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効果は抜群
しおりを挟むレイナの行動は早かった
忙しい彼を気遣いあまり会えなかったリリーとは違い
レイナは積極的に彼の元へと通った。
もしかしたら、また……と不安になるが
今回だけは負けたくない
何があっても守るって決めたじゃない
リリー!!
頑張るのよ!!
レオナルドのクラスへ向かう途中、何気なく窓の外を見た
!!
……レイナと、レオ
中庭のベンチに腰掛けた2人が談笑してる姿に
胸が締め付けられる
リリーは出来るだけ早歩きで2人の元に向かう
ようやく2人が居るベンチの近くまで来た時だった
「リリー」
リリーが声をかけるより先に、レオナルドがこちらに気付き
近付いてくる
「会いたかった」
突然抱きしめられ驚いていると
更にぎゅっと力が強くなる
「レオ、少し苦しいわ」
「すまない!久しぶりだったから嬉しくてつい!!どこか痛くはないかい?」
慌てるレオが可愛くてリリーは思わずクスッと笑ってしまう
「大丈夫。それより、私も会いたかったわ」
「すまない……忙しくてでももうすぐ落ち着くと思うから」
父親であるサジスタン侯爵の仕事を手伝い始めたとは聞いていたが
やはり色々大変なのだろう
私が支えなくては
この方の妻になるのだから
「立ち話もなんだし、座ろう」
レオにエスコートされ、先程レイナとレオが座っていた
ベンチへと向かう
レイナの姿は既に無く、リリーはどうか諦めてくれと願うのだった。
唐突だが、この世界には魔法を使える国がある
私達が住む国ではそんなに栄えていないが
輸入魔道具くらいならあったりする
だが、魔力をほぼ持たないこの国の民や貴族達は
魔道具を使えない為ほぼ出回らずかなり高い
遡ること1ヶ月前
他なんぞ知るか精神で
レイナは新たな魔道具を購入していた。
リリーも両親も使わないし、魔道具は高いしで
レイナの無駄遣いだと家族は思っている
そんな事はさておき、新たに手に入れた魔道具は
「鍋」
今まではリリーが持ち帰った
忌々しい物を破壊すれば良かったが
今回は生み出さねばならない。
リリーの髪の毛を混ぜた紅茶と、リリーの体液を混ぜた香水
ちょっと待ちなさいよ。
これだけ見たら私もリリーに言いよった頭のおかしな連中と同じじゃない!!
心外だわ。
体液って涙でも良いのね
それは今度泣かせるとして……
髪の毛…も何とかなるわね
紅茶は飲むと身体の中に浸透し
リリーへの愛が倍になる。
自分の身体の半身の様にそれは大切にしたくなるそうだ。
香水も同じだ。
これをレオナルドに付けさせれば
彼はリリー無しでは生きていけなくなる
こっちは2瓶いる
リリーにも渡すつもりだ。
レオナルドが付け忘れてもリリーが付けていれば問題無い
材料にされた人間には影響無いみたいだし
どうやって渡すかは………
勝手に振りかければ良いわね、考えるの面倒だわ。
紅茶1回、香水を3ヶ月を使い続けたら
愛は本物になり、同じ手を別の人間に使われても
効果を無効化出来る。
こうして無事成功させたレイナは今日
学園の庭でリリーに駆け寄るレオナルドを見て呟く
「私って天才だわ」
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