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第九章・揺れる着陸灯、ぬくもりの仮宿
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ラブホテル街から逃げるように、宮村の部屋に転がり込んだ澪。
スーツケースひとつ。体は疲弊して、心はすり減って、涙が枯れ果てた夜。
「シャワー……借りるね」
宮村の前で、濡れたスカーフを外し、制服風のスーツを床に落とす。
シミのついた下着が床に広がるたび、澪の心のどこかがまた軋んだ。
湯気の中、裸のまま立ち尽くす澪。
(ほんとは、こうして優しくされるのが一番怖い……)
でも、宮村の前では虚勢を張る必要もなかった。
タオルを巻いた身体をベッドに沈め、
澪はぽつりぽつりと、これまでのことを話し始める。
「“オプション”って言葉、もうトラウマになりそう……
舌でサービスして、喉奥で我慢して……笑顔でイかせるなんて、もう仕事じゃない……」
その夜、二人は同じベッドで、何も言わずに触れ合った。
澪の手が、そっと宮村の胸元に伸びる。
「お願い……抱いて。
今だけでいいから、何も言わずに……わたしを、受け入れて」
宮村は何も言わず、彼女の唇にキスを落とした。
涙に濡れたままの瞳。
けれどその中には、ほんのわずかに“人間らしさ”が戻りつつあった。
だが、その夜は長く続かなかった。
翌朝、澪はスマホのバイブに目を覚ます。
画面には――《羽田スカイヴィーナス:超VIP指名入電》の文字。
「……行かなきゃ」
「え?」
「キャンセルしたら罰金が発生するの。指名料も跳ね上がってるし……
一度断ったら、次はない。――もう、あたしは“そっち側”の人間だから」
宮村が止めようとする手を振りほどき、
澪は再び、“制服”に袖を通した。
「ありがとうね、宮村くん。
一晩だけでも“空に戻れた気がした”。でも、もう降りなきゃ――地獄の滑走路に」
その日、澪が呼ばれた部屋には、“枕営業”で顔を見たことのある元役員の姿があった。
「おお、澪ちゃんじゃないか……君がこんなとこまで墜ちてるとは思わなかったよ。
今日は記念に、動画を撮らせてもらおうか。“元CAが本番中に名札を咥えて絶頂”ってタイトルでさ」
その瞬間――
澪の笑顔は完全に、“演技”のそれに変わった。
スーツケースひとつ。体は疲弊して、心はすり減って、涙が枯れ果てた夜。
「シャワー……借りるね」
宮村の前で、濡れたスカーフを外し、制服風のスーツを床に落とす。
シミのついた下着が床に広がるたび、澪の心のどこかがまた軋んだ。
湯気の中、裸のまま立ち尽くす澪。
(ほんとは、こうして優しくされるのが一番怖い……)
でも、宮村の前では虚勢を張る必要もなかった。
タオルを巻いた身体をベッドに沈め、
澪はぽつりぽつりと、これまでのことを話し始める。
「“オプション”って言葉、もうトラウマになりそう……
舌でサービスして、喉奥で我慢して……笑顔でイかせるなんて、もう仕事じゃない……」
その夜、二人は同じベッドで、何も言わずに触れ合った。
澪の手が、そっと宮村の胸元に伸びる。
「お願い……抱いて。
今だけでいいから、何も言わずに……わたしを、受け入れて」
宮村は何も言わず、彼女の唇にキスを落とした。
涙に濡れたままの瞳。
けれどその中には、ほんのわずかに“人間らしさ”が戻りつつあった。
だが、その夜は長く続かなかった。
翌朝、澪はスマホのバイブに目を覚ます。
画面には――《羽田スカイヴィーナス:超VIP指名入電》の文字。
「……行かなきゃ」
「え?」
「キャンセルしたら罰金が発生するの。指名料も跳ね上がってるし……
一度断ったら、次はない。――もう、あたしは“そっち側”の人間だから」
宮村が止めようとする手を振りほどき、
澪は再び、“制服”に袖を通した。
「ありがとうね、宮村くん。
一晩だけでも“空に戻れた気がした”。でも、もう降りなきゃ――地獄の滑走路に」
その日、澪が呼ばれた部屋には、“枕営業”で顔を見たことのある元役員の姿があった。
「おお、澪ちゃんじゃないか……君がこんなとこまで墜ちてるとは思わなかったよ。
今日は記念に、動画を撮らせてもらおうか。“元CAが本番中に名札を咥えて絶頂”ってタイトルでさ」
その瞬間――
澪の笑顔は完全に、“演技”のそれに変わった。
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