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4.断罪forローゼ2

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ガクッと膝をつき、項垂れるローゼ。



その様子を見た陛下が、

「ふむ、アンジェリア嬢に陰湿な行為に及んだのはローゼ嬢で間違いなさそうだな。陰口を姉が言ったように情報操作したり、貴族の前で恥ずかしい思いをさせたり、怪我をさせたりするなんて簡単に許されるものではないぞ?

サハラーシャ侯爵、どう責任を取るのだ?」



空気と化した父上におっしゃいました。


「誠に、誠に申し訳ございません。これは全て我が侯爵家の!いえ、私の責任でございます、、!!

次女ローゼを絶縁し、爵位を返上させて頂きたいと思います!」





「ぜ、絶縁!?何言ってるのよ!お父様!!しかも爵位も返上って!!我が家が貧乏になっちゃうじゃない!!」

膝をつきながら顔だけあげて、ローゼが必死に訴えます。



「ええい!!お前は黙れ!!!
誰のせいでこうなったと思っているのだ!!

ローゼ!!お前の事は!本当の娘のように育ててきたつもりだったが、、、。

今のお前は、お前の母親にそっくりだ!」





「えっ!?本当の娘のように!?
ちょっと待って!?母親って、私の母親はお母様でしょう!?」


ローゼは興奮の余りスクッと立ち上がりました。
あら、まだ元気なのね。




「お前は、私の妹の子どもだ!!昔からワガママで男好きな妹が、侯爵家の使用人と関係を持ちできた子がお前だ!!


使用人は家から逃げ出し、妹はお前を産んだ後すぐ、産後の予後が悪く亡くなったのだ…。


侯爵家の令嬢が使用人と子どもを作って使用人に逃げられたなんて、侯爵家の名に傷が付くと思い、お前を私と妻の子にすることにしたのだ。」




「そ、そんなぁ、、。
私は、お母様とお父様の子じゃなかったの!?

やっぱり私は誰にも必要とされて無いのよ!!!
皆、いつも優秀なお兄様とお姉様ばかり!!!

エルセお姉様は、いつも私を困ったような顔で見て、小言ばかり!
しかも、第3王子のグリアンド様に求婚されてっっ!!

羨ましかったのよ!!!
だから、アンジェリア様を虐めたのは、お姉様と思われたら良いと思ったのよ!!!

アンジェリア様がグリアンド様を狙ってるって噂を流したら、グリアンド様もアンジェリア様を気にされるかなぁと思って、、、。

そうしたら婚約破棄まで上手くいったのに!!!」




うーん、ツッコミどころ満載すぎますわ。
小言って、
"マナーの授業をサボっては、先生が待っていらっしゃるので失礼ですよーとか、食事の際は、キチンとお口を閉じて咀嚼しなさいよー、とかだったのですけども…。


そして、父上から、グリアンド殿下から求婚され婚約が決まったと聞いた日には、私は部屋から出る事ができないくらい嫌で嫌で嫌で落ち込んでいましたのに…。


こんな、姉妹喧嘩にアンジェリア様を巻き込んで…。
本当に申し訳ないです。


「どうしてアンジェリア様に嫌がらせをしましたの?
アンジェリア様でなくてもよかったでしょうに。」



「アンジェリア様は私と同じ年なのに、成績も優秀でいらっしゃって、ダンスの腕も国随一と、もてはやされて良い気になっていたからですわ!!

その上、アンジェリア様が夜会の時に1人で、しみったれた顔をされていたので声をかけて差し上げたのです。

"あなた、エルセお姉様と仲がよろしいみたいですが、やめておいた方が良いですわよ。エルセお姉様は自分より身分が下の方を見下しておりますの。"
と。優しく忠告してあげましたの。

そしたら、アンジェリア様はあろう事か、
"エルセ様はそのような方ではございませんわ。身分も大切ですが、それだけで人を判断されるような浅はかな方ではありません。ローゼ様、貴方と違って。"

などと返してきたのよ!!!

アンジェリア様も、エルセお姉様も気に入らなかったのよー!!」





「申したい事は、それだけか?」


落ち着き払った声で、陛下が仰いました。










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