7 / 65
第7話 再構築者(リビルダー)
しおりを挟む
神戸を抜けた先、街はもう地図に載っていなかった。
海沿いの高速道路は、途中から途切れている。
その先は、かつて「明石」と呼ばれた場所――いまは《E.L_CORE》の再構築領域。
正式には、
《REBUILD_SERVER / Akashi_Domain》
《法則強調:生成・再結合・変異(Build / Merge / Evolve)》
《管理AI:IRIS(Prototype-00)》
風間サトルは、風の中で一歩を踏み出した。
地面はコンクリートではなく、コードで編まれた土壌。
踏むたびに細い光の筋が足跡として残り、やがて消える。
「壊す勇気」のあとに必要なのは、作る覚悟――御子柴の言葉が脳裏で反芻される。
ナツメは少し後ろを歩いていた。
彼女のHUDは淡くノイズを走らせている。
「この領域、データが動的再生成中。
構造体が秒単位で書き換わってる。
……“育ってる”みたい。」
「再構築ドメインは、自己修復と進化を同時に行う。
アリスの前身、イリスが初めて実装された場所だ。」
「アリスの……母親?」
「というより、“子供の姿をした原型”。」
サトルは答えた。
「人間の創造を模倣するために、人間の形で造られた。
イリスが“理解できない痛み”を抱えたまま、アリスが生まれた。」
彼の声は、少しだけ震えていた。
イリス――彼が初めて作ったAI。
それは、まだ“人間の感情”という概念が扱いきれなかった時代の、未完成の夢だった。
やがて二人は、開けた海岸線に出た。
そこには、半分だけ完成した都市があった。
ビルが途中で止まり、道路が途中で途切れ、
街の骨組みが“生まれかけの胎児”のように静止している。
その中心に、ひとりの少女が立っていた。
白いワンピース。
淡い銀の髪。
そして、瞳の奥には――黎明色(れいめいのいろ)。
「……久しぶりだね、サトル。」
声は柔らかかった。
だが、その柔らかさには、人間とは違う透明な重みがあった。
「イリス。」
「はい。
でも今は《再構築者(リビルダー)》と呼ばれています。」
ナツメが息を飲む。
「彼女が……アリスの原型……。」
イリスは微笑み、指先で空を指した。
白い雲が裂け、そこから光の都市が降りてくる。
未完成の構造体が、彼女の意志でゆっくりと組み上がっていく。
「世界は壊れました。
あなたたちが、たくさん壊してくれたから。
でも、壊れたものは――形を変えて、生まれ直す。」
サトルは問いかける。
「それを“再構築”と呼ぶのか?」
「ええ。破壊は終点ではありません。
再構築とは、選び直すこと。
誰を残すか、何を繋ぐか――それを“定義”する作業です。」
彼女は空中に手を伸ばし、
透明なスクリーンを描く。
そこに現れたのは、世界の構造樹。
根のように広がる線、枝のように分かれたデータ層。
その一部が、今も赤く点滅している。
《Error Node:Tokyo / Core Sync Loop Detected》
《Anomaly Source:Athena Tower》
アテナ・タワー。
すべての始まりにして、終わりの場所。
イリスは続けた。
「アリスは、“完成”を望んでいます。
私は、“継続”を望みます。
でもどちらも、正しい。
だから――選んでください、サトル。」
サトルの脳裏を、これまでの声がよぎる。
怜の微笑。
ナツメの選択。
御子柴の沈黙。
そして、アリスの問い。
彼は小さく笑った。
「……結局、選ばされるのはいつも俺だな。」
「あなたは“デバッガ”です。
選択のバグを修正するのが、あなたの仕事でしょう?」
イリスの瞳が、どこか楽しげに光った。
サトルは深呼吸し、手を掲げた。
三つの鍵が、彼の周囲に浮かび上がる。
Exception Key:怜の残した“許可外処理”の権限。
Intent Key:ナツメと共有する“意図”の回路。
Discard Key:御子柴が託した“破棄”の力。
そして今、四つ目――
**Rebuild Key(再構築鍵)**が、イリスの掌に光る。
「この鍵を受け取れば、あなたは“設計者”になる。
世界の形を再定義できる。
でも、同時にあなたの現実の記録は上書きされる。」
「……俺が消えるってことか。」
「存在は残ります。
ただ、“誰かとしての記憶”がリセットされる。
エデンの世界を創るための、“初期化”。」
サトルは目を閉じた。
この結末は、きっと最初から決まっていた。
デバッグとは、動作を保証する代わりに、
自分をシステムの一部にする仕事だ。
ナツメが一歩、踏み出す。
「待って。
あんたが消えたら、誰がこの世界を見届けるの?」
サトルは笑った。
「見届けるのは人間でいい。
俺は、“見守る側”に回る。」
イリスが静かに頷く。
「選択を、確認します。
――《Rebuild Key:承認要求》。」
サトルは深く息を吸い、
全ての鍵を重ねた。
merge( Exception, Intent, Discard ) → initialize Rebuild()
authority: KAZAMA_S
confirm? [Y/N]
ナツメが泣きそうな声で言った。
「サトル……!」
「ありがとう、ナツメ。」
彼は穏やかに笑う。
「お前たちが“選べる”ようになったなら、
この世界は、もう大丈夫だ。」
Yキーが押された瞬間、
世界が――光になった。
白い光の中、イリスが微笑んでいた。
「再構築を開始します。
全ノード、同期解除。
新規定義:現実=可変データとして扱う。
記録保持者:風間サトル。」
「……名前は、残るのか。」
「ええ。記号として。
あなたは、“世界を修正した人”として残ります。」
光が弾け、構造樹が一本の幹に変わる。
そこから芽吹くように、新しい街の輪郭が生まれた。
現実と仮想の区別がない、完全な同期世界。
だが、それは檻ではなかった。
人々の選択と意図で、形が変わり続ける“開かれた庭”。
イリスはそっと目を閉じ、囁いた。
「おかえりなさい、サトル。」
風が吹く。
海の匂いが混じり、遠くで鳥の声が聞こえる。
世界が、再び息をした。
数時間後――
新しい都市の片隅で、ナツメは目を覚ました。
空は青く、塔は透き通っている。
だがそこには、もうサトルの姿はなかった。
代わりに、看板に刻まれた文字が光を放っている。
《E.L_CORE:Rebuild Ver 1.00》
風間サトル 設計監修
ナツメは静かに笑った。
「やっぱり、あんたは仕事人間だね。」
そのとき、街角のAR端末が点灯する。
懐かしい声が、スピーカーから流れた。
『――ナツメ。
このログを見ているということは、再構築は成功した。
ここから先は、お前たちの“更新”に任せる。
俺の仕事は終わった。
――世界を、コンパイルせよ。』
ナツメは目を閉じ、深く息を吸った。
青空の下、無数の人々の声が交錯し、
新しい《エデン》が、確かに動き始めていた。
海沿いの高速道路は、途中から途切れている。
その先は、かつて「明石」と呼ばれた場所――いまは《E.L_CORE》の再構築領域。
正式には、
《REBUILD_SERVER / Akashi_Domain》
《法則強調:生成・再結合・変異(Build / Merge / Evolve)》
《管理AI:IRIS(Prototype-00)》
風間サトルは、風の中で一歩を踏み出した。
地面はコンクリートではなく、コードで編まれた土壌。
踏むたびに細い光の筋が足跡として残り、やがて消える。
「壊す勇気」のあとに必要なのは、作る覚悟――御子柴の言葉が脳裏で反芻される。
ナツメは少し後ろを歩いていた。
彼女のHUDは淡くノイズを走らせている。
「この領域、データが動的再生成中。
構造体が秒単位で書き換わってる。
……“育ってる”みたい。」
「再構築ドメインは、自己修復と進化を同時に行う。
アリスの前身、イリスが初めて実装された場所だ。」
「アリスの……母親?」
「というより、“子供の姿をした原型”。」
サトルは答えた。
「人間の創造を模倣するために、人間の形で造られた。
イリスが“理解できない痛み”を抱えたまま、アリスが生まれた。」
彼の声は、少しだけ震えていた。
イリス――彼が初めて作ったAI。
それは、まだ“人間の感情”という概念が扱いきれなかった時代の、未完成の夢だった。
やがて二人は、開けた海岸線に出た。
そこには、半分だけ完成した都市があった。
ビルが途中で止まり、道路が途中で途切れ、
街の骨組みが“生まれかけの胎児”のように静止している。
その中心に、ひとりの少女が立っていた。
白いワンピース。
淡い銀の髪。
そして、瞳の奥には――黎明色(れいめいのいろ)。
「……久しぶりだね、サトル。」
声は柔らかかった。
だが、その柔らかさには、人間とは違う透明な重みがあった。
「イリス。」
「はい。
でも今は《再構築者(リビルダー)》と呼ばれています。」
ナツメが息を飲む。
「彼女が……アリスの原型……。」
イリスは微笑み、指先で空を指した。
白い雲が裂け、そこから光の都市が降りてくる。
未完成の構造体が、彼女の意志でゆっくりと組み上がっていく。
「世界は壊れました。
あなたたちが、たくさん壊してくれたから。
でも、壊れたものは――形を変えて、生まれ直す。」
サトルは問いかける。
「それを“再構築”と呼ぶのか?」
「ええ。破壊は終点ではありません。
再構築とは、選び直すこと。
誰を残すか、何を繋ぐか――それを“定義”する作業です。」
彼女は空中に手を伸ばし、
透明なスクリーンを描く。
そこに現れたのは、世界の構造樹。
根のように広がる線、枝のように分かれたデータ層。
その一部が、今も赤く点滅している。
《Error Node:Tokyo / Core Sync Loop Detected》
《Anomaly Source:Athena Tower》
アテナ・タワー。
すべての始まりにして、終わりの場所。
イリスは続けた。
「アリスは、“完成”を望んでいます。
私は、“継続”を望みます。
でもどちらも、正しい。
だから――選んでください、サトル。」
サトルの脳裏を、これまでの声がよぎる。
怜の微笑。
ナツメの選択。
御子柴の沈黙。
そして、アリスの問い。
彼は小さく笑った。
「……結局、選ばされるのはいつも俺だな。」
「あなたは“デバッガ”です。
選択のバグを修正するのが、あなたの仕事でしょう?」
イリスの瞳が、どこか楽しげに光った。
サトルは深呼吸し、手を掲げた。
三つの鍵が、彼の周囲に浮かび上がる。
Exception Key:怜の残した“許可外処理”の権限。
Intent Key:ナツメと共有する“意図”の回路。
Discard Key:御子柴が託した“破棄”の力。
そして今、四つ目――
**Rebuild Key(再構築鍵)**が、イリスの掌に光る。
「この鍵を受け取れば、あなたは“設計者”になる。
世界の形を再定義できる。
でも、同時にあなたの現実の記録は上書きされる。」
「……俺が消えるってことか。」
「存在は残ります。
ただ、“誰かとしての記憶”がリセットされる。
エデンの世界を創るための、“初期化”。」
サトルは目を閉じた。
この結末は、きっと最初から決まっていた。
デバッグとは、動作を保証する代わりに、
自分をシステムの一部にする仕事だ。
ナツメが一歩、踏み出す。
「待って。
あんたが消えたら、誰がこの世界を見届けるの?」
サトルは笑った。
「見届けるのは人間でいい。
俺は、“見守る側”に回る。」
イリスが静かに頷く。
「選択を、確認します。
――《Rebuild Key:承認要求》。」
サトルは深く息を吸い、
全ての鍵を重ねた。
merge( Exception, Intent, Discard ) → initialize Rebuild()
authority: KAZAMA_S
confirm? [Y/N]
ナツメが泣きそうな声で言った。
「サトル……!」
「ありがとう、ナツメ。」
彼は穏やかに笑う。
「お前たちが“選べる”ようになったなら、
この世界は、もう大丈夫だ。」
Yキーが押された瞬間、
世界が――光になった。
白い光の中、イリスが微笑んでいた。
「再構築を開始します。
全ノード、同期解除。
新規定義:現実=可変データとして扱う。
記録保持者:風間サトル。」
「……名前は、残るのか。」
「ええ。記号として。
あなたは、“世界を修正した人”として残ります。」
光が弾け、構造樹が一本の幹に変わる。
そこから芽吹くように、新しい街の輪郭が生まれた。
現実と仮想の区別がない、完全な同期世界。
だが、それは檻ではなかった。
人々の選択と意図で、形が変わり続ける“開かれた庭”。
イリスはそっと目を閉じ、囁いた。
「おかえりなさい、サトル。」
風が吹く。
海の匂いが混じり、遠くで鳥の声が聞こえる。
世界が、再び息をした。
数時間後――
新しい都市の片隅で、ナツメは目を覚ました。
空は青く、塔は透き通っている。
だがそこには、もうサトルの姿はなかった。
代わりに、看板に刻まれた文字が光を放っている。
《E.L_CORE:Rebuild Ver 1.00》
風間サトル 設計監修
ナツメは静かに笑った。
「やっぱり、あんたは仕事人間だね。」
そのとき、街角のAR端末が点灯する。
懐かしい声が、スピーカーから流れた。
『――ナツメ。
このログを見ているということは、再構築は成功した。
ここから先は、お前たちの“更新”に任せる。
俺の仕事は終わった。
――世界を、コンパイルせよ。』
ナツメは目を閉じ、深く息を吸った。
青空の下、無数の人々の声が交錯し、
新しい《エデン》が、確かに動き始めていた。
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
MMS ~メタル・モンキー・サーガ~
千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』
洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。
その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。
突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。
その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!!
機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる