異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第3章 鍛練

第62話 冒険者

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「あるよ、色々ね。て言うか、ランクFとって言うより、シチローとって言った方が正しいかな」

 ビアンカのぶっちゃけ話に、僕は警戒した。

「あーあー、そんな警戒しなくてイイよ」

 右手をプラプラさせながら、

「噂のクレイさんの弟子だし、実力はさっき見たし、ランクはすぐに上がるだろうから、多少なりとも繋がり持つなら早い方がイイでしょ?」

 と、屈託なく笑う。

 それに、と、僕が答える前に言葉を継ぐビアンカ。

「クレイさんにどれだけギルドのコトを聞いてるか判らないけど、色々と教えてあげるとさ、次のパーティーも組み易くなるでしょ?」

 けっこう考えていた。

 そりゃ限定パーティーも毎回同じ人となら、それは通常パーティーと変わらないだろうし、相手の人となりやクセも把握出来るから、活動自体のプラスにはなる。

 僕はビアンカに冒険者のいろはを教わり、ビアンカは僕と・・・て言うか、クレイとなんだろうな・・・繋がりが出来る。

 ついでに僕の将来性に繋がりが持てる。

 フリューゲスも同じだったんだろうけど、アプローチの仕方がカス過ぎた。

「さっきのトラブルはフリューゲスってヤツの仕込み?」

「ん?だろうね。シチローの実力を計るためさ、コミュニティに入りたいってパーティーを利用したんじゃない?参加許可を餌に」

 やっぱりか。

「バカだよね。コミュニティに入れて貰ったってさ、喰われて棄てられるのがオチなのに」

 そんなにか。

「シチローから見て、あのパーティーってどうだった?」

「慣れてはいたようだけど、それだけ」

「だよね~。実力頭打ちってヤツでさ、最近不貞腐れてたっポイんだよ」

「だから新人イジメかよ?」

「あはは。まぁボコられて良かったんじゃないかな?少なくとも無茶な依頼で死ぬコトはないし。と言っても、もうここじゃ活動出来ないかもね」

「それは?」

「ランクF一人にパーティーでボコられたんじゃ、依頼主が避けるでしょ?ギルド全体のレベルを疑問視する人も出るだろうし、そうなった責任って意味でも、町から出るか、冒険者自体を廃業するしかないよね」

 僕の顔が歪むのが解った。

「シチローが気に病む必要はないよ。自業自得なんだから。むしろ実力がある冒険者が増えるってコトで、長い目で見ればギルドも喜ぶんじゃない?」

「そんなもんか」

「そんなもん、そんなもん。ランクD十人より、実力ランクBのランクF一人が大事ってコト」

 ビアンカが僕の実力をランクB相当だと断言し、かなり驚いた。

 だから僕とのパーティーを望んだのか。


 
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