに睨みつけてくるイクレイオスに対し、ロッドは落ち着いた様子でしれっと反論した。

「いいえ。不敬行為ではございません。そもそも私には、エリアテール様の御身をお守りするという使命がございます。その際、王妃イシリアーナ様よりエリアテール様の安全を守る為であれば、たとえイクレイオス様に対して不敬に値する行為を行っても構わないと、しっかり許可を頂いておりますので」
「ふざけるな!! 大体、いつ私がエリアの安全を脅かしたと言うのだ!!」
「確かにイクレイオス様は安全を脅かしたりはなさってませんね……。まぁ、正確にはエリアテール様の貞操を脅かしたと言う方が正しいかと思うので……」
「そんな不埒な真似などした覚えはない!!」
「淑女に膝枕を強要し、更にそのままうつ伏せになって腰に抱き付くような体勢で寝ておられては……言い逃れは難しいかと思いますが?」
「エリアは私の婚約者なのだから、それぐらい問題はないだろうが!!」
「どの口がそのような事をおっしゃっているのですか? 大体、先程まで婚約解消の引導をエリアテール様より渡されかけていたお方の言葉とは、とても思えませんね」

 不満を爆発させてきたイクレイスに対し、淡々と反論するロッドは更に冷ややかな目を向け、イクレイオスにある事を思い出させる。

「それはともかく、今は婚約披露宴の準備が大変滞っている状態なのをご存知ですか? そんな状況下でイクレイオス様は、こちらで呑気に惰眠を貪っておいででよろしいのですか?」

 ロッドのその忠告で怒りに憑りつかれていたイクレイオスが、すぐに我に返った。

「ロッド!! 今、何時だ!!」
「もうすでに17時を回っておりますね。本日の進捗状況と致しましては……丸一日、婚約披露宴の準備を潰された状態となりますかね?」
「クソっ! アレクの奴……初めからこれが狙いだったな!? 今からすぐに執務室に戻るぞ!」
「それは懸命なご判断ですね。ですが、アレクシス様には全く非はないかと思われますが」
「あいつの悪趣味な趣向の所為で、こんなにも切迫した状態にまで追い込まれたているのだぞ!? エリア! お前にも明日ファルモから改めて披露宴の進行説明をさせる! その際、披露宴の段取りを全て頭に叩き込んでおけ!!」

 エリアテールに言いたい事だけ言ったイクレイオスは、その後ロッドと共に慌ただしく、自身の執務室に戻って行った。その様子をエリアテールは唖然としながら傍観する事しか出来なかった。


 昨日にそんな経緯があり、エリアテールも今日の午前中はファルモから婚約披露宴の進行説明を受けていた。しかし先程説明された信仰スケジュールには、婚約披露宴中にエリアテールがある大役をこなすイベントが追記されていた。そのイベントは不仲説が出てしまった二人のメージアップを目的にしたものなのだが……。その際、エリアテールはイクレイオスからある注文を付けられていた。

「最愛の人に対する愛情を効果的かつ、印象麩深く植え付ける事が出来る歌……」

 エリアテールに与えられた大役、それは婚約披露宴で風呼びの儀を行う事だ。
 ただし選曲は「誰が聴いても最愛の人に愛情を捧げていると思わせるような歌」という難易度の高い細かい注文が付けられていたのだ。そもそも恋愛をテーマしている歌は、エリアテールが歌い上げる事が最も苦手な部類の歌でもある。何故なら恋愛経験が乏しいエリアテールでは、歌に感情移入がしづらいからだ……。

 では何故そのような注文がついてしまったのか……。
 それは今回起きた呪い騒動が大きく関わっている。

 イクレイオスが呪いから解放された後に苦肉の策として流した精度の低い噂は、当然ながら城内の者達には全く浸透しなかった……。その一番の原因は、今までエリアテール以外には感情的になる事がなかったイクレイオスが、呪いの影響でマリアンヌに猛アピールしていたイクレイオスの様子が、周囲に強烈な印象を植え付けてしまったからだ。しかもそのイクレイオスの不誠実な行動は、いつの間にか外部の社交界でも囁かれ、エリアテールとの不仲説がかなり広がってしまっていた。

 その影響でアレクシスの元には、イクレイオスとの婚約破棄後にエリアテールとの婚約を望む手紙が山ほど来ていらしい。そんな状況に陥った事がイクレイオスは相当気に食わないらしく、今回の婚約披露宴では意地でもエリアテールとの不仲説を撤回させたいらしい……。ファルモの話では、今回この部分に特に力を入れて婚約披露宴を行いたいと、イクレイオスが相当躍起になっているそうなのだ。

 その為、歌を披露するエリアテールの責任は重大だ。
 だが、今朝方からずっと披露する歌の選曲で迷っている……。
 恐らくイクレイオスが求めている歌の種類は、情熱的な愛情をテーマにした歌ではないかと推測されるが、悲しい事にエリアテールは、今現在までそういった情熱的な愛情を誰かに抱いた事がないのだ。その為、歌に感情が入らず、歌いあげたとしても内容が薄っぺらい完成度の歌になってしまう……。
 そんな選曲の時点で躓いてしまったエリアテールは、現在途方にくれていた。

「このままでは、イクレイオス様のご期待に応えられそうな歌を歌えないわ……」

 エリアテールはバルコニーに両肘をついて両手で頬を包みこみ、空を見上ながら困り果てる。
 すると、ここ最近聞きなれた声がいきなりエリアテールにかけられる。

「風巫女よ、何をそんなに悩んでいるのだ?」

 後方から急に声を掛けられたエリアテールが振り返ると、そこにはすっかり見慣れた風の精霊王が悪戯を企むような笑みを浮かべ、エリアテールの方へと近づいて来た。そんな前触れもなく現れた精霊王に対して、慌てて姿勢を正したエリアテールは、最上級の礼を披露する。すると精霊王が面倒そうな表情を浮かべた。

「我はそのような堅苦しい挨拶は好かない。もっと楽にしろ」

 そう言って、精霊王は片手を上げてエリアテールの挨拶を制した。
 そしてニヤニヤした表情を浮かべ、揶揄うように困っている様子のエリアテールの心情を探り始める。

「どうした? またあの王太子に嫌がらせでもされたか?」
「まさか! イクレイオス様はそのような事はなさりません!」
「では何故そのような浮かぬ顔をしているのだ?」

 そう問われたエリアテールは、婚約披露宴で行う風呼びの儀で披露する選曲の事で悩んでいると風の精霊王に話してみた。すると、精霊王が盛大に呆れた表情を浮かべる。

「やはりあの王太子に嫌がらせをされているではないか……」
「い、嫌がらせになるのですか?」
「自分の欲を満たしたいが為にそなたに無理難題を申しておるのだから、嫌がらせ以外あるまい」
「欲……ですか……」
「要はそなたにそのような歌を歌わせ、いかに自身がそなたの愛情を得ているか、周囲に知らしめたいだけであろう? 己が勝手にそなたへ入れあげている分際で、そのような戯言を申しておるのだがら、強欲以外の何だというのだ!」

 やや苛立つ様子を見せながら精霊王は、かなりイクレイオスの事をこき下ろし始める。
 しかし合理主義なイクレイオスに限って、そんな私利私欲な理由でこのような計画はしないと思っているエリアテールは、その精霊王の言い分に疑問を感じてしまう。
 そんな反応を見せたエリアテールに精霊王は揶揄うような表情を浮かべながら、ある提案をしてきた。

「そのように迷っているのであれば、我がそなたに歌わせたあの歌にしたらどうだ? あの歌はこの国の民にとって、とても馴染み深い歌であるのだろう?」
「『精霊大戦終歌』の事でしょうか……。あ、あの歌はいけません! 前回歌ってしまった際、イクレイオス様から、かなりお叱りを受けてしまったので……」

 そう言ってエリアテールは、項垂れながらしゅんとしてしまう。
 実はあの後、その事についてエリアテールは詳しく調べてみたのだが、『精霊大戦終歌』という歌はこのコーリングスターでは誰もが知っている国歌の様な歌だったのだ。

 その歌にまつわる話として、今から千年以上前に人間同士の争いに精霊が巻き込まれた激しい大戦が関与している。千年前、強大な帝国の圧政に苦しんだ近隣の小国は、それぞれ手を組んでその帝国に反旗を翻そうとしたのだが、全く歯が立たない状況が続いていた。そしてついに小国側が背水の陣を強いられる状況となるのだが……その際、激しい戦火の中心に場違いな一人の吟遊詩人が上空から戦場に降り立ったそうだ。

 帝国軍と小国軍の間に精霊の力で空から舞い降りたその吟遊詩人は、そこである歌を歌った。
 すると帝国側の兵士達が急に苦しみ出し、次々と涙を流し戦意を喪失していき、いつの間にかその戦場には穏やかな静寂が広がり、やっと長きに渡る大戦は終わると思われた。
 しかし、その戦火を沈めたその吟遊詩人は歌い終わる瞬間、禍々しい力に憑りつかれた元凶の皇帝が放った槍に討たれ、その場で命を落としてしまう……。その瞬間、全精霊達は一斉に怒り狂い、その皇帝は骨すら残らない程の攻撃を浴びせ、この世から跡形もなく消さったそうだ。

 その後、小国のリーダー格だった国が、この大陸を治める事になるのだが、それがこの国コーリングスターの起源と言われている。そして大戦を終結に導いたその吟遊詩人を英雄として祀り、その時に歌たわれた歌を『精霊大戦終歌』と名付け、この国の建国神話では欠かせない存在として語り継がれてきたのだ。

 そんな国民から敬愛を受けている歌を何故かイクレイオスは、エリアテールが歌う事を嫌がった。しかもその反応を見せたのはイクレイオスのみならず、ずっと仕えてくれているエリーナやロッドでさえ、エリアテールが精霊大戦終歌を歌う事に微妙な反応を見せていたのだ……。

 呪い騒動の最中、自分が孤立しているとエリアテールが感じてしまった経緯には、そんな周囲の反応が大きく関与していた。そんな周囲の反応から『外部から来た人間の自分には、その名誉ある歌を皆はあまり歌って欲しくないのでは?』という考えに陥ってしまったエリアテールは、その後自ら孤立していくような動きをしてしまった。

 そして今でもその考えは、エリアテールの中には不安と一緒に存在している……。
 10年以上風巫女として関わって来た大好きな国から、未だに自分は受け入れて貰えていないという現状を突き付けられているような状況がエリアテールの心を傷付け続けている……。

 その受け入れ難い状況を思い出してしまったエリアテールは、その不安が顔に出てしまっていたのだろう。
 その様子に気付いた精霊王は、やや悲しそうな笑みを浮かべながら、珍しく優しい声を掛けてきた。

「あの歌は……そなたの好みではない歌だったか?」
「いえ……。むしろとても素敵な歌だと感じました。ただ……その、国歌的に愛されている歌であるのに周囲の者達が、あまりわたくしに歌って欲しくないという反応を見せるもので……」

 その周囲の反応から未だに自分はこの国に受け入れて貰えていないという現実を実感してしまったエリアテールは、ますます表情を暗くさせた。すると、何故か精霊王が呆れ気味で苦笑する。

「仕方があるまい。あの歌は歌い手の歌唱力が高いほど歌う事を禁ずる傾向が、この国の人間達にはあるようだからな……」
「えっ……?」

 精霊王の話によると、歌唱力の高い人間が精霊大戦終歌を歌うと、建国神話の吟遊詩人と同じ運命を辿るという迷信がこの国にはあるらしい。実際そのような事はないのだが……何故かそのような迷信がこの国では深く根付いているそうだ。

「では……あの時、イクレイオス様がわたくしの所へ怒鳴り込んでこられたのは……」
「そなたの身を案じてか……。あるいはその歌を歌われると周囲からそなたを邪険に扱っていると思われる事を懸念して……というところだろう」
「ですが、あの時のイクレイオス様は呪いに掛っていらしたはずでは……」
「恐らくあの一瞬のみ、王太子の潜在意識の方が勝ったのだろうな。そなたが今までこの歌の存在を知らなかった事を考えれば、迷信を理由に故意に精霊大戦終歌の存在を皆でそなたに隠していたのだろう」
「そうでしょうか……。そもそもあのイクレイオス様が、そのような迷信に振り回されるとは思えないのですが……」

 何かもっと別の理由で自分には歌って欲しくないのでは……と、懸念するエリアテールに精霊王が呆れる反応を見せた。

「そなたは、あの王太子より向けられている根深い執着心と独占欲に一切気づかぬのか? もしこの国が原因でそなたの身に何かあれば、あの王太子は平気でこの国を捨てるぞ? それ程あの王太子が抱くそなたへの想いは、深く重い!」
「そ、そのような事は……」

 そう言い掛けるも、エリアテールはイクレイオスが解呪の際に精霊王と条件を交わした時の事を思い出す。あの時のイクレイオスは、ほぼ即答でエリアテールと自国の存亡をあっさりと両天秤にかけた。今思えば時期国王としては、何とも軽率で恐ろしい選択をイクレイオスは躊躇もせずに簡単にしてしまったと言う状況なのだ……。その事を改めて思い出したエリアテールの顔色は、徐々に青ざめていく……。

 そしてそんなエリアテールの反応を確認した精霊王は、何故か勝ち誇った表情を浮かべる。
 だが何かを発しようと口を開きかけたかと思えば、急に不機嫌な表情となり、突然思い立ったようにバルコニーの手すり部分にヒョイっと飛び乗った。

「あの……精霊王様?」
「小うるさい気配が近づいてくるのでな。我はそろそろ去る事にしよう」

 そう言ってバルコニーに上がった状態で膝を折り、キョトンとしているエリアテールの髪を一房掴んで口づけする。

「またあの王太子に傷付けられる様な事があれば、すぐに我を呼べ」

 我が子を慈しむ様な優しい眼差しを向けてきた精霊王は、エリアテールにそう告げる。
 イクレイオスを危険分子のように称した精霊王だが……その言葉とは裏腹にイクレイオスの事も同じように見守ってくれている事をエリアテールは知っている。
 そんな皮肉屋な優しき風の精霊王の言葉に返事をするようにエリアテールは微笑んだ。
 すると精霊王は、すぐに見慣れた悪戯を企むような表情を浮かべる。

「そしてこれは忠告だ。あの王太子のそなたへの執着はかなり根深い。もし添い遂げるつもりならば、せいぜい食いつくされぬよう覚悟する事だな」

 そう言ってバルコニーから飛び降りた風の精霊王は、まるで風に吹かれた霧の様に一瞬で姿を消してしまった。
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