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ミカガミシンヤの物語 3
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神様の申し出は突飛だった。
だが、彼がそう願うなら断る事はできない。
僕は、エリカに連絡を取る。
彼女は家にいるようで、今から神様を連れて行くと伝えた。
エリカは慌てた様子で、なにか夕食でも用意するという。
ミカガミ様に伺いを立てると、快く応じてくださり、
僕たちの家に彼を招いて三人で食事をすることになった。
チャイムを鳴らすと、ドタドタと慌ただしい音がして、
扉が控えめに開かれた。
「お、お帰りなさい」
控えめな声とともにエリカが顔を出す。
「ただいま」
答える僕の肩越しに彼女の視線はその先を見る。
「あ、えっと…」
「はじめまして、ミカガミといいます」
ミカガミ様は丁寧に答える。
神様なんてもっと偉そうなもんだと彼に会う前は思っていた。
やさしく微笑んでもらえたことがうれしかったのか、
エリカは満面の笑みを浮かべる。
「えっと、どうぞ中にいらしてください。つまらないものですけどお食事を用意させてもらったんです」
テーブルの上には料理がならんでいる。
言葉とは裏はらにかなり豪勢だ。
もっとも彼女の料理の腕は並みだから、レストラン並みとまではいかないが、
彼女が精いっぱい作ったのはわかる。
「素晴らしい、これはごちそうだね」
毎日、臨めばどんな豪華なものでも食べれるはずの彼は、
そういって妹の料理をほめる。この方は本当に気取らない方のなのだ。
食卓につく。僕とエリカが並んで座り、
テーブルを挟んだ向かい側にミカガミ様はおかけになった。
「粗末なものですみません」
「もう、粗末なんて言わないでよ。お兄ちゃんみたいにはいかなくても頑張ったんだから」
エリカが頬を膨らませる。
「ただの謙遜だろ。マジでとるなよ。頑張ったな」
「ちゃんと、思ってる?」
「思ってる、思ってる」
「ならいいけど」
ミカガミ様はそんな僕らのやりとりを、見てクスクスと笑った。
「ところで、妹に用事ってなんですか?」
本来の目的を思い出す。
「直接、用事があったわけじゃない。ここでの家族てのがどんなものか見てみたかったんだ。君たちはいつもそんな感じなの?」
その問いに二人してきょとんとする。
「だいたい、そうですけど」
その言葉を聞いて神様はまた満足そうに笑った。
「うん、君たちはちゃんと家族だ」
彼はよくわからない話をして、かってに納得してうなずく。
「ミカガミ様にも家族がいたんですか?」
なんとなく疑問に思った。
「いや、でも大切な人はいた。君にとっての妹さんみたいにね」
それは夢で見たあの女の人のことだろうか?
「僕たちはちゃんと家族でしょうか?」
僕には正直自信がなかった。
「君は妹さんが好きかい?」
質問に恥ずかしい質問で返してくる。
「は、はい」
僕は少し照れてしまう。
「君は?」
今度はエレナの方を向く。
「好きです!」
彼女は元気よく答えて、僕はますます赤面した。
「ねえユウキ、友達になろう」
突飛な提案と共に神様は手を差し出す。
僕はその手を握っていいものか戸惑う。
「僕が、神様とですか?」
恐れ多い話だった。
「俺は神様なんかじゃない。ただのミカガミシンヤだ。シンヤでいい」
その勢いに押されて僕は思わずその手を握ってしまう。
それを見て彼は満足そうに微笑んだ。
「君には心があるよ。だから、俺たちはきっといい友達になれると思うんだ」
握り返してくるその手は力ず良くて、僕までそんな気がしてくる。
「よろしく、シンヤ」
声はいつになく力強く良く響いた。
だが、彼がそう願うなら断る事はできない。
僕は、エリカに連絡を取る。
彼女は家にいるようで、今から神様を連れて行くと伝えた。
エリカは慌てた様子で、なにか夕食でも用意するという。
ミカガミ様に伺いを立てると、快く応じてくださり、
僕たちの家に彼を招いて三人で食事をすることになった。
チャイムを鳴らすと、ドタドタと慌ただしい音がして、
扉が控えめに開かれた。
「お、お帰りなさい」
控えめな声とともにエリカが顔を出す。
「ただいま」
答える僕の肩越しに彼女の視線はその先を見る。
「あ、えっと…」
「はじめまして、ミカガミといいます」
ミカガミ様は丁寧に答える。
神様なんてもっと偉そうなもんだと彼に会う前は思っていた。
やさしく微笑んでもらえたことがうれしかったのか、
エリカは満面の笑みを浮かべる。
「えっと、どうぞ中にいらしてください。つまらないものですけどお食事を用意させてもらったんです」
テーブルの上には料理がならんでいる。
言葉とは裏はらにかなり豪勢だ。
もっとも彼女の料理の腕は並みだから、レストラン並みとまではいかないが、
彼女が精いっぱい作ったのはわかる。
「素晴らしい、これはごちそうだね」
毎日、臨めばどんな豪華なものでも食べれるはずの彼は、
そういって妹の料理をほめる。この方は本当に気取らない方のなのだ。
食卓につく。僕とエリカが並んで座り、
テーブルを挟んだ向かい側にミカガミ様はおかけになった。
「粗末なものですみません」
「もう、粗末なんて言わないでよ。お兄ちゃんみたいにはいかなくても頑張ったんだから」
エリカが頬を膨らませる。
「ただの謙遜だろ。マジでとるなよ。頑張ったな」
「ちゃんと、思ってる?」
「思ってる、思ってる」
「ならいいけど」
ミカガミ様はそんな僕らのやりとりを、見てクスクスと笑った。
「ところで、妹に用事ってなんですか?」
本来の目的を思い出す。
「直接、用事があったわけじゃない。ここでの家族てのがどんなものか見てみたかったんだ。君たちはいつもそんな感じなの?」
その問いに二人してきょとんとする。
「だいたい、そうですけど」
その言葉を聞いて神様はまた満足そうに笑った。
「うん、君たちはちゃんと家族だ」
彼はよくわからない話をして、かってに納得してうなずく。
「ミカガミ様にも家族がいたんですか?」
なんとなく疑問に思った。
「いや、でも大切な人はいた。君にとっての妹さんみたいにね」
それは夢で見たあの女の人のことだろうか?
「僕たちはちゃんと家族でしょうか?」
僕には正直自信がなかった。
「君は妹さんが好きかい?」
質問に恥ずかしい質問で返してくる。
「は、はい」
僕は少し照れてしまう。
「君は?」
今度はエレナの方を向く。
「好きです!」
彼女は元気よく答えて、僕はますます赤面した。
「ねえユウキ、友達になろう」
突飛な提案と共に神様は手を差し出す。
僕はその手を握っていいものか戸惑う。
「僕が、神様とですか?」
恐れ多い話だった。
「俺は神様なんかじゃない。ただのミカガミシンヤだ。シンヤでいい」
その勢いに押されて僕は思わずその手を握ってしまう。
それを見て彼は満足そうに微笑んだ。
「君には心があるよ。だから、俺たちはきっといい友達になれると思うんだ」
握り返してくるその手は力ず良くて、僕までそんな気がしてくる。
「よろしく、シンヤ」
声はいつになく力強く良く響いた。
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