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第4章 冒険者
第92話 殲滅
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伸びてきた腕を跳ね斬り、頭蓋を削り、首を裁ち、目を抉り、腹を裂く。
押されるより早く前に出、右に歩を進めて圧力をかわし、左に抜けて掴みを外す。
足を蹴ってバランスを崩させ、顔を殴って怯ませ、吠えて脅し、切って、斬って、裁って、伐る。
体液が顔にかかる。
気にしない。
臭いが鼻を突く。
気にしない。
歯が拳を傷付ける。
気にしない。
首を突き、鉢を斬り、腹を抉り、口を穿つ。
小指を踏み折り、膝を顎に叩き付け、皿を蹴り割り、股関を潰す。
一歩進み、半歩ずらし、二歩進み、一歩開く。
斬って斬って斬りまくる。
途中から圧力が無くなっていた。
ゴブリンが怯えて後退を始めたのだ。
しかし、通路は行き止まりなのか、それ以上の後退は無く、僕に背中を見せて集団に潜り込もうと必死になっている。
僕は知らず知らず嗤っていた。
「ハァ・・・新通路でゴブリン溜まり・・・」
もの凄く間抜けなやり取りを、ビアンカはギルドの受付嬢と交わしていた。
ミーシャは別席で冒険者の相手をしており、この受付嬢はいまいち事態を把握出来ていないようだ。
ビアンカはカウンターに左肘をつき、肩を落としてため息を漏らす。
もう一度依頼書と地図に目を落として見比べ、受付嬢はビアンカに笑顔を向ける。
「ご苦労様でしたぁ。魔石の買い取りがあれ・・・」
マニュアル通りの対応をする受付嬢に、ビアンカはカウンターを殴って黙らせる。
ビアンカ、キレてるなぁ。
僕は喫茶スペースのイスに凭れ、ビアンカを眺めていた。
疲れ果て、何をする気も起きないでダラケていた。
喉は渇いているが、目の前の果実水を取るコトすら億劫であった。
「ザケンナ!!事前情報無しだったんだぞ!どうなってんだって言ってんだよ!!」
ビアンカが吠える。
冒険者の目がビアンカに集まっていたが、ビアンカは気にする風もなく受付嬢を睨み付けた。
「ですからぁ・・・」
ビアンカの眼力に臆するコトなく、受付嬢は困ったように笑っていた。
ある意味スゴいな。あの受付嬢は。
「失礼しました。受付交代致します」
ミーシャさんが見かねて、件の受付嬢と席を替える。
小声で受付嬢に指示を出し、ビアンカの前に座って頭を下げる。
「お手間をお掛けして申し訳ありません」
丁寧な対応にホッとするビアンカ。
「恐れ入りますが、もう一度ご説明して頂いて宜しいでしょうか?」
押されるより早く前に出、右に歩を進めて圧力をかわし、左に抜けて掴みを外す。
足を蹴ってバランスを崩させ、顔を殴って怯ませ、吠えて脅し、切って、斬って、裁って、伐る。
体液が顔にかかる。
気にしない。
臭いが鼻を突く。
気にしない。
歯が拳を傷付ける。
気にしない。
首を突き、鉢を斬り、腹を抉り、口を穿つ。
小指を踏み折り、膝を顎に叩き付け、皿を蹴り割り、股関を潰す。
一歩進み、半歩ずらし、二歩進み、一歩開く。
斬って斬って斬りまくる。
途中から圧力が無くなっていた。
ゴブリンが怯えて後退を始めたのだ。
しかし、通路は行き止まりなのか、それ以上の後退は無く、僕に背中を見せて集団に潜り込もうと必死になっている。
僕は知らず知らず嗤っていた。
「ハァ・・・新通路でゴブリン溜まり・・・」
もの凄く間抜けなやり取りを、ビアンカはギルドの受付嬢と交わしていた。
ミーシャは別席で冒険者の相手をしており、この受付嬢はいまいち事態を把握出来ていないようだ。
ビアンカはカウンターに左肘をつき、肩を落としてため息を漏らす。
もう一度依頼書と地図に目を落として見比べ、受付嬢はビアンカに笑顔を向ける。
「ご苦労様でしたぁ。魔石の買い取りがあれ・・・」
マニュアル通りの対応をする受付嬢に、ビアンカはカウンターを殴って黙らせる。
ビアンカ、キレてるなぁ。
僕は喫茶スペースのイスに凭れ、ビアンカを眺めていた。
疲れ果て、何をする気も起きないでダラケていた。
喉は渇いているが、目の前の果実水を取るコトすら億劫であった。
「ザケンナ!!事前情報無しだったんだぞ!どうなってんだって言ってんだよ!!」
ビアンカが吠える。
冒険者の目がビアンカに集まっていたが、ビアンカは気にする風もなく受付嬢を睨み付けた。
「ですからぁ・・・」
ビアンカの眼力に臆するコトなく、受付嬢は困ったように笑っていた。
ある意味スゴいな。あの受付嬢は。
「失礼しました。受付交代致します」
ミーシャさんが見かねて、件の受付嬢と席を替える。
小声で受付嬢に指示を出し、ビアンカの前に座って頭を下げる。
「お手間をお掛けして申し訳ありません」
丁寧な対応にホッとするビアンカ。
「恐れ入りますが、もう一度ご説明して頂いて宜しいでしょうか?」
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