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家族になった人族のポムと魔族のポム
10.悪いひとはどこまでも(1)
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今日も朝からふたりでロバの荷馬車に乗り、街道をのんびり"ココ"の街へ向かって進んで行く。
荷馬車には、御者を務めるポムくんと荷馬車で寝転ぶポムさんのふたりだけ。
荷馬車には荷物は何も積んでいない。
普通の荷馬車なら何かしらの商品やら、収穫した農作物やら、干し草やら、農具を積んでいるはずなのだが、全くの空荷の荷馬車もめずらしい。
ポムさんは、暇な時間を持て余しているので、ポムくんに魔力を錬る方法を教えていた。
「体の中に魔力の流れがあるの。それを感じとってひとつの珠のように練り上げるの。そうすると少ない魔力で威力が何倍もの魔法が使えるの。」
「…わかんない。」
「わかんない。じゃなくて感じるの。」
「ポムくん、回復魔法が使えるんだからできるはずなんだけど。」
「…何も感じないよ。」
ポムさんは、考え込んでしまいました。
「私の教え方が違うのかな。」
「自分でできても、人に教えるって難しい。」
ポムくんに魔力の錬り方を教えたはずが、教え方について悩み始めてしまったポムさんでした。
■盗賊視点
「おい、街道を行く馬車の様子はどうだ。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「護衛を後ろに乗せた旅客馬車。」
「農具を積んだ馬車。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「農具を積んだ馬車。」
「兵隊を乗せた馬車。やべえ。隠れろ!」
盗賊達は、街道脇の木に隠れながら通り過ぎる馬車の積み荷を見て、襲う馬車を探していた。
街道には、多数の馬車が走っているが一目で金目の物を積んでいると分かる馬車には、必ず数人の護衛が乗っていた。
盗賊達は、ここ数日、街道を一日中見張ってどんな馬車がどの時間に通るかを調べて襲う馬車を見定めていた。
「兄貴、俺達の剣の腕じゃ護衛付きの馬車を襲ったら、俺達が殺られちまいますよ。」
「かといって、野菜を運んでいる荷馬車を襲ったて、全く金にならないしな。」
「やっぱり街道を走る馬車を襲って金を奪うのは簡単じゃないですね。」
盗賊達は、あまり剣の腕が立つ方ではなかったので、護衛が付いていないが金目の物を運んでいそうな馬車を何日も探していたが、そんな都合のいい馬車など通るはずもなかった。
「ん。またあの2人の子供が乗った荷馬車だ。いつも農具も荷物も積んでいない空荷の状態で通るな。」
「兄貴、あの子供が乗っている荷馬車が気になるんですかい。」
「ああ、おかしいと思わないか。例え子供でも畑の手伝いに行くなら農具を積んでいるもんだ。野菜を街に売りに行くなら野菜を積んでいるはずだ。工芸品を積んでいるでもいい。何か積み荷があるはずだ。街に商品を卸しての帰りなら空荷でも分かる。」
「あいつら、2日前にもここを通ったがその時も空荷だったし、昼前には戻ってくるがその時も空荷だった。」
盗賊は考えた。
子供が空荷の荷馬車を走らせて街に行って何をするんだ。
帰りもあいつらは空荷で帰って行く。
街に働きに行くなら、もっと朝の早い時間に街道を通るはず、帰るのはもっと遅い時間になるはずだ。
それが"ココ"の街へ行ったと思ったら直ぐに帰って来る。
荷馬車は空荷なのに、何かを運んでいるようにしか思えない時間で移動している。
そんなことがあるのか。
もしかすると。
「兄貴、どうしたんですか。怖い顔して考えこんで。」
「ああ。あの子供が乗っている荷馬車な。実は積み荷があるんじゃないかって思ってな。」
「でも、何か積んでいるようには見えませんぜ。」
「そうだ。聞いたことがあるぞ。魔法のアイテムでアイテムバックとかいうもがあるらしい。何でも入る魔法の鞄だそうだ。」
「もし、ガキ共がアイテムバックを持っているとすると、あいつらの荷馬車がいつも空荷の説明が付く。」
「しかも、アイテムバックだけでも相当な価値があるらしい。」
「でも兄貴、子供がそんな魔法のアイテムを持って出歩くなんてことがあるんですかい。」
盗賊は悩んだ。
確かに子供にそんな高価なアイテムバックを持たせる親がいるのか。
例えば、街で親が商売をやっている。
商品を子供がアイテムバックを使って運ぶ。
荷馬車は、いつも空荷だから盗賊に襲われる心配がない。
そういうことか。
「おい、2日後の朝、あのガキ共の荷馬車がここを通ったら襲うぞ。」
「たぶん、ガキのどっちかがアイテムバックを持って荷物の運搬をやっているはずだ。」
「アイテムバックを使うくらいだからそれなりの品に違いない。」
「もし、そうでなくてもアイテムバックを取り上げて売ってしまえば、相当な金になるぞ。」
「そうと決まれば、今日はねぐらに戻って酒でも飲むぞ。」
盗賊達は、2日後にポムくんとポムさんがが乗った荷馬車を襲う算段をした。
何も知らないポムくんとポムさんは、2日後にはこの場所を通って"ココ"の街へ行く。
荷馬車には、御者を務めるポムくんと荷馬車で寝転ぶポムさんのふたりだけ。
荷馬車には荷物は何も積んでいない。
普通の荷馬車なら何かしらの商品やら、収穫した農作物やら、干し草やら、農具を積んでいるはずなのだが、全くの空荷の荷馬車もめずらしい。
ポムさんは、暇な時間を持て余しているので、ポムくんに魔力を錬る方法を教えていた。
「体の中に魔力の流れがあるの。それを感じとってひとつの珠のように練り上げるの。そうすると少ない魔力で威力が何倍もの魔法が使えるの。」
「…わかんない。」
「わかんない。じゃなくて感じるの。」
「ポムくん、回復魔法が使えるんだからできるはずなんだけど。」
「…何も感じないよ。」
ポムさんは、考え込んでしまいました。
「私の教え方が違うのかな。」
「自分でできても、人に教えるって難しい。」
ポムくんに魔力の錬り方を教えたはずが、教え方について悩み始めてしまったポムさんでした。
■盗賊視点
「おい、街道を行く馬車の様子はどうだ。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「護衛を後ろに乗せた旅客馬車。」
「農具を積んだ馬車。」
「畑から収穫した野菜を積んでいる馬車。」
「農具を積んだ馬車。」
「兵隊を乗せた馬車。やべえ。隠れろ!」
盗賊達は、街道脇の木に隠れながら通り過ぎる馬車の積み荷を見て、襲う馬車を探していた。
街道には、多数の馬車が走っているが一目で金目の物を積んでいると分かる馬車には、必ず数人の護衛が乗っていた。
盗賊達は、ここ数日、街道を一日中見張ってどんな馬車がどの時間に通るかを調べて襲う馬車を見定めていた。
「兄貴、俺達の剣の腕じゃ護衛付きの馬車を襲ったら、俺達が殺られちまいますよ。」
「かといって、野菜を運んでいる荷馬車を襲ったて、全く金にならないしな。」
「やっぱり街道を走る馬車を襲って金を奪うのは簡単じゃないですね。」
盗賊達は、あまり剣の腕が立つ方ではなかったので、護衛が付いていないが金目の物を運んでいそうな馬車を何日も探していたが、そんな都合のいい馬車など通るはずもなかった。
「ん。またあの2人の子供が乗った荷馬車だ。いつも農具も荷物も積んでいない空荷の状態で通るな。」
「兄貴、あの子供が乗っている荷馬車が気になるんですかい。」
「ああ、おかしいと思わないか。例え子供でも畑の手伝いに行くなら農具を積んでいるもんだ。野菜を街に売りに行くなら野菜を積んでいるはずだ。工芸品を積んでいるでもいい。何か積み荷があるはずだ。街に商品を卸しての帰りなら空荷でも分かる。」
「あいつら、2日前にもここを通ったがその時も空荷だったし、昼前には戻ってくるがその時も空荷だった。」
盗賊は考えた。
子供が空荷の荷馬車を走らせて街に行って何をするんだ。
帰りもあいつらは空荷で帰って行く。
街に働きに行くなら、もっと朝の早い時間に街道を通るはず、帰るのはもっと遅い時間になるはずだ。
それが"ココ"の街へ行ったと思ったら直ぐに帰って来る。
荷馬車は空荷なのに、何かを運んでいるようにしか思えない時間で移動している。
そんなことがあるのか。
もしかすると。
「兄貴、どうしたんですか。怖い顔して考えこんで。」
「ああ。あの子供が乗っている荷馬車な。実は積み荷があるんじゃないかって思ってな。」
「でも、何か積んでいるようには見えませんぜ。」
「そうだ。聞いたことがあるぞ。魔法のアイテムでアイテムバックとかいうもがあるらしい。何でも入る魔法の鞄だそうだ。」
「もし、ガキ共がアイテムバックを持っているとすると、あいつらの荷馬車がいつも空荷の説明が付く。」
「しかも、アイテムバックだけでも相当な価値があるらしい。」
「でも兄貴、子供がそんな魔法のアイテムを持って出歩くなんてことがあるんですかい。」
盗賊は悩んだ。
確かに子供にそんな高価なアイテムバックを持たせる親がいるのか。
例えば、街で親が商売をやっている。
商品を子供がアイテムバックを使って運ぶ。
荷馬車は、いつも空荷だから盗賊に襲われる心配がない。
そういうことか。
「おい、2日後の朝、あのガキ共の荷馬車がここを通ったら襲うぞ。」
「たぶん、ガキのどっちかがアイテムバックを持って荷物の運搬をやっているはずだ。」
「アイテムバックを使うくらいだからそれなりの品に違いない。」
「もし、そうでなくてもアイテムバックを取り上げて売ってしまえば、相当な金になるぞ。」
「そうと決まれば、今日はねぐらに戻って酒でも飲むぞ。」
盗賊達は、2日後にポムくんとポムさんがが乗った荷馬車を襲う算段をした。
何も知らないポムくんとポムさんは、2日後にはこの場所を通って"ココ"の街へ行く。
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