12 / 15
第四話 邪竜の記憶と愛しい想い②
しおりを挟む
自分の知る聖女は、あの聖女もどきとは比べ物にならないほど美しく、清廉だったのだと思う。そう、今目の前にいる、凛としたこの少女のように。
そんなことを考えていると、ふいにやわらかなものが自分の頬をぬぐった。それは、聖女の生まれ変わりが差し出した白いハンカチーフだった。
「妹がごめんなさい。こんなことしかできないけれど……。わたしが代わりに謝ります。怪我はしていない?」
「怪我はない。それより、君はいいのか? ハンカチーフが汚れてしまう」
「ハンカチーフ、なんてずいぶん古風な言葉を使うのね。いいの。どうせ『はきだめ』には分不相応なものだったんだもの。白いハンカチなんて、こんないい品はとり上げられて終わりだわ」
「はきだめ?」
聖女の生まれ変わりが口にした言葉が気になって問い返す。彼女は目を伏せた。銀のまつ毛が陽の光できらきらと輝いている。あまりに美しくて、妖精か何かのようだと思った。
「ええ。あなたも見た通り、今代の聖女様……わたしの妹なんだけど、彼女は素行がよくないでしょ。でも、それは全部わたしのしたことになるの。聖女の名を汚さないために」
「そんなの、あの女が行動を改めればいいだけの話じゃないか」
「こら、あの女、なんて言ってはダメよ。誰かが聞いていたら、聖女様への不敬だって、あなたが罰せられてしまう。……たしかに、わたしも、そう思うわ。でもね、だめなの。父も母も、偉い人もみんな、あの子の嘘を信じるから。……うん、綺麗になったわ」
すっかり泥が拭われたようだ。大事にしていただろうに、少女のハンカチーフはぐちゃぐちゃに汚れてしまっていた。
すまない、と、そう口にしようとしたところで、聖女の生まれ変わりが驚いたように目を瞬いて言った。
「まあ、あなた」
「……?」
「あなた、とてもきれいな目をしているのね。あたたかい、暖炉の中の炎みたい」
「──……」
邪竜だった自分の目は、血の色だと言われていた。
炎に例えて、しかもあたたかいと言ったのは、自分を浄化した聖女と、目の前の少女くらいだった。
驚いて固まった自分に、聖女の生まれ変わりは微笑んだ。
「急にごめんなさい。わたしはミリエル。ミリエル・クリスト・フララット。この教会の下働きをしているの。あなたは?」
「自分……僕、は」
少し考えて、かつての聖女が自分を呼ぶためにつけた名前を思い出した。竜、じゃつまらないでしょ、と言った表情を覚えている。それは、えくぼの浮いたこの少女──ミリエルのものとよく似ていた。
「僕は、ユアン。ユアン・ミーシャ」
「あら。セカンドネーム。あなたは貴族なの?」
「どちらも名前だ。候補を絞れないと言われた」
「名前が二つ? 洗礼名みたいなものかしら。教えてくれてありがとう」
聖女の生まれ変わり──ミリエルは、ユアンと名乗った自分の手をそっと両手で包んで、祈って言った。
「ユアン、あたたかな炎の瞳のあなたに、神竜様と初代聖女様のご加護がありますように」
そう言って、ミリエルは顔を上げてにっこりと笑った。
晴れ渡る空のような青色の目がユアンを映して、その桜色の唇がユアンを呼んだ。
心臓が跳ねる。なんだこれは、と思った。
苦しく、甘い。不思議な感覚。頽れそうになるのに、目の前の華奢な体を抱きしめたいという欲求が胸の内をぐるぐると渦巻いている。
吐きだすように息をして、ユアンはそうか、と思った。
かつてユアンが聖女に抱いていたものは、友情だったし、憐みだった。助けられたという感謝もあった。
けれど、今胸にある感情は、そのどれとも違う。
(これが、愛情、か)
知らなかった感情に思い至って名付ける。しっくりときたその名前を疑うことはなかったが、実のところ、それは少し違った。
後になって自覚したことだが、ユアンはこの時、恋に落ちていたのだ。邪竜へと堕ちた時とは違う、あたたかな、狂おしい感覚。落ちるというより、溺れる、という方が近いな、とユアンは思った。
「それじゃあ、さよなら」
立ちあがってユアンに背を向けたミリエルを、ユアンはずっと目で追いかけた。見えなくなっても、その方向を見続けた。
もう彼女を殺して輪廻の輪に戻そうとは思わない。彼女を、ミリエルを幸せにするために、「人間」になろう。と思った。
人間のふりをして、彼女のために生きよう、と。
人間としての地位を得るため、魔物の大侵攻、スタンピードを収束させた。
竜である自分には苦もないことだった。
ミリエルとは何度も会って会話して、互いに好意を向けあう仲になった。
ミリエルから愛を告白されたときは、思わず咆哮して喜びを表したいと思うほど嬉しかった。
地位と権力を得た。これでミリエルを幸せにできる。
そんなことを考えていると、ふいにやわらかなものが自分の頬をぬぐった。それは、聖女の生まれ変わりが差し出した白いハンカチーフだった。
「妹がごめんなさい。こんなことしかできないけれど……。わたしが代わりに謝ります。怪我はしていない?」
「怪我はない。それより、君はいいのか? ハンカチーフが汚れてしまう」
「ハンカチーフ、なんてずいぶん古風な言葉を使うのね。いいの。どうせ『はきだめ』には分不相応なものだったんだもの。白いハンカチなんて、こんないい品はとり上げられて終わりだわ」
「はきだめ?」
聖女の生まれ変わりが口にした言葉が気になって問い返す。彼女は目を伏せた。銀のまつ毛が陽の光できらきらと輝いている。あまりに美しくて、妖精か何かのようだと思った。
「ええ。あなたも見た通り、今代の聖女様……わたしの妹なんだけど、彼女は素行がよくないでしょ。でも、それは全部わたしのしたことになるの。聖女の名を汚さないために」
「そんなの、あの女が行動を改めればいいだけの話じゃないか」
「こら、あの女、なんて言ってはダメよ。誰かが聞いていたら、聖女様への不敬だって、あなたが罰せられてしまう。……たしかに、わたしも、そう思うわ。でもね、だめなの。父も母も、偉い人もみんな、あの子の嘘を信じるから。……うん、綺麗になったわ」
すっかり泥が拭われたようだ。大事にしていただろうに、少女のハンカチーフはぐちゃぐちゃに汚れてしまっていた。
すまない、と、そう口にしようとしたところで、聖女の生まれ変わりが驚いたように目を瞬いて言った。
「まあ、あなた」
「……?」
「あなた、とてもきれいな目をしているのね。あたたかい、暖炉の中の炎みたい」
「──……」
邪竜だった自分の目は、血の色だと言われていた。
炎に例えて、しかもあたたかいと言ったのは、自分を浄化した聖女と、目の前の少女くらいだった。
驚いて固まった自分に、聖女の生まれ変わりは微笑んだ。
「急にごめんなさい。わたしはミリエル。ミリエル・クリスト・フララット。この教会の下働きをしているの。あなたは?」
「自分……僕、は」
少し考えて、かつての聖女が自分を呼ぶためにつけた名前を思い出した。竜、じゃつまらないでしょ、と言った表情を覚えている。それは、えくぼの浮いたこの少女──ミリエルのものとよく似ていた。
「僕は、ユアン。ユアン・ミーシャ」
「あら。セカンドネーム。あなたは貴族なの?」
「どちらも名前だ。候補を絞れないと言われた」
「名前が二つ? 洗礼名みたいなものかしら。教えてくれてありがとう」
聖女の生まれ変わり──ミリエルは、ユアンと名乗った自分の手をそっと両手で包んで、祈って言った。
「ユアン、あたたかな炎の瞳のあなたに、神竜様と初代聖女様のご加護がありますように」
そう言って、ミリエルは顔を上げてにっこりと笑った。
晴れ渡る空のような青色の目がユアンを映して、その桜色の唇がユアンを呼んだ。
心臓が跳ねる。なんだこれは、と思った。
苦しく、甘い。不思議な感覚。頽れそうになるのに、目の前の華奢な体を抱きしめたいという欲求が胸の内をぐるぐると渦巻いている。
吐きだすように息をして、ユアンはそうか、と思った。
かつてユアンが聖女に抱いていたものは、友情だったし、憐みだった。助けられたという感謝もあった。
けれど、今胸にある感情は、そのどれとも違う。
(これが、愛情、か)
知らなかった感情に思い至って名付ける。しっくりときたその名前を疑うことはなかったが、実のところ、それは少し違った。
後になって自覚したことだが、ユアンはこの時、恋に落ちていたのだ。邪竜へと堕ちた時とは違う、あたたかな、狂おしい感覚。落ちるというより、溺れる、という方が近いな、とユアンは思った。
「それじゃあ、さよなら」
立ちあがってユアンに背を向けたミリエルを、ユアンはずっと目で追いかけた。見えなくなっても、その方向を見続けた。
もう彼女を殺して輪廻の輪に戻そうとは思わない。彼女を、ミリエルを幸せにするために、「人間」になろう。と思った。
人間のふりをして、彼女のために生きよう、と。
人間としての地位を得るため、魔物の大侵攻、スタンピードを収束させた。
竜である自分には苦もないことだった。
ミリエルとは何度も会って会話して、互いに好意を向けあう仲になった。
ミリエルから愛を告白されたときは、思わず咆哮して喜びを表したいと思うほど嬉しかった。
地位と権力を得た。これでミリエルを幸せにできる。
100
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢セリーナ・マクギリウスは冷徹な鬼公爵に溺愛される。 わたくしが古の大聖女の生まれ変わり? そんなの聞いてません!!
友坂 悠
恋愛
「セリーナ・マクギリウス。貴女の魔法省への入省を許可します」
婚約破棄され修道院に入れられかけたあたしがなんとか採用されたのは国家の魔法を一手に司る魔法省。
そこであたしの前に現れたのは冷徹公爵と噂のオルファリド・グラキエスト様でした。
「君はバカか?」
あたしの話を聞いてくれた彼は開口一番そうのたまって。
ってちょっと待って。
いくらなんでもそれは言い過ぎじゃないですか!!?
⭐︎⭐︎⭐︎
「セリーナ嬢、君のこれまでの悪行、これ以上は見過ごすことはできない!」
貴族院の卒業記念パーティの会場で、茶番は起きました。
あたしの婚約者であったコーネリアス殿下。会場の真ん中をスタスタと進みあたしの前に立つと、彼はそう言い放ったのです。
「レミリア・マーベル男爵令嬢に対する数々の陰湿ないじめ。とても君は国母となるに相応しいとは思えない!」
「私、コーネリアス・ライネックの名においてここに宣言する! セリーナ・マクギリウス侯爵令嬢との婚約を破棄することを!!」
と、声を張り上げたのです。
「殿下! 待ってください! わたくしには何がなんだか。身に覚えがありません!」
周囲を見渡してみると、今まで仲良くしてくれていたはずのお友達たちも、良くしてくれていたコーネリアス殿下のお付きの人たちも、仲が良かった従兄弟のマクリアンまでもが殿下の横に立ち、あたしに非難めいた視線を送ってきているのに気がついて。
「言い逃れなど見苦しい! 証拠があるのだ。そして、ここにいる皆がそう証言をしているのだぞ!」
え?
どういうこと?
二人っきりの時に嫌味を言っただの、お茶会の場で彼女のドレスに飲み物をわざとかけただの。
彼女の私物を隠しただの、人を使って階段の踊り場から彼女を突き落とそうとしただの。
とそんな濡れ衣を着せられたあたし。
漂う黒い陰湿な気配。
そんな黒いもやが見え。
ふんわり歩いてきて殿下の横に縋り付くようにくっついて、そしてこちらを見て笑うレミリア。
「私は真実の愛を見つけた。これからはこのレミリア嬢と添い遂げてゆこうと思う」
あたしのことなんかもう忘れたかのようにレミリアに微笑むコーネリアス殿下。
背中にじっとりとつめたいものが走り、尋常でない様子に気分が悪くなったあたし。
ほんと、この先どうなっちゃうの?
異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです
籠の中のうさぎ
恋愛
日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。
「はー、何もかも投げだしたぁい……」
直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。
十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。
王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。
聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。
そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。
「では、私の愛人はいかがでしょう」
虐げられた聖女が魔力を引き揚げて隣国へ渡った結果、祖国が完全に詰んだ件について~冷徹皇帝陛下は私を甘やかすのに忙しいそうです~
日々埋没。
恋愛
「お前は無能な欠陥品」と婚約破棄された聖女エルゼ。
彼女が国中の魔力を手繰り寄せて出国した瞬間、祖国の繁栄は終わった。
一方、隣国の皇帝に保護されたエルゼは、至れり尽くせりの溺愛生活の中で真の力を開花させていく。
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
乙女ゲームっぽい世界に転生したけど何もかもうろ覚え!~たぶん悪役令嬢だと思うけど自信が無い~
天木奏音
恋愛
雨の日に滑って転んで頭を打った私は、気付いたら公爵令嬢ヴィオレッタに転生していた。
どうやらここは前世親しんだ乙女ゲームかラノベの世界っぽいけど、疲れ切ったアラフォーのうろんな記憶力では何の作品の世界か特定できない。
鑑で見た感じ、どう見ても悪役令嬢顔なヴィオレッタ。このままだと破滅一直線!?ヒロインっぽい子を探して仲良くなって、この世界では平穏無事に長生きしてみせます!
※他サイトにも掲載しています
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
触れると魔力が暴走する王太子殿下が、なぜか私だけは大丈夫みたいです
ちよこ
恋愛
異性に触れれば、相手の魔力が暴走する。
そんな宿命を背負った王太子シルヴェスターと、
ただひとり、触れても何も起きない天然令嬢リュシア。
誰にも触れられなかった王子の手が、
初めて触れたやさしさに出会ったとき、
ふたりの物語が始まる。
これは、孤独な王子と、おっとり令嬢の、
触れることから始まる恋と癒やしの物語
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる