「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い

腐ったバナナ

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18話

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 数年の時が流れた。

 王都は、アレクシス公爵領からの経済制裁と、リリアンの事故、そして王太子アルバートの権威失墜により、完全に没落した。王太子は結局、王位を継ぐこともできず、地方へ追いやられた。

 彼が時折思い出すのは、自ら捨てたクラウディアの賢明な横顔と、辺境都市の豊かな光景だけだった。彼の後悔は、永遠に続く罰となった。

 一方、グレイヴナー公爵領は、クラウディアの経営手腕と公爵の強固な庇護のもと、事実上の独立国のような地位を確立していた。

 公爵邸の庭園で、クラウディアは穏やかな日差しの中で微笑んでいた。彼女の隣には、公爵との間に生まれた、二人の愛の結晶である幼い息子が、楽しそうに走り回っている。

 アレクシス公爵は、以前よりも白髪が増え、目尻には深い皺が刻まれていたが、その姿は圧倒的な包容力と威厳を纏っていた。彼は、クラウディアが作った、体に優しい節約料理のスープを飲みながら、息子を優しく見守っている。

「クラウディア」

 公爵は、穏やかな声で妻を呼んだ。

「公爵様、どうなさいましたか?」

「君は、私を本当に幸せにしてくれた」

 公爵は、クラウディアの手を取り、その手の甲に深く口づけを落とした。

「君は、私に富、平和、そして何よりも愛を与えてくれた。あの時の王太子は、君の価値を見抜けなかった。だが、俺の鑑定は正しかった。君こそが、この世界で最も価値のある至宝だ」

 公爵の瞳には、冷徹な「氷壁」の面影はなく、深い愛と、満ち足りた幸福が宿っている。

「公爵様」

 クラウディアは、公爵の増えた白髪と、顔の皺を優しく撫でた。

「わたくしにとって、最高の幸福は、あなた様の『大人の愛』の中で生きることでした。王都の若い情熱は脆く、すぐに裏切られました。しかし、公爵様の愛は、重く、深く、そして何よりも安定していました」

 彼女は、公爵の傷跡が残る手を、自分の頬に当てた。

「わたくしの全ては、あなた様と、この子どものためにございます。わたくしの居場所は、あなたの温かい包容力の中だけです」

 公爵は、満足そうに微笑んだ。彼の愛は、今や溺愛の極致に達している。彼は、クラウディアと子どもを、「絶対安全の鉄壁の愛」で守り続けている。

「さあ、クラウディア。今日は、この領地が最も豊かになった記念日だ。そして、私たちが愛を誓い直す日でもある」

 公爵は、クラウディアを立ち上がらせ、強く抱きしめた。その抱擁は、年の離れた男の重厚な愛と、二度と愛する者を離さないという強い誓いに満ちていた。

 遠い王都では、未だに後悔に苛まれる元王太子の姿があるだろう。しかし、クラウディアの心は、もう完全に彼らから離れていた。

 地味で無能と侮辱された伯爵令嬢は、年上の冷酷な公爵の腕の中で、真の賢妃として、永遠の愛と幸福を手に入れたのだった。
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