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【我が家の愛犬】
25.我が家の愛犬は聖魔獣持ち
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「これは一体……どういう状態なんだ?」
先に子供達を帰らせ、国王リオレスと今後の護衛体制を話し合う為、帰宅が遅くなったフィリックスが、向かい側の長椅子で待ち受けていた面々に困惑した表情を向ける。
長椅子には、向かって右側からピシリと背筋を伸ばした娘のフィリアナ、その隣にはフィリアナの膝上に顎を乗せてくつろいでいるアルス、更にその背中には行儀よくちょこんと座っている小さな銀色の子狐、そしてその二匹を妹と挟むように息子のロアルドが座っていた。
だが、そんな中でロアルドだけは微妙な反応を見せ、父からの問いを避けるようにさりげなく目を逸らしている。その様子にフィリックスは、問い詰めるターゲットを長男に絞る。
「ロア」
ピンポイントで名指しされてしまったロアルドが、ビクリと肩を震わせた。しかしそんな息子を逃さないとばかりにフィリックスはジッと見つめる。すると観念したロアルドが、父の反応を窺いながら本日起こってしまった出来事を恐る恐る語り始める。
「えっと、実は……王都から帰る途中、密猟者に襲われている狐の親子に遭遇しまして……」
「それで?」
「アルスがいち早く気づき馬車から飛び出して、それを追ったフィーもその場に駆けつけたのですが、母狐の方は、すでに事切れておりまして……」
そこまでの話で、フィリックスが怪訝そうな表情を浮かべながら片眉を上げる。
「フィーとアルスが駆けつけ、対処したのか? その間、お前やウォレス達は何を?」
「それが……僕らもフィー達が馬車から飛び出した直後に10名程の盗賊から襲撃を受けまして……」
「10名!? 盗賊に襲われたと聞いてはいたが、そんなにいたのか!? そ、それで二人とも怪我はなかったのか!?」
「はい。僕の方はウォレスとカイル、それにシシルとハンクもいたので、すぐに対処出来ました」
「待て。ならば、お前たちが盗賊10名を相手にしている間、フィー達はどうしていたのだ?」
「それは……その……」
ロアルドが口ごもると、フィリアナがピシッと挙手をして続きを語る。
「兄様が駆けつけてくれるまで、私が密猟者達を三人吹っ飛ばして気絶させました!」
誇らしげにそう主張したフィリアナの軽率な発言にロアルドが、思わず片手で顔を覆う。対して父フィリックスは、更に厳しい表情を深めた。
「なるほど。では残りの二名は誰が対処したのだ?」
「えっ?」
「密猟者は5名いたと報告を受けている。しかも内一人は、顔中心に火傷を負っているそうだな? ならば他二名は一体誰が対処したのだ?」
父親のその切り返しにやっとフィリアナが自分の失言に気づき、助けを求めるように兄へと視線を送る。そんな後始末を丸投げしてきた妹に呆れながら、ロアルドが重い口を慎重に開く。
「残り二名の内一人は僕が地属性魔法で攻撃し、気絶させました」
「ほう? では、火傷を負っている残り1名は? そもそも今回、登城に同行した者の中で火属性魔法を扱えるのはカイルだけだろう? だが、カイルは第三騎士団を呼びに行っていた為、その場にはいなかったはずだ。ならば、一体誰が密猟者の一人に火属性魔法を放ったのだ?」
明らかにその辺りの詳細を耳に入れている様子の父が更に突っ込んだ質問をしてきた為、フィリアナは上目遣いで再び兄へ縋るような視線を送った。
すると観念したロアルドが、その時の状況を渋々という様子で白状する。
「火傷を負っていた密猟者は……アルスが火属性魔法を放って対処致しました……」
そのロアルドの話を聞いたフィリックスが、チラリとアルスの方に視線を向けた後、深く息を吐く。
「では今回の出来事が切っ掛けで、アルスは火属性魔法を扱えるようになったという事だな……。ならば一度王家に報告し、今後のアルフレイス殿下の警備体制を見直さねば――――」
「待って、お父様!! 今日の話し合いではアルスは引き続き、うちで保護する事で決まったでしょう!? それなのに何故、アルフレイス殿下の警備体制を見直す必要があるの!?」
「それはまだアルスが魔法を使う事が出来ない状態での話だっただろう? しかし、今はアルスが強力な火属性魔法が使える事が判明している。ならばアルスは今後、殿下の護衛をこなす事が可能なはずだ」
「そ、そんなぁ……」
今の話でアルスが城に連れ戻される可能性がある事を突きつけられたフィリアナが、瞳にブワリと涙を溜め始める。その様子に父フィリックスが、困惑気味の弱々しい笑み浮かべた。
「フィー、こういう日が来る事は、アルスを預かる時に覚悟したはずだろう?」
「で、でも!」
「まぁ、そんなに不安がらなくても大丈夫だ。陛下も我が家でのアルスの豹変ぶりには、かなり感心されていたので今更、城に連れ戻すような事はなさらないだろう。だが、中にはアルフレイス殿下の安全面を理由にアルスを我が家で保護する事に異議を唱える人間も出てくるはずだ……。その為、アルスを王家にお返ししなければならない可能性が少なからずある事も一応、覚悟しておきなさい」
「はい……」
万が一の状況を想像してしまったフィリアナは、不安そうな表情で膝上に顎を乗せてまどろんでいるアルスの頭をそっと撫で始める。そんな娘の様子に苦笑したフィリックスは、次にアルスの背中の上にちょこんとお座りしている銀色の子狐に目を向けた。
「それと……お前逹が保護したその子狐だが、聖魔獣保護法に基づいて、王家に報告をしなければならない。その場合、一度王家に預ける事にな――――」
「それも待って! この子、今日目の前でお母様を殺されてしまったばかりなの! それでさっきから、ずっとアルスにくっついていて……。そんな状態なのにアルスからも引き離したら、かわいそうだよ!!」
娘の訴えにフィリックスが一瞬、何かに驚くような表情を浮かべる。
「アルスは……この子狐に懐かれているのか?」
「この子、助けてからずっとアルスの側を離れないの……」
「恐らくアルスが、母狐と同じくらいの大きさなので懐かれたのだと思うのですが……。父上、何か引っ掛かる事でも?」
「いや、引っ掛かるという事でもないのだが……」
何やら煮え切らない返答をしてきた父親の反応にフィリアナとロアルドが首を傾げる。
「お父様?」
「やはり何かあるのでは?」
「何かというか……この子狐は将来的に死んだ母狐と同じように雷属性魔法を扱う事が出来るようになるだろう? 雷属性魔法は、我々人間側でもその素質を持っている者は少ない。すなわち、この子狐もアルス同様、聖魔獣の中ではかなり希少な部類に入る。それが、同じ聖魔獣であるアルスに懐いているとなると……」
その話から父親が何を懸念しているのか、ロアルドが気づく。
「本来、希少な聖魔獣が発見された場合、まず王族との顔合わせが優先されるけれど、現状この子狐が一番懐いているのがアルスだから、今回もアルフレイス殿下と主従契約に至る可能性は低いと……」
「そういう事だ。はぁ……また陛下に小言を言われてしまう……。『折角、貴重な聖魔獣を確保したのによりにもよって同じ聖魔獣のアルスに懐かれるとは何事だ!』と……」
「それは父上のせいではないのでは?」
「私はアルスの躾係も兼ねていた。だが、この間の陛下に対するアルスの態度から、小言を言われてしまう状況なのは……お前も分かるだろう?」
「なる……ほど」
そんな会話を何とも言えない空気感で二人がしていると、フィリアナがアルスごと子狐を抱きしめ、キッとした視線を二人に向ける。
「二匹ともアルフレイス殿下には渡さない! だって……だってもし殿下と主従契約を結んでしまったら、この子達まで命を狙われてしまうのでしょう!? だったら二匹とも、うちで面倒をみる方がいいと思う!」
そう主張したフィリアナだが、兄ロアルドから致命的な部分を指摘されてしまう。
「渡さないって……。少なくともアルスは、アルフレイス殿下の飼い犬なのだから、最終的に手放さなければならない時が来ると思うぞ?」
「でも殿下は、もし私が先にアルスと主従契約を結んだら、それでもいいって言っていたもん!」
そう言ってフィリアナは、まどろんでいるアルスの両頬をがっしりと包み込み、真剣な眼差しを向ける。
「アルス! このままじゃ、アルフレイス殿下の元に連れ戻されちゃうかもしれないから、早く私と主従契約を結ぼう!」
「クーン……」
フィリアナの気合いの入ったお願いにアルスが、困惑したような反応を見せる。その状況にフィリックスとロアルドが、同時に深いため息をついた。
「フィー……。今日、陛下が言っていただろう? アルスは自分の意思じゃ主従契約が結べないって……。そもそもお前の魔力量は、平均よりも少し高い程度だから、膨大な魔力持ちのアルスとは釣り合いがとれないだろう?」
「た、確かに私の魔力量は平均より少し上くらいだけれど……。威力は宮廷魔導士でも通用するって、この間、お母様が言ってくれたもん!」
「まぁ、父上も母上も魔力自体は高いから、その血を受け継いでいるお前も魔法威力だけは高い方だと思うけれど……。聖魔獣と契約すると魔力量も共有するから、仮にもし契約出来たとしてもアルスが魔法を使うと、お前の魔力量もごっそり奪われるから、あまりいい状況にはならないと思うぞ?」
「だったら、魔力量が高い兄様がアルスと主従契約して!」
「お前の方がアルスに好かれているのに兄様と契約なんて尚更、無理だろう!? 主従契約が出来るのは、その聖魔獣に一番気に入られている人間だけだ!」
「兄様……使えない……」
「兄様は使えなくない! そもそも、自分の魔力量が少ない事を棚に上げるなよ!!」
そんな言い合いを始めてしまった子供達に父フィリックスが再び深いため息をついた後、妥協案を提案する。
「とりあえず……陛下には、フィーが嫁入りするまでは、うちでアルスを預からせてもらうように交渉はしてみる。その子狐に関しても独り立ちが出来るまでは、アルスと共に我が家で預かりたいと王家に要望を出すつもりだ。だから二人共、今はとりあえず一旦その内容で納得してくれないか?」
父からのその提案にロアルドは大きく頷くが、フィリアナはまだ納得しきれないのか眉間に深い皺を作り始める。
「フィー」
父に再度返答を促されたフィリアナは、渋々な様子でゆっくりと頷く。
「お父様……絶対に約束よ? 私がお嫁に行くまでは、アルスをうちで預かれるようにリオレス陛下に一生懸命お願いしてね?」
「ああ。約束する」
その父の返答に少しだけフィリアナが、安心するような表情を浮かべる。
そんな娘に優しい笑みを向けたフィリックスだが、それはすぐに難しそうな表情へと変化した。
「だが、アルスが魔法を扱う事が出来るとなれば、今後は更に警護を強化する必要があるな……。今の状況は刺客側にとって、強力な火属性魔法が使えるアルスが、同じく魔力が高いアルフレイス殿下と主従契約を結んでしまうと、ますます第二王子の暗殺は難しくなるという状況だからな……」
「おまけに将来的に希少な雷属性を使える銀狐までいるから尚更、我が家は奇襲をかけられやすくなると……」
父と兄の話にフィリアナが、ビクリと体を強張らせる。
「うちにも……アルスの命を狙っている人達が来ちゃうの……?」
ここで初めてアルスを手元に置く事で自分達の安全面も脅かされる事に気が付いたフィリアナが、不安そうな表情を兄ロアルドに向けてきた。
そんな妹に「何を今更……」と言いかけたロアルドが、盛大に呆れる。
「だから、さっき襲われる前の馬車の中で兄様が言っただろう? アルスは王家に保護して貰った方がいいんじゃないかって……。アルスをうちで預かるって事は、僕達もターゲットにされる可能性があるって事なんだ……。それでも、お前はアルスと一緒にいたいのだろう?」
「うん……」
「だったらそんな不安そうな顔なんかしないで、フィーも覚悟を決めるべきだ。アルスを守るって決めたのならば、最後までその決断に責任を持てよ。兄様もなるべく協力してやるから」
「兄様……」
「まぁ、この邸は王家専属の護衛や魔導士に選ばれる程の護衛のスペシャリストが勢揃いしているから、警備の方は問題ないと思うけれど。そもそも防御系魔法に特化した父上と僕がいれば、大抵の奇襲は防げる。だからお前が、そんなに心配しなくても大丈夫だと思うぞ?」
「本当?」
「ああ。現に今までだって何度も奇襲が……」
「ロア!」
思わず口を滑らせた息子にフィリックスが目くじらを立てる。
だが、兄のうっかり発言をフィリアナはしっかり耳にしていた。
「今までも……何度かうちは襲われた事があるの?」
「えーと……」
「お前は……何故、家族間限定で口が軽くなるのだ……」
「いや、でも……もうフィーも9歳なので大丈夫かと……」
「フィーはお前と違って、そこまで精神面は強くないのだから、まだその状況を受け止められる訳がないだろう!!」
「そうでしょうか……。フィーは意外と打たれ強い方だと思うのですが……」
「お前は……何を根拠にそう思ったのだ?」
「だってフィーは、自分よりも年上で身分の高い侯爵令嬢に売られた喧嘩を嬉々として買ってしまうような奴ですよ? そんな9歳児がメンタル弱い訳ないじゃないですか……」
息子のその言い分に思う事があったのか、思わずフィリックスが押し黙る。
そんな父親の反応にフィリアナが抗議の声をあげた。
「二人とも! もっと私の事を繊細な女の子として扱って!」
「…………」
「いや、それは無理だろう……」
押し黙り続ける父と、あっさり否定してきた兄にフィリアナが、すっかり機嫌を損ねる。すると、アルスの背中の上に乗っていた子狐が、キュイキュイ鳴きながらフィリアナの膝の上に乗ってきた。その子狐の行動をアルスが、嫉妬するようにフィリアナの膝上を独占しながら邪魔をする。
「こら! アルスはお兄さんなのだから、狐ちゃんには優しくしないとダメでしょ!?」
大好きなフィリアナに叱られてしまったアルスが耳と尻尾をペタンとさせ、悲しそうにピスピスと鼻を鳴らし出す。その様子を見ていたロアルドが、ふとある事に気づいた。
「そういえば……その子狐、名前はどうするんだ? いつまでも『狐ちゃん』ってわけにはいかないだろう?」
「そっか! この子にもちゃんと名前を付けてあげないと! それじゃ……銀色のフワフワな毛並が雪みたいだから『スノウ』っていうのは、どうかな?」
「こいつ、将来的に雷属性の魔法を使うようになるんだろう? なのに氷属性を連想させるような名前にするのは変じゃないか?」
呆れ気味な表情でツッコんできた兄にフィリアナが、やや不貞腐れるような反応を見せる。
「だったら兄様は、どんな名前がいいと思うの!?」
「そうだなー。雷属性魔法が使えるのだから『サンダー』とか『ライトニング』はどうだ?」
「『サンダー』は響きが可愛くない……。あと『ライトニング』は昔、兄様が読んでいた勇者物語の主人公の名前と一緒だから、何かカッコ悪い……」
「うっ……」
妹から放たれた辛辣なダメ出しにロアルドが傷つくように胸を押さえる。
そんな兄妹の様子を苦笑しながら眺めていたフィリックスが、ある候補名を提案してきた。
「ならば『レイ』はどうだ? 短かく呼びやすい上に『一筋の光』という意味が稲妻を連想させるので、雷属性持ちのこの子狐にピッタリだと思うのだが……」
父が提案してきたその名前を聞いた瞬間、フィリアナが瞳をキラキラさせる。
「その名前、響きが綺麗で、とっても素敵だと思う! 流石、お父様!」
「なんだよ!! 父上だって僕と同じ『雷』に因んだ名前じゃないか!! なのになんで兄様の時だけ『カッコ悪い』って言うんだよ!!」
「兄様のは、理由は分からないけれど、とにかく響きがカッコ悪いの!」
「お前、さっきから兄様の扱い酷すぎるだろう!?」
「酷くないもん! カッコ悪い名前しか思いつかない兄様が悪いのでしょう!? アルスは兄様とお父様の考えた名前だったら、どっちの方がいいと思う?」
急にフィリアナに意見を求められたアルスが、フィリックスとロアルドを交互に見比べる。すると、珍しい事にアルスは、フィリックスの方に視線を向けながら「わふっ!」と一声鳴いた。
「このぉ……アルスの裏切り者ぉぉぉー!!」
そのロアルドの叫び声と共に本日ラテール伯爵家の一員となった銀色の子狐は、『レイ』という名前に決定した。
先に子供達を帰らせ、国王リオレスと今後の護衛体制を話し合う為、帰宅が遅くなったフィリックスが、向かい側の長椅子で待ち受けていた面々に困惑した表情を向ける。
長椅子には、向かって右側からピシリと背筋を伸ばした娘のフィリアナ、その隣にはフィリアナの膝上に顎を乗せてくつろいでいるアルス、更にその背中には行儀よくちょこんと座っている小さな銀色の子狐、そしてその二匹を妹と挟むように息子のロアルドが座っていた。
だが、そんな中でロアルドだけは微妙な反応を見せ、父からの問いを避けるようにさりげなく目を逸らしている。その様子にフィリックスは、問い詰めるターゲットを長男に絞る。
「ロア」
ピンポイントで名指しされてしまったロアルドが、ビクリと肩を震わせた。しかしそんな息子を逃さないとばかりにフィリックスはジッと見つめる。すると観念したロアルドが、父の反応を窺いながら本日起こってしまった出来事を恐る恐る語り始める。
「えっと、実は……王都から帰る途中、密猟者に襲われている狐の親子に遭遇しまして……」
「それで?」
「アルスがいち早く気づき馬車から飛び出して、それを追ったフィーもその場に駆けつけたのですが、母狐の方は、すでに事切れておりまして……」
そこまでの話で、フィリックスが怪訝そうな表情を浮かべながら片眉を上げる。
「フィーとアルスが駆けつけ、対処したのか? その間、お前やウォレス達は何を?」
「それが……僕らもフィー達が馬車から飛び出した直後に10名程の盗賊から襲撃を受けまして……」
「10名!? 盗賊に襲われたと聞いてはいたが、そんなにいたのか!? そ、それで二人とも怪我はなかったのか!?」
「はい。僕の方はウォレスとカイル、それにシシルとハンクもいたので、すぐに対処出来ました」
「待て。ならば、お前たちが盗賊10名を相手にしている間、フィー達はどうしていたのだ?」
「それは……その……」
ロアルドが口ごもると、フィリアナがピシッと挙手をして続きを語る。
「兄様が駆けつけてくれるまで、私が密猟者達を三人吹っ飛ばして気絶させました!」
誇らしげにそう主張したフィリアナの軽率な発言にロアルドが、思わず片手で顔を覆う。対して父フィリックスは、更に厳しい表情を深めた。
「なるほど。では残りの二名は誰が対処したのだ?」
「えっ?」
「密猟者は5名いたと報告を受けている。しかも内一人は、顔中心に火傷を負っているそうだな? ならば他二名は一体誰が対処したのだ?」
父親のその切り返しにやっとフィリアナが自分の失言に気づき、助けを求めるように兄へと視線を送る。そんな後始末を丸投げしてきた妹に呆れながら、ロアルドが重い口を慎重に開く。
「残り二名の内一人は僕が地属性魔法で攻撃し、気絶させました」
「ほう? では、火傷を負っている残り1名は? そもそも今回、登城に同行した者の中で火属性魔法を扱えるのはカイルだけだろう? だが、カイルは第三騎士団を呼びに行っていた為、その場にはいなかったはずだ。ならば、一体誰が密猟者の一人に火属性魔法を放ったのだ?」
明らかにその辺りの詳細を耳に入れている様子の父が更に突っ込んだ質問をしてきた為、フィリアナは上目遣いで再び兄へ縋るような視線を送った。
すると観念したロアルドが、その時の状況を渋々という様子で白状する。
「火傷を負っていた密猟者は……アルスが火属性魔法を放って対処致しました……」
そのロアルドの話を聞いたフィリックスが、チラリとアルスの方に視線を向けた後、深く息を吐く。
「では今回の出来事が切っ掛けで、アルスは火属性魔法を扱えるようになったという事だな……。ならば一度王家に報告し、今後のアルフレイス殿下の警備体制を見直さねば――――」
「待って、お父様!! 今日の話し合いではアルスは引き続き、うちで保護する事で決まったでしょう!? それなのに何故、アルフレイス殿下の警備体制を見直す必要があるの!?」
「それはまだアルスが魔法を使う事が出来ない状態での話だっただろう? しかし、今はアルスが強力な火属性魔法が使える事が判明している。ならばアルスは今後、殿下の護衛をこなす事が可能なはずだ」
「そ、そんなぁ……」
今の話でアルスが城に連れ戻される可能性がある事を突きつけられたフィリアナが、瞳にブワリと涙を溜め始める。その様子に父フィリックスが、困惑気味の弱々しい笑み浮かべた。
「フィー、こういう日が来る事は、アルスを預かる時に覚悟したはずだろう?」
「で、でも!」
「まぁ、そんなに不安がらなくても大丈夫だ。陛下も我が家でのアルスの豹変ぶりには、かなり感心されていたので今更、城に連れ戻すような事はなさらないだろう。だが、中にはアルフレイス殿下の安全面を理由にアルスを我が家で保護する事に異議を唱える人間も出てくるはずだ……。その為、アルスを王家にお返ししなければならない可能性が少なからずある事も一応、覚悟しておきなさい」
「はい……」
万が一の状況を想像してしまったフィリアナは、不安そうな表情で膝上に顎を乗せてまどろんでいるアルスの頭をそっと撫で始める。そんな娘の様子に苦笑したフィリックスは、次にアルスの背中の上にちょこんとお座りしている銀色の子狐に目を向けた。
「それと……お前逹が保護したその子狐だが、聖魔獣保護法に基づいて、王家に報告をしなければならない。その場合、一度王家に預ける事にな――――」
「それも待って! この子、今日目の前でお母様を殺されてしまったばかりなの! それでさっきから、ずっとアルスにくっついていて……。そんな状態なのにアルスからも引き離したら、かわいそうだよ!!」
娘の訴えにフィリックスが一瞬、何かに驚くような表情を浮かべる。
「アルスは……この子狐に懐かれているのか?」
「この子、助けてからずっとアルスの側を離れないの……」
「恐らくアルスが、母狐と同じくらいの大きさなので懐かれたのだと思うのですが……。父上、何か引っ掛かる事でも?」
「いや、引っ掛かるという事でもないのだが……」
何やら煮え切らない返答をしてきた父親の反応にフィリアナとロアルドが首を傾げる。
「お父様?」
「やはり何かあるのでは?」
「何かというか……この子狐は将来的に死んだ母狐と同じように雷属性魔法を扱う事が出来るようになるだろう? 雷属性魔法は、我々人間側でもその素質を持っている者は少ない。すなわち、この子狐もアルス同様、聖魔獣の中ではかなり希少な部類に入る。それが、同じ聖魔獣であるアルスに懐いているとなると……」
その話から父親が何を懸念しているのか、ロアルドが気づく。
「本来、希少な聖魔獣が発見された場合、まず王族との顔合わせが優先されるけれど、現状この子狐が一番懐いているのがアルスだから、今回もアルフレイス殿下と主従契約に至る可能性は低いと……」
「そういう事だ。はぁ……また陛下に小言を言われてしまう……。『折角、貴重な聖魔獣を確保したのによりにもよって同じ聖魔獣のアルスに懐かれるとは何事だ!』と……」
「それは父上のせいではないのでは?」
「私はアルスの躾係も兼ねていた。だが、この間の陛下に対するアルスの態度から、小言を言われてしまう状況なのは……お前も分かるだろう?」
「なる……ほど」
そんな会話を何とも言えない空気感で二人がしていると、フィリアナがアルスごと子狐を抱きしめ、キッとした視線を二人に向ける。
「二匹ともアルフレイス殿下には渡さない! だって……だってもし殿下と主従契約を結んでしまったら、この子達まで命を狙われてしまうのでしょう!? だったら二匹とも、うちで面倒をみる方がいいと思う!」
そう主張したフィリアナだが、兄ロアルドから致命的な部分を指摘されてしまう。
「渡さないって……。少なくともアルスは、アルフレイス殿下の飼い犬なのだから、最終的に手放さなければならない時が来ると思うぞ?」
「でも殿下は、もし私が先にアルスと主従契約を結んだら、それでもいいって言っていたもん!」
そう言ってフィリアナは、まどろんでいるアルスの両頬をがっしりと包み込み、真剣な眼差しを向ける。
「アルス! このままじゃ、アルフレイス殿下の元に連れ戻されちゃうかもしれないから、早く私と主従契約を結ぼう!」
「クーン……」
フィリアナの気合いの入ったお願いにアルスが、困惑したような反応を見せる。その状況にフィリックスとロアルドが、同時に深いため息をついた。
「フィー……。今日、陛下が言っていただろう? アルスは自分の意思じゃ主従契約が結べないって……。そもそもお前の魔力量は、平均よりも少し高い程度だから、膨大な魔力持ちのアルスとは釣り合いがとれないだろう?」
「た、確かに私の魔力量は平均より少し上くらいだけれど……。威力は宮廷魔導士でも通用するって、この間、お母様が言ってくれたもん!」
「まぁ、父上も母上も魔力自体は高いから、その血を受け継いでいるお前も魔法威力だけは高い方だと思うけれど……。聖魔獣と契約すると魔力量も共有するから、仮にもし契約出来たとしてもアルスが魔法を使うと、お前の魔力量もごっそり奪われるから、あまりいい状況にはならないと思うぞ?」
「だったら、魔力量が高い兄様がアルスと主従契約して!」
「お前の方がアルスに好かれているのに兄様と契約なんて尚更、無理だろう!? 主従契約が出来るのは、その聖魔獣に一番気に入られている人間だけだ!」
「兄様……使えない……」
「兄様は使えなくない! そもそも、自分の魔力量が少ない事を棚に上げるなよ!!」
そんな言い合いを始めてしまった子供達に父フィリックスが再び深いため息をついた後、妥協案を提案する。
「とりあえず……陛下には、フィーが嫁入りするまでは、うちでアルスを預からせてもらうように交渉はしてみる。その子狐に関しても独り立ちが出来るまでは、アルスと共に我が家で預かりたいと王家に要望を出すつもりだ。だから二人共、今はとりあえず一旦その内容で納得してくれないか?」
父からのその提案にロアルドは大きく頷くが、フィリアナはまだ納得しきれないのか眉間に深い皺を作り始める。
「フィー」
父に再度返答を促されたフィリアナは、渋々な様子でゆっくりと頷く。
「お父様……絶対に約束よ? 私がお嫁に行くまでは、アルスをうちで預かれるようにリオレス陛下に一生懸命お願いしてね?」
「ああ。約束する」
その父の返答に少しだけフィリアナが、安心するような表情を浮かべる。
そんな娘に優しい笑みを向けたフィリックスだが、それはすぐに難しそうな表情へと変化した。
「だが、アルスが魔法を扱う事が出来るとなれば、今後は更に警護を強化する必要があるな……。今の状況は刺客側にとって、強力な火属性魔法が使えるアルスが、同じく魔力が高いアルフレイス殿下と主従契約を結んでしまうと、ますます第二王子の暗殺は難しくなるという状況だからな……」
「おまけに将来的に希少な雷属性を使える銀狐までいるから尚更、我が家は奇襲をかけられやすくなると……」
父と兄の話にフィリアナが、ビクリと体を強張らせる。
「うちにも……アルスの命を狙っている人達が来ちゃうの……?」
ここで初めてアルスを手元に置く事で自分達の安全面も脅かされる事に気が付いたフィリアナが、不安そうな表情を兄ロアルドに向けてきた。
そんな妹に「何を今更……」と言いかけたロアルドが、盛大に呆れる。
「だから、さっき襲われる前の馬車の中で兄様が言っただろう? アルスは王家に保護して貰った方がいいんじゃないかって……。アルスをうちで預かるって事は、僕達もターゲットにされる可能性があるって事なんだ……。それでも、お前はアルスと一緒にいたいのだろう?」
「うん……」
「だったらそんな不安そうな顔なんかしないで、フィーも覚悟を決めるべきだ。アルスを守るって決めたのならば、最後までその決断に責任を持てよ。兄様もなるべく協力してやるから」
「兄様……」
「まぁ、この邸は王家専属の護衛や魔導士に選ばれる程の護衛のスペシャリストが勢揃いしているから、警備の方は問題ないと思うけれど。そもそも防御系魔法に特化した父上と僕がいれば、大抵の奇襲は防げる。だからお前が、そんなに心配しなくても大丈夫だと思うぞ?」
「本当?」
「ああ。現に今までだって何度も奇襲が……」
「ロア!」
思わず口を滑らせた息子にフィリックスが目くじらを立てる。
だが、兄のうっかり発言をフィリアナはしっかり耳にしていた。
「今までも……何度かうちは襲われた事があるの?」
「えーと……」
「お前は……何故、家族間限定で口が軽くなるのだ……」
「いや、でも……もうフィーも9歳なので大丈夫かと……」
「フィーはお前と違って、そこまで精神面は強くないのだから、まだその状況を受け止められる訳がないだろう!!」
「そうでしょうか……。フィーは意外と打たれ強い方だと思うのですが……」
「お前は……何を根拠にそう思ったのだ?」
「だってフィーは、自分よりも年上で身分の高い侯爵令嬢に売られた喧嘩を嬉々として買ってしまうような奴ですよ? そんな9歳児がメンタル弱い訳ないじゃないですか……」
息子のその言い分に思う事があったのか、思わずフィリックスが押し黙る。
そんな父親の反応にフィリアナが抗議の声をあげた。
「二人とも! もっと私の事を繊細な女の子として扱って!」
「…………」
「いや、それは無理だろう……」
押し黙り続ける父と、あっさり否定してきた兄にフィリアナが、すっかり機嫌を損ねる。すると、アルスの背中の上に乗っていた子狐が、キュイキュイ鳴きながらフィリアナの膝の上に乗ってきた。その子狐の行動をアルスが、嫉妬するようにフィリアナの膝上を独占しながら邪魔をする。
「こら! アルスはお兄さんなのだから、狐ちゃんには優しくしないとダメでしょ!?」
大好きなフィリアナに叱られてしまったアルスが耳と尻尾をペタンとさせ、悲しそうにピスピスと鼻を鳴らし出す。その様子を見ていたロアルドが、ふとある事に気づいた。
「そういえば……その子狐、名前はどうするんだ? いつまでも『狐ちゃん』ってわけにはいかないだろう?」
「そっか! この子にもちゃんと名前を付けてあげないと! それじゃ……銀色のフワフワな毛並が雪みたいだから『スノウ』っていうのは、どうかな?」
「こいつ、将来的に雷属性の魔法を使うようになるんだろう? なのに氷属性を連想させるような名前にするのは変じゃないか?」
呆れ気味な表情でツッコんできた兄にフィリアナが、やや不貞腐れるような反応を見せる。
「だったら兄様は、どんな名前がいいと思うの!?」
「そうだなー。雷属性魔法が使えるのだから『サンダー』とか『ライトニング』はどうだ?」
「『サンダー』は響きが可愛くない……。あと『ライトニング』は昔、兄様が読んでいた勇者物語の主人公の名前と一緒だから、何かカッコ悪い……」
「うっ……」
妹から放たれた辛辣なダメ出しにロアルドが傷つくように胸を押さえる。
そんな兄妹の様子を苦笑しながら眺めていたフィリックスが、ある候補名を提案してきた。
「ならば『レイ』はどうだ? 短かく呼びやすい上に『一筋の光』という意味が稲妻を連想させるので、雷属性持ちのこの子狐にピッタリだと思うのだが……」
父が提案してきたその名前を聞いた瞬間、フィリアナが瞳をキラキラさせる。
「その名前、響きが綺麗で、とっても素敵だと思う! 流石、お父様!」
「なんだよ!! 父上だって僕と同じ『雷』に因んだ名前じゃないか!! なのになんで兄様の時だけ『カッコ悪い』って言うんだよ!!」
「兄様のは、理由は分からないけれど、とにかく響きがカッコ悪いの!」
「お前、さっきから兄様の扱い酷すぎるだろう!?」
「酷くないもん! カッコ悪い名前しか思いつかない兄様が悪いのでしょう!? アルスは兄様とお父様の考えた名前だったら、どっちの方がいいと思う?」
急にフィリアナに意見を求められたアルスが、フィリックスとロアルドを交互に見比べる。すると、珍しい事にアルスは、フィリックスの方に視線を向けながら「わふっ!」と一声鳴いた。
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