12 / 30
一年後の結末 7
しおりを挟む
残された僕は呆然とした。
僕がショウたちに頼んで姉さんの私物を処分した?そんなはずはない。
昨日あのデミが漁っていたものは何だったというんだ。
昨日まであの家には姉さんの私物は確かにあった。
僕の記憶がおかしい?いや、正常なはずだ。
そう思いながらも僕は思わず空間に情報デバイスを立ち上げ、
歩きながら電話をかける。
「なに?」
三回のコールの後、不機嫌そうな声の人物がでた。
「こんばんは、リサさん」
とりあえずの挨拶。
「こんばんはじゃないよ。今何時だと思ってるの?」
彼女のジトリとしたやる気のない目が浮かぶようだ。
「午前一時です。どうせ起きてるかなと思って」
「起きてたわよ。あの後、事後処理して、報告書かいて、飯食って、シャワー浴びて一息ってとこ」
確かこ彼女は昨日急に呼び出されて寝てないといっていたはずだ。同情の気持ちが湧いた。
「あの、ちょっと聞きたいことがあって」
「くだらない話なら切るよ。今からようやくゲームに戻れるのに」
同情の気持ちが消えた。彼女はちょっとぐらい追い込んだほうがいい人間だ。
「前に、神様に潜っているうちに夢見に記憶の欠落や混濁が生まれるって聞いたことがあるんですけど」
「そりゃ、あるけど…、あんたの事?」
嫌そうな声が遠慮がちに尋ねてくる。
「えっと、はい」
そういった瞬間電話がブツリと切れた。僕はすぐさまかけ直す。
「もしもし、リサさん」
「何かあっても私に報告しないでって言ったよね。余計な仕事はごめんなの」
電話は再び切れた。僕は再びかけ直す。
「実は、友達の話なんですが」
白々しい建前で切り出した。
「…で、何?」
なんとか納得したもらえたようで今度は切られなかった。僕は自分の記憶に齟齬が生じていることを友達の話として伝える。
「…なるほどね。つまりそのお友達は、その友達の友達の認識と自分の記憶にずれがあるんだ」
「そうです」
「大丈夫よ」
彼女は即答する。
「それは記憶の混濁じゃない。そのお友達か、お友達のお友達の記憶違い」
「いや、でも…」
「それに、そのぐらいの記憶どっちだって同じでしょ?」
「そんな適当な…」
ため息が出た。
「大丈夫、大丈夫、ほんとに大丈夫だから。私、お勤めは嫌いだけど、これでもエンジニアとしたは優秀なのよ」
どこかおざなりな響きに聞こえる。
「まあ、そこまで言うなら」
僕は諦めて電話を切ろうとする。
「あっ、でも。今の話絶対に他の人にはしないでね。私の仕事が増えちゃうから」
冗談めかして言ういつもの一言は、どこか冷たく刺すように聞こえたのは気のせいだろうか。
気づけばもう家の前だった。
僕がショウたちに頼んで姉さんの私物を処分した?そんなはずはない。
昨日あのデミが漁っていたものは何だったというんだ。
昨日まであの家には姉さんの私物は確かにあった。
僕の記憶がおかしい?いや、正常なはずだ。
そう思いながらも僕は思わず空間に情報デバイスを立ち上げ、
歩きながら電話をかける。
「なに?」
三回のコールの後、不機嫌そうな声の人物がでた。
「こんばんは、リサさん」
とりあえずの挨拶。
「こんばんはじゃないよ。今何時だと思ってるの?」
彼女のジトリとしたやる気のない目が浮かぶようだ。
「午前一時です。どうせ起きてるかなと思って」
「起きてたわよ。あの後、事後処理して、報告書かいて、飯食って、シャワー浴びて一息ってとこ」
確かこ彼女は昨日急に呼び出されて寝てないといっていたはずだ。同情の気持ちが湧いた。
「あの、ちょっと聞きたいことがあって」
「くだらない話なら切るよ。今からようやくゲームに戻れるのに」
同情の気持ちが消えた。彼女はちょっとぐらい追い込んだほうがいい人間だ。
「前に、神様に潜っているうちに夢見に記憶の欠落や混濁が生まれるって聞いたことがあるんですけど」
「そりゃ、あるけど…、あんたの事?」
嫌そうな声が遠慮がちに尋ねてくる。
「えっと、はい」
そういった瞬間電話がブツリと切れた。僕はすぐさまかけ直す。
「もしもし、リサさん」
「何かあっても私に報告しないでって言ったよね。余計な仕事はごめんなの」
電話は再び切れた。僕は再びかけ直す。
「実は、友達の話なんですが」
白々しい建前で切り出した。
「…で、何?」
なんとか納得したもらえたようで今度は切られなかった。僕は自分の記憶に齟齬が生じていることを友達の話として伝える。
「…なるほどね。つまりそのお友達は、その友達の友達の認識と自分の記憶にずれがあるんだ」
「そうです」
「大丈夫よ」
彼女は即答する。
「それは記憶の混濁じゃない。そのお友達か、お友達のお友達の記憶違い」
「いや、でも…」
「それに、そのぐらいの記憶どっちだって同じでしょ?」
「そんな適当な…」
ため息が出た。
「大丈夫、大丈夫、ほんとに大丈夫だから。私、お勤めは嫌いだけど、これでもエンジニアとしたは優秀なのよ」
どこかおざなりな響きに聞こえる。
「まあ、そこまで言うなら」
僕は諦めて電話を切ろうとする。
「あっ、でも。今の話絶対に他の人にはしないでね。私の仕事が増えちゃうから」
冗談めかして言ういつもの一言は、どこか冷たく刺すように聞こえたのは気のせいだろうか。
気づけばもう家の前だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる