かぼちゃ太郎

かぼちゃ太郎

昔々あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。お爺さんは都会へパチンコしに、お婆さんは川へ洗濯しに行きました。
お婆さんが川で洗濯していると、どんぶらこどんぶらこと大きなかぼちゃが流れてきました。お婆さんは
「確か爺さんがかぼちゃ好きだったなぁ。」
と大きなかぼちゃを抱えて持って帰りました。
お爺さんが帰ってきました。お爺さんの手には沢山のかぼちゃがありました。
「どうだ！婆さんやパチンコで大儲けしたんでかぼちゃに替えてきたわ。」
とお爺さんは勝ち誇ったかのように言いました。
「奇遇だね～。わしもほらこんなに大きなかぼちゃを拾ってきたんだよぉ」
と張り合うかのように言いました。
「婆さん  そんなのいいから早くこのかぼちゃを料理してくれよ。」
「じゃあ大きなかぼちゃは最後だねぇ」
と二人は料理を始めました。一通り料理し終わったあと
「ほら爺さん早くこの大きなかぼちゃをたたきわっとくれ」
「婆さんはせっかちじゃなー。ほら行くぞ」
とお爺さんが大きな包丁を振り下ろすと
「おぎゃー」
と中から赤ん坊が生まれてきました。
「おー爺さん！神様からのさずけものじゃ」
「かぼちゃの中から出てきたからこの子の名前はかぼちゃ太郎じゃ！」
かぼちゃ太郎はお爺さんとお婆さんに大事に育てられました。
かぼちゃ太郎がやって来てから数年が経ちました。村では鬼達が人間を襲い財宝をかっさらって行きました。かぼちゃ太郎はそれを見て
(うわーマジかっけぇ…鬼の仲間に入りてぇ…よし鬼ヶ島に行こう!!!)
かぼちゃ太郎はすぐにお婆さんたちのところへ行き
「お婆さん、お爺さん僕は毎日のように襲ってくる鬼達が許せません!!!鬼退治に行かせてください!!!」
と嘘をつき鬼ヶ島に行こうとしました。お婆さんとお婆さんは最初反対しましたがかぼちゃ太郎の説得により賛成しました。
「かぼちゃ太郎これを持っておいき」
その手の中にはお婆さん特製のきびだんごとお爺さんの宝物のサッ〇ロ一番と書かれた旗がありました。
かぼちゃ太郎はありがとうと言って旅立ちました。
かぼちゃ太郎が旅をしていると犬に会いました。犬はとてもお腹をすかしていました。
「かぼちゃ太郎さん、かぼちゃ太郎さんお腰に付けたきびだんごを1つ私にください。くれたらあなたの旅についていきます。きっと役に立ちますよ。」
とかぼちゃ太郎にお願いしました。かぼちゃ太郎は悩みました。
(うーん はっきり言って邪魔だしな～ それに鬼退治じゃねーし…俺の食うきびだんごも少なくなっちまうしなーよし！)
かぼちゃ太郎は決めました。
「テメーにやるきびだんごはねーよ」
と捨て台詞をいって歩き出しました。次に猿に会いました。猿も犬のようにお願いをしましたが、かぼちゃ太郎も同じように答え歩き出しました。次に雉子に会いました。雉子も同じようにお願いしました。しかしかぼちゃ太郎も同じように答え歩き出しました。
山を越え谷を越えやっとこさとかぼちゃ太郎は鬼ヶ島に着きました。かぼちゃ太郎は最初鬼達に敵と勘違いされ鬼に襲われましたがかぼちゃ太郎は鬼達を次々倒しました。鬼達の大将の元へと着いたかぼちゃ太郎は土下座をしながら
「俺を貴方達の仲間にしてください」
と頼みました。鬼はちょっと悩みました。
(あいつ仲間に入りてぇのか？スパイとかじゃねーよな？まぁ裏切られた時はなんとかなるだろ)
と悩んだ結果
「いいだろう。仲間に入れてやる。だが裏切ったりした時は覚悟しろよ」
「はい!!!」
とかぼちゃ太郎はめでたく鬼の仲間に入ることができました。
それから鬼が村を襲う時は人間の子供も鬼の中に居ると噂が立ちました。