〇〇と言い張る面倒な王子達

もも野はち助

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第四話:『この婚約は政略的なものだと言い張る王太子』

【後編】

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 「珍しいな。オフェリアが一人でお茶をしているだなんて……。いつも羽虫のように引っ付いているリシウス兄上は、どうした?」

  たまたま庭園を横切る通路を歩いていた第二王子ライナスは、オフェリアの存在に気付き、こちらに向かって来たようだ。
 第四王子ルーレンスとは、また違った方向性で俺様王子なライナスは、どこか人を揶揄からかうような表情を浮かべている事が多い。
 しかも長身のリシウスよりも更に背が高いので、座っている状態の時に見下ろされると、かなり威圧感がある。
 しかし、幼少期からの付き合いのオフェリアは、もはや慣れっこだ。

「ライナス様……。兄君の事をそのようにおっしゃっては……」
「事実だろう。流石にあの兄の徹底ぶりには弟の俺ですら、引く」

 そう言って本来ならばリシウスが座るはずの席に着く。その遠慮のない振る舞いにオフェリアが苦笑した。第二王子ライナスとは同年齢でもあるせいか、何故か気軽に話せる間柄だ。

 それは初対面がリシウスによって、あのようなハプニングに見舞われた事も影響している。あの完璧王子と称されるリシウスの暴走を目の当たりにしたライナスには、どこか仲間意識をオフェリアは抱いている。
 それはライナスの方でも同じようだ。

「ところでライナス様、この時間はご公務に励んでいらっしゃるはずでは?」
「嫌な事を思い出させるな! 少し息抜きで抜けて来たと言うのに……」
「まぁ! それではセリがライナス様の事を血眼になって探しているのでは?」
「あいつが気付く前には戻る」

 セリとは、ライナスの護衛兼補佐官でもある女性騎士のセリアネスの事だ。伯爵家の令嬢の彼女は、ライナスの婚約者でもある。

「そもそも俺の事等どうでもいい。それよりもお前は何故、浮かない顔をしている?」

 面白そうにニヤニヤしながら聞いてきたライナスにオフィリアが、バツの悪そうな笑みを返す。すると、ますますライナスが面白がる様に聞いてきた。

「兄上の事か?」
「はい。その……以前からリシウス様が、わたくしとの婚約は政略的なモノだとおっしゃっているのは気づいていたのですが……。ここ最近、特に口にされる頻度が多いので、わたくしとの婚礼に不満を募らせているのではないかと……」

 その瞬間、ライナスがブッと吹き出した。

「ライナス様……」
「わ、悪い。あまりにも予想外の推察で……」

 そう答えたライナスは、お腹を抱えて必死に笑いを堪えている。その様子にオフェリアが、盛大にため息をついた。

「わたくしにとっては笑い事ではないのですが?」
「ほ、本当にすまない……。それで? お前はどう対処するつもりだ?」

 瞳に涙まで浮かべ笑いを堪えているライナスにオフェリアが、一瞬だけ白い目を向けた。だがそこは王妃教育の賜物か、すぐに小さく息を吐いて平常心を取り戻す。

「正直、どのように対処すればいいのか分かりかねております……」
「なるほど。では俺が名案を伝授してやろう」
「ライナス様が?」
「ああ。これは絶対に効果がある。まず『政略的な婚約』と連呼している兄上の状況だが……。兄上は口にしている事に対して、矛盾した行動が多すぎるとお前は思わないか?」
「確かにそれは……多々ございますね」
「ならば、兄上にその矛盾した行動をさせないようにすればいい」

 そう言ってライナスが意地の悪い笑みを浮かべた。二人が言っている『リシウスの矛盾した行動』とは、政略的な婚約と称しているのにオフェリアに対して、やたらと過剰なエスコートやスキンシップが多い事を言っているのだ。

 確かにその部分にオフェリアは、ずっと疑問を抱いていた。だが、同時にそれだけリシウスが自分との結婚に政略的な印象が付かないように対策をしてくれていたという事も理解している。
 だからこそ、ライナスのその提案を実行する事には躊躇してしまう……。

「ですが、その矛盾した行動は、政略的な婚姻に見られ不仲説が出回らぬようリシウス様が徹底的に対策を行っている事なので……」
「だが、人目の無い場所で行う必要性はないはずだが?」
「それは……」
「そこでだ! その事を理由にお前が兄上から受ける不必要なスキンシップやエスコートを拒絶してみてはどうだ?」

 そう提案してきたライナスは、非常に悪い顔で笑みを浮かべている。
 明らかに兄王子を揶揄からかう気が満々な第二王子にオフェリアが呆れた視線を送った。

「ライナス様、完全に面白がられていらっしゃいますね?」
「当たり前だ! そもそも兄上のあの無自覚で砂糖をまき散らしながら『これは政略的な婚約だ』と言い回る姿は、フィルやルーだけではなく俺も毎回腹立たしさを感じていた。そもそもお前もお前だ! あの無自覚で行っている無神経な行動にそろそろ鉄槌を下してやれ!」
「ライナス様が、本当に楽しそうで何よりです……」

 第三王子フィリップや第四王子ルーレンスだけでなく、第二王子ライナスまでもが長兄のあの無自覚で行われる矛盾した行動の意図に気付いていたらしい。
 そしてそれはオフェリア自身も薄々気づいていた事だった。

 リシウスは「これは政略的な婚約だ」と強調しながら、オフェリアに接する際は、どう見ても溺愛している様にしか見えない行動ばかりを繰り返しているのだ……。

 これが羞恥心や素直になれないなどを理由に矛盾した行動をしているのならば、思春期にありがちな事なので、まだ理解は出来る。
 しかし真面目で几帳面な性格のリシウスの場合、完全に無自覚で行っている。
 本人にとっては、たとえ政略的に結んだ婚約とは言え、誠心誠意心を込めて婚約者を大切に扱う事は、紳士としての義務だと感じての振る舞いなのだろう。

 だが、婚約を結んだ直後の王妃教育の際、常にピッタリ横に張り付きながらオフェリアの勉学する姿をじっくり眺め、どんなに多忙な時でも意地でもオフェリアとのお茶の時間を捻出し、それが不可能な際はオフェリアを執務室に招いて簡単な仕事を手伝わせてまで、常にオフェリアを自分の傍に置くという行為をリシウスは、無自覚に7年間も繰り返していたのだ……。

 それ以外にも誕生日の贈り物は、毎回リシウスを彷彿させる色やデザインの宝飾品が殆どだった。
 夜会用のドレスもリシウスの瞳の色である濃いエメラルドグリーンが多く、そうではない時はアクセント部分や装飾品等に彼の銀の髪を彷彿させるシルバーの色が使われているドレスばかり。
 夜会参加時は意地でもオフェリアのエスコートを続け、別行動をする時はほぼ無かった。しかも酷いと化粧室前まで付いてくる……。

 何よりもここ最近のリシウスの一番目に付く行動は、二人きりの際にやけに距離感が近い事だ。
 長椅子などに横並びで座る事は当たり前となり、会話中にやたらとオフェリアに触れられるようなワードを入れては、ちゃっかり髪や頬に手を伸ばしてくる。この間のお茶の時間では、無意識にオフェリアの手をずっと握っていた……。

 だがそれでも『これは政略的な婚約』という言葉を必ず口にする……。
 これは当てつけ等ではなく、無自覚で溺愛行動をしておきながら、リシウス自身は婚約者に対しての当たり前の接し方だと思い込んでいる可能性が高い……。

 そうなるとライナスの提案ではないが、そろそろこの思春期の乙女がやりそうな「別にあなたの事なんて好きじゃないんだから!」と言いながら矛盾した過剰愛情表現を繰り返すリシウスの行動をやめさせた方がいい……。
 もしこれを挙式後にもやられてしまうと、逆に不仲説が出てしまい、愛人の座を狙う女性も出て来てくるだろう……。
 そうなればリシウスの理想としている夫婦像から、どんどん遠ざかってしまう。

 長きに渡り、このリシウスの矛盾行動で悩んでいたオフェリアだが……。
 これを機に徹底的にリシウスにその事を自覚させようと、やっと動き出す事を決意した。



 そして翌日――――。
 お茶の時間にいつも通り横に座って来たリシウスが、無意識にオフェリアの手を取ろうとした際、それをオフェリアはスッとさり気なく躱す。
 するとあまり感情を出さないリシウスが、驚くように目を見開いた。

「オフェリア?」
「リシウス様、今は周囲の目が一切ないプライベートな時間でございます。以前から感じておりましたが……その時間までも過剰に接する必要はないかと存知ますが?」
「いや、しかし……こういう時間でも常にスキンシップを図っていた方が、いざ公の場に出た際でも違和感なく振る舞えるかと……」
「7年間、リシウス様はそのようにわたくしに接してくださいました。ですから、もうわたくしは、リシウス様と仲睦まじく過ごす姿を周りにすぐ披露出来る程、体に染みついております」
「だが念には念を……」

 何故かなかなか引き下がらないリシウスにオフェリアが、少々圧を掛けるようにニッコリと微笑む。 

「リシウス様、逆に過剰にスキンシップを図る方が、弊害が出る可能性をお考えになられた事はございますか? わたくし達の婚約婚姻は政略的要素が強いものです。ですが、過剰にスキンシップを図ってしまうと、その『政略的なもの』という線引きが無くなってしまいます。そうなってしまえば、お互い冷静に理想の夫婦像を演じられなくなってしまうと、わたくしは思うのですが……」

 オフェリアのその言い分を聞いたリシウスが、顎に手を当てて少し考え出す。

「確かに……その危険性はあるな。恋愛感情は時に人から冷静さを奪うものだ」
「ですので、しばらくの間はその線引きをしっかり認識するというのは、どうでしょうか?」
「だが、いきなりそのような振る舞いをしてしまえば、逆に不仲説が……」
「線引きする際は、人目が一切ない状態の時のみなので、不仲説が流れる事はないかと」
「そ、そうか。分かった。今後はその事にも配慮するよう善処しよう」

 意外とあっさり引き下がったリシウスにオフェリアが、小さく息を吐く。
 どうやら本当にリシウスに下心のような感情は、なかったらしい。
 あの過剰接触は、純粋に婚約者に対する当たり前の接し方だと思い込んでいるようだ……。
 だが、その接触頻度が減ればジワジワと物足りなさを感じ、流石に今までの自身の矛盾した行動の意図に気付くはずだ。

 少しは無自覚に繰り返してきた無神経な言動を反省すればいい。

 そんな意地の悪い考えを抱いてしまったオフェリアは、あっさりと自分の提案を受け入れてくれたリシウスに対して、思わず心の中でほくそ笑んでしまった。
 しかし、そのオフェリアの企みは思わぬ事態を招いてしまう……。

 それはリシウスが、オフェリアへの過剰接触を控えるようになった二週間後に突然やってきた。
 何とリシウスは公務中に急に真っ青な顔色になり、大量の冷や汗を吹き出させ、みぞおち部分に激痛を訴えながら座り込むように倒れてしまったのだ……。

 診断結果は、過剰ストレスによる急性胃炎。

 その報告を受けたオフェリアは、リシウスを見舞う為に慌てて登城した。
 すると、大きな寝台の真ん中で血の気の無い顔色をしたリシウスが、小さく顔だけ出して眠っていた。
 だが部屋に案内されたオフェリアがリシウスの元に駆け寄ると、人の気配を感じたからか、リシウスがうっすらと目を開く。

「オフェリア……」
「リシウス様!! お加減は――っ」

 無理に起き上がろうとするリシウスを制しようと、オフェリアが手を伸ばす。
 すると、リシウスはその手を避け、更に先にあるオフェリアの首に手を回して自分の方に抱き寄せ、そのまま再度寝台に後ろ向きで倒れ込んだ。

 一瞬、何が起きたのか分からなかったオフェリアだが、自分が仰向けのリシウスに逞しい腕で抱き込まれている状態だと理解した瞬間、慌てて体を離そうとした。しかし、リシウスの方は更に腕の力を込め、抱え込んでいるオフェリアの頭部に口付けを落とすように顔を埋め始める。

「リ、リシウス様!!」
「オフェリア……。私と君との婚約は政略的な理由で交わされたものだ……」

 頭上から弱々しい声で囁くように言い出したリシウスの言葉にオフェリアの動きが止まる。

「だが私にとって、この婚約は政略的なモノではなかった……。君との接する機会に制限を付けられるまで、私はその自分の気持ちに全く気付けなかった……」

 そう言って更にオフェリアを抱きしめる腕に力を込める。

「この婚約は政略的なものではない。私が自分の意志で君を妻に迎えたいと心から望み、結んだ婚約になる。だから……」

 そう言ってリシウスが、自分の胸元に抱き寄せたオフェリアの顔を覗き込む。
 青白い顔をしながらも、その瞳から縋る様な視線をオフェリアに注いできた。

「これからは私の心を幸福で満たす為、君を好きなだけ愛でる権利を私に与えて貰えないだろうか……」

 普段の堂々とした完璧王太子の声とは思えない程、どこかうかがうような自信なさげな物言いをするリシウスの様子に思わずオフェリアが苦笑しながら、そっとリシウスの胸元の寝間着を軽く握り締める。

「かしこまりました。リシウス様のお心のまま……」

 そう答えると、安心するような表情を浮かべたリシウスがふわりと微笑む。
 それに応えるようにオフェリアも幸福そうな笑みを返した。

 しかし、そのすぐ後に姉に遅れて見舞いに訪れたオフェリアの妹シャノンと、その婚約者である第四王子ルーレンスにリシウスがオフェリアを抱え込んだ状態で、寝台に横たわっている様子を目撃されてしまう。
 その瞬間、リシウスは抱き込んでいたオフェリアを二人にひったくられるようにその腕から引き離されてしまった。
 更にその長兄の暴走行為を弟ルーレンスは、ご丁寧に母である王妃と自分達の乳母だったベテラン侍女に報告したらしく、体調が回復し始めたリシウスは、その後二人からこっぴどく叱られる事となる……。



 そして、それから半年後――――。
 王太子リシウスと侯爵令嬢であるオフェリアの挙式が盛大に行われた。
 その際の二人の姿を見た国民達は、その仲睦まじい様子に歓喜の声を上げ、その年以降からは国民間での既婚率がグッと上がったそうだ。

 しかしそんな仲睦まじい王太子夫妻には、二年経ってもなかなか世継ぎには恵まれなった。その原因として、王太子が子作りに関して後ろ向きであるという噂が城内で囁かれている。何でも王太子はその言い分として、両親である国王夫妻にこのように説明したらしい。

「私達の結婚は政略的なものではなく、正真正銘の恋愛結婚でございます。すなわち、まだ私には妻を子供に取られてしまう可能性がある未来を受け入れられる程の心のゆとりがございません。ですから、お世継ぎの件は、もう少しお待ち頂くようにお願い致します!」

 高らかにそう宣言した息子に国王夫妻は呆れながら白い目を向け、同時にその隣にいる羞恥心で顔を真っ赤にしている待望の嫁に憐憫の眼差しを向けた……。

 そんな生真面目で真っ直ぐ過ぎる王太子は、今日も無自覚に自分の妻を必要以上に溺愛しながら、心満たされる日々を過ごしている。
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