140字小説まとめ

川本鏡花

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★宝物みたいに

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とびっきりの美人じゃなくていいから、せめて少し可愛いと思ってもらえるくらいの、そんな女の子に生まれたかったな。

カランと氷を弄ぶしぐさは艶かしく映った。煙草を燻らせながら「今のままで十分だよ」と言うと、彼女は「大切じゃないなら宝物みたいに扱わないでよ」と悲しげに笑った。
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