役立たずと追放された令嬢ですが、極寒の森で【伝説の聖獣】になつかれました〜モフモフの獣人姿になった聖獣に、毎日甘く愛されています〜

腐ったバナナ

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14話

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 数年の歳月が流れた。

 アリアは、辺境領主シルヴァンの皇后として、その知性と優しさで王国全土にその名を轟かせていた。彼女は、王都の貴族たちが軽視していた衛生と薬草の知識を応用し、辺境だけでなく王国全体の公衆衛生を劇的に改善させた。人々は、アリアを賢王妃と呼び、心から慕った。

 シルヴァンは、実質的な国王として国を統治していたが、その冷酷な威厳は、家庭内では跡形もなく消え去っていた。

 彼の日常は、過保護な父親としての奮闘に占められていた。

「この毛皮は、王都の布よりも暖かい。今日はお前にこの姿で抱っこさせてやる」

 シルヴァンは、息子のレオン(または娘)が遊ぶ横で、銀狼の姿になりながら、小さな子に自分を触らせるよう促す。しかし、その視線は常にアリアから離れない。

「アリア。この子が、王都の貴族たちのように、君の優しさを利用しないか心配だ。君は、この俺の庇護のもとで、永遠に無垢でいてくれ」

 彼の愛は、相変わらず極度の独占欲に根差していたが、その根底には、アリアの純粋さを守りたいという深い願いが横たわっていた。

 ある穏やかな午後。

 アリアは、暖炉の火を見つめながら、静かに過去を振り返っていた。そばには、銀狼の姿で丸くなるシルヴァンがいる。

(私は、愛を信じられなくなって、この森に来た)

 裏切り者のレイモンドや、愚かな家族に無価値だと追放されたあの日。彼女に残されたのは、孤独と絶望だけだった。しかし、その絶望の森で、アリアは真の価値**を見いだしてくれる聖獣に出会った。

 アリアの知性は、シルヴァンの強大な力によって守られ、彼女の優しさは、シルヴァンの孤独な魂を癒やした。

 アリアは、目を閉じ、過去の全ての痛みを心から手放した。

「シルヴァン様」

 アリアが名を呼ぶと、銀狼はすぐに人間の姿に戻り、アリアを抱きしめた。

「どうした、愛しい妻。何か不満があるのか?」

「いいえ。わたくしは、愛を失ったことで、真の愛を手に入れました」

 アリアは微笑んだ。彼女がかつて求めた愛は、脆く、裏切りに満ちたものだった。しかし、シルヴァンから受けたのは、支配的で、狂おしく、そして決して裏切りのない、絶対的な執着という名の愛だった。

「私の幸福は、あなたと共にあります。このモフモフの温もりが、私の全てです」

 シルヴァンは、アリアの言葉に満足げに目を細めた。

「永遠に、君は俺の支配下にある。そして、俺も永遠に君のモフモフのペットでいよう。これが、我々の永遠の契約だ」

 二人は、聖獣の力によって守られ、愛の結晶と共に、裏切りから始まった永遠の溺愛と支配の物語を、幸福の中で歩み続けるのだった。
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