転生を繰り返してたら神様に惚れられました

丸太

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1章 

22. 揚げ物料理爆誕!

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調理場には、レオン様の帰りを待つ間に倉庫から引っ張り出した鉄の鍋が用意されている。
私はそこに食用油をなみなみと注がせた。

「こんなに!?」

料理長は油の量にびっくりしています。
そう、彼ら料理人にとって、今まで油は薄く鉄板に延ばすものだった。
鍋の中にこんなに大量の油を注ぐのはカルチャーショックだろう。

魔道具のコンロに火を付け、火加減を炒め物より少し強く設定してもらう。

「そんな高温、危ないです!」

料理長は危険だと思い私をコンロから離そうとしますが、なんせ伯爵令嬢に触れるわけにはいかないので「下がって、下がって下さい」と慌てるばかりだ。

「大丈夫よ。扱い方を間違えなければ危険はないわ」

私は遠巻きに見守る料理人たちを見回します。
皆、怯えていますが、実は新しい料理法の披露に期待をしていることも分かります。
こうやって私が料理革命を起こしてきた事実を皆さん知っているのです。

「いい、油も鍋も高温だから決っして素手で触ってはダメよ。この料理をしている時は周りで騒いでも駄目。調理している料理人がこの場を離れるのも駄目です。解った?」

私のレクチャーに料理人全員が「はい!」と答えます。
いつものように料理長が私の言を聞き逃さないようにメモに取ります。

「では、先ず油の温度の確認です。菜箸で行います」

私は菜箸の先を油の中に入れる。
菜箸の周りにぷつぷつと空気の泡が溜まる。

「これはまだ温度が低い状態。これは駄目な状態よ」

「はい!」

少し待って油の上に手をかざします。

「あああああぶ!!」

料理長がテンパってます。

「こうやって温度をある程度確認するの。熱く感じたらまた菜箸を入れて」

再び油に入れた菜箸は、端先からジュワッと細かい泡を吹き出すようになった。

「これが適温よ。よく覚えておいて。油の温度が低いと失敗するからね」

そう言って用意させていた焼く前のツイストポテトを静かに油に入れる。
ジュワ~っとポテトから泡が湧き出てくる。
静かに待つと、白いポテトがきつね色になり、油の中で2,3回転させるとパチパチと大きな音をたて始める。そこでトングを使ってすくい上げた。

すっと油が引いて、ポテトは見事な金色だ。
そのまま、これも倉庫か引っ張り出してきた油切りの上に転がされ、パラパラと塩を振りかける。

「出来上がりよ。料理が終わったら必ず火を止めて、油を自然に冷ますのよ。冷める前にいじっては駄目よ」

言いながら冷めた串を持って新しい調理法で作ったツイストポテトを料理長に手渡す。

「食べてみて」

言うとぱくりとポテトにかみついた。

「!?、!?、!!!???」

言葉が出ていませんが、とっても美味しい様子です。
他の調理師たちも羨ましそうにしています。

つぎつぎとツイストポテトを完成させ、料理人たちやその場にいた侍女たち皆に試食させる。

「すごい!」

「美味しい!」

「外はパリッと硬いのに中はホクホクの芋だ」

大好評の様子です。

「ソフィア様、これは、これは?」

料理長がまだテンパっております。

「油で揚げる、というのです。揚げ料理よ。野菜でも肉でも、なんでも揚げてごらんなさい。美味しいから」

「はいっ!!!」

料理人たちの感動をよそに私は油の始末を教えてさっさと部屋に戻ります。
夕食の支度をしなければならないのです。
今日も正装で気合いを入れて夕食会に臨むのです。
私にとってシルエット家のお夕食はマナー講習以外の何物でもありません。
いそいそと歩く後ろで専属侍女のシャロンがしきりに感動しています。

「すごく美味しかったです! 揚げるなんて、聞いたことない料理法ですが、もう、すごく美味しかったです!!」

興奮して言い募ってきます。
うん。美味しいよね。揚げ物。
料理人たちは焼く、茹でる、蒸す、しかしない。それがずっと気になっていたのです。
揚げるっていう知識が無いのだと気付いたのだが、油をたくさん使うので、教える事を躊躇していました。
でも、アド兄様開発のポテトを見て、食べて、これは揚げるべきでは? と閃いたのです。

レオン様のおかげで油が贅沢品ではなく、安価で手に入ることがわかりました。
ならば、揚げ物、解禁よ!!
と、さっそく今晩の料理にツイストポテト揚げたバージョンを出してもらうのです。



この日の夕食では、シルエット伯爵邸に揚げ物料理が初出しされ、今後に語り継がれるほどの衝撃が走ったのでした。
そして、食べ過ぎると胸がいっぱいになるということまで、皆さまセットで体験したのでした。
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