家族になった人族のポムと魔族のポムの物語

純粋どくだみ茶

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家族になった人族のポムと魔族のポム

21.配達先に悪魔さんを紹介します

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"ココ"の街に入りました。
でもなぜか悪魔さんは身分証は不要でした。
何か魔法を使ったのでしょうか。



榊さんのレストランの厨房に入り、アイテムバックから取り出した食材をテーブルに置いてい
た時です。
厨房に榊さんと美人のお姉さんが来ました。

「あっ。あっ。あくっ。あくっ。」

すると、美人のお姉さんが突然何かを言っていますが言葉になっていません。

「どうしたクリス。アク取りか。豚骨スープのアク取りがどうした。」

榊さんが何やら言っていますが、いまいち何を言っているのか分かりません。

「はあ。違います。厨房に悪魔です。悪魔がいます。」

「キャー。アクマ。あくま。悪魔。」

今度は、3人の美人のお姉さんが厨房に入ってきましたが、3人の美人のお姉さんまで騒ぎだし
ました。
3人の美人のお姉さん達は、パニックを起こして厨房から出て行ってしまいました。



今僕達は、レストランの奥にある事務所でお茶をご馳走になっています。

「ささっ。お茶をどうぞ。茶請けのお菓子もどうぞ。」

「こちらの茶請けは和菓子でございます。お口に合えばよろしいのですが。」

榊さんが凄く丁寧で腰の低い話方をしています。

「あなた、気が利くわね。」

「あら、お上品な甘さね。」

「こちらは草餅と道明寺といいます。」

悪魔は、草餅と道明寺をパクパク食べています。

「お口に合ったようで何よりです。」

榊さんが悪魔さんに進めたお菓子が悪魔さんに好評のようです。

「おたくのところには、神器が4人もいるのね。」

「あなた女神の使いなの?」

悪魔さんが榊さんに何かを話していますが、僕にはさっぱり分からないお話です。

「女神様から仕事を依頼されております。まあ、女神様は雇用主で私はしがない労働者です。」

「働く者は素敵よ。」

「ありがとうございます。お茶のお代わりです。どうぞ。」

「あら、ありがと。あなた本当に気が利くわね。」

「ははは。長いものには巻かれろ。強い者には手を出すな。死んだじーさんの遺言です。」

「あんた、長生きするわよ。」

「おそれいります。これからも懇意にさせていただければと思います。」

悪魔さんと榊さんは、世間話に花がさいたみたいで、その後も楽しそうにお話が続きました。

「少ないですが先ほどお出しした和菓子が入った折詰とシュークリームが入った折詰でございます。」

「ご自宅の方でご存分にお召し上がりくださいませ。」

「そう。悪いわね。また寄らせてもらうわね。」

「いつでもお待ちしております。」

「ありがと。ちゅ。」

悪魔さんは、榊さんに手の平で投げキスをして愛想を振りまいた後、ポムくんとポムさんと
一緒に帰っていきました。



■榊視点
「主様。悪魔ですよ。よろしかったのですか。」

クリスは、悪魔を帰したことに不満があるようだった。

「バカ。俺達じゃあいつには全く歯が立たない事くらい見て分かるだろ。」

「お前を含めて神器組4人でも勝てやしないぞ。」

「だから勝てないやつには、揉み手で行くのが一番なんだよ。」

「俺達は、神じゃないんだ。あんなの相手になんかできる訳がない。」

「近所のご隠居さんが茶を飲みに来るとでも思っていれば気にもならんよ。」

榊は、悪魔を相手に喧嘩を売るほど馬鹿ではなかった。勝てない相手に売る物などないのだ。

「しかし、ポムくんが悪魔を従者にしているとは驚いた。」

「今度、女神アルティナ様へ聞いてみるか。あの悪魔を相手にするのかを。」

「でも俺は、勇者じゃないしな。まして悪魔と戦うなんてまっぴら御免だよ。」

上には上がいるものだと榊は事務所の天井を見上げていた。
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