家族になった人族のポムと魔族のポムの物語

純粋どくだみ茶

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家族になった人族のポムと魔族のポム

11.悪いひとはどこまでも(2)

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今日も朝からふたりでロバの荷馬車に乗り、街道をのんびり"ココ"の街へ向かって進んで行く。

「ポムくん、体の中の魔力の流れは分かりそう。」

「…なんとなくだけど、体の中を何かが流れているのは分かったんだけど、珠のように練り上げるってどうやるの。」

「体の全体に流れている魔力を、体の中心に向かって意識して集めるの。」

「…うーん。よくわかんない。難しいね。」

ポムくんは、ポムさんの教えてくれる魔力の錬り方に苦戦していました。

「私ね。やってみたらすぐにできてしまったの。だから考えたことがなかったの。」

「まあ、時間はあるから。2人でがんばってやってみましょう。」

ポムさんは、教える自分が成長しないと、教えられるポムくんも成長できないと感じたのでした。



珍しく街道には他の馬車が1台もいなかった。

街道の脇の木の陰に3人の男達が剣を鞘から抜いて立っていた。

ポムさんは直ぐにそれを見つけてしまった。

「ポムくん、あそこの木のところに3人の男達がいるでしょう。剣を抜いているということは盗賊と思っていいわ。」

「それに、街道を走っている馬車はこの荷馬車だけね。つまり私達を襲うつもりよ。」

ポムさんは、ポムくんにそう言うと、ポムくんの肩にのせた手に力を込めた。

「ええっ、盗賊。ポムさん、どっ、どうするの。」

ポムくん。明らかに動揺しています。

「私が魔法を放つから。それで盗賊達が逃げてくれればいいけど。」 

街道沿いの木に荷馬車が近づくと、盗賊達が街道を塞ぐように立ちはだかった。

「おい、馬車を止めろ。」

「ガキ共、金目の物を出せ、それとアイテムバックを持っているんだろ。そいつも出せ。言うことを聞けば命だけは助けてやる。」

「俺達も子供を殺したとあっては、寝覚めが悪くなるんでな。手荒なことはしたくない。」

盗賊が馬車へ歩いて近づいてこようとした。

ポムさんが火魔法を無詠唱で盗賊達へ放った。

「ポムくん、あいつらが近づいてきたら短剣で刺すのよ。ゴブリンとは体格も力も違うから十分注意して。」

ポムさんは、ひとりで3人の盗賊へ魔法を放った。が、2人の盗賊の体が火だるまになってもがいていた。

「あっ。熱い。熱い。くそ。誰か火を消してくれ。」

ポムさんは、火魔法が外れてしまったもうひとりの盗賊へもうちど火魔法を放った。

こんどは盗賊の顔に命中した。

「熱い。ちくしょう。子供のくせになんで魔法が使えるんだ。」

最初に火魔法を浴びた盗賊の2人は、街道から草原へと逃げていったが、まもなく草原に倒れて動かなくなった。

残るひとりは、顔と頭から煙を出しながら草原を走って逃げていってしまった。

「なんとか助かったわ。強くない盗賊でよかった。」

ポムさんは盗賊に襲われたのに、慣れた様子で盗賊を魔法で撃退した。

でもポムくんは、盗賊に襲われた経験が一度もなかったので、怖くて荷馬車の上で震えているだけでした。

「…ぼ、ぼく。怖くて何もできなかった。ポムさんありがとう。」

「へへ。盗賊くらいお姉さんにまかせなさい。」

得意げなポムさんの顔が勇者に見えたポムくんでした。



■盗賊視点

ちくしょう。

ガキ共め、俺の顔が火傷で真っ黒だ。髪の毛も焼けちまった。

絶対あのガキ共を殺してやる。絶対に殺してやる。

あいつら2日毎にこの街道を"ココ"の街に行くことは分かってるんだ。

街道を通る時間もいついも同じだ。

絶対に逃がさないぞ。こっちは仲間を2人も殺されてんだ。

ちきしょう。ポージョンを3本も飲んだのにちっとも痛みが引かねえ。

殺してやる。殺してやる。絶対殺してやる。
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