誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

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07.武具が人化しました

03.試し撃ちです。(その1)

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火龍の巣穴から回収した武具を仕分けした。
置いておくのも勿体ないので、ベティとサティに使ってみたい武具があるか聞いてみた。
ベティは、"槍"、サティは、オークとの闘いで壊れてしまった"弓"をもう一度使ってみたいらしい。
俺は、腕輪"召喚の女王"と腕輪"隕石の女王"を試すことにした。
クリス、ベティ、サティ、俺の4人で"ココ"の街の外にある草原に来ている。
武具の威力を試すことが目的なので、"ココ"の街からはかなり離れた場所まで来た。

ベティには、巣穴から回収した"覇者の槍"を装備させた。
いまいち性能が不明なので、まずは慣れてもらうことにした。
ベティが"覇者の槍"を手に持ち、構えを取った瞬間頭上に突然3本の槍が現れた。
草原の遥か彼方をヘコヘコ歩いているゴブリン3体がいた。
ベティは、槍に向かって"はなて"と唱えた。
3本の槍は、草原の草の背丈の高さギリギリを高速で飛行した。
"探査"と唱えて3体のゴブリンの反応を確認した。まもなく3体のゴブリンの反応は消えた。
べティの頭上から飛んで行った3本の槍が、いつのまにかベティの頭上に現れた。
名前が"覇者の槍"というだけあって想定外の武具だった。

次は、サティだ。
サティには、巣穴から回収した"覇者の弓"を装備させた。
この弓も性能が不明だが、さっきの槍と同じ"覇者"を襲名しているので、想像ができるというものだ。
サティが"覇者の弓"を手に持ち、構えを取った瞬間頭上に突然6本の矢が現れた。
草原の遥か彼方をノコノコ歩いているオークがいた。
サティは弓の弦を強く引き絞り、そして弦を放した。
6本の矢は、弧を描くように空に舞い上がりオークの頭上へと降り注いだ。
"探査"と唱えてオークの反応を確認した。まもなくオークの反応は消えた。
槍の時と同じでサティの頭上には、いつのまにか6本の矢が現れた。
今度は、サティに違う方角にいたオークに対して、矢を違う方向に放つように言った。
すると、矢は上空で方向を変えてオークへと向かって行き、全ての矢がオークへと突き刺さった。
この矢は、ホーミング(追跡)することが分かった。
つまり、狙った的をイメージして矢を放つと確実に当たるということだ。
めちゃくちゃな性能を秘めた武具たちだ。

さて、ベティにはもう一度頑張ってもらおう。
ベティには"龍神の業火"というスキルがあった。ベティに聞いてみたが本人も知らないスキルのよだ。
俺達はベティの後ろにさがった。ベティからかなり下がった。怖いから。
ベティが"龍神の業火"と唱えた。
すると前方の草原一体に数百もの青い炎の柱が幾重にも重なり合いながら立ち上った。
青い炎の柱は、最も高いもので50メートルはあろうかとうほどのものだった。
数十秒間で青い炎は消えた。消えたが草原一体が焼け野原だった。もうキロメートル四方という広さだ。
これでは、戦争でもないと使えない。普段使いができないスキルだ。おそらく"封印"だろう。
この後、ベティが吠えていた。"龍神の業火"を使用した後にMPを確認したら1000も減っていたそうだ。
まるでめちゃくちゃ燃費の悪いV型8気筒スーパーチャージャー搭載の黒いインターセプターだな。

さて、気分を取り直して俺が"隕石の女王"を試し撃ちしてやろう。真打登場だ。
みんなを下がらせる。遠くへ遠くへと。もう名前からして"隕石が落下"してくるのは分かっているので、耳を塞ぐように促した。
俺は、森に籠って修行した。毎日、毎日、座禅を組んで滝に打たれた…。うそです。ごめんなさい。
"技切り姫"の剣スキルでHPとMPを奪いまくった。奪いまくった割には、HPもHPを1000を少し超えたくらいだけど。
HPもMPも1000もあれば人間離れしてるよなあ。
でも俺は、Eランクの冒険者さ。剣術Lv3の普通のヘタレだぜ。
殆ど神器にHPとMPを吸い取られるためだけに生きてる存在だぜベイベー。
まあ、無駄話はそれくらいで。
気分はシュワチャン。いくぜ"隕石の雨Lv3"。

最初は、何も起きなかった。
バグか?と思ったが、遥か遠くから甲高い爆音が轟いた。
頭上を何十もの光の奇跡が飛びかい草原に落ちた。
爆音が響いた。響いた。響いた。響いた。響いた。
爆音が止まらない。衝撃波が止まらない。砂塵で体が埋まった。死ぬかと思った。

爆音が鳴りやんだ。埋まった体を起こすべく土の中で平泳ぎをした。口の中がじゃりじゃりだ。
立ち上がって驚いた。
さっきまで焼け野原だった草原が穴。穴。穴。穴。穴。穴。穴だらけ。
数百のクレーターだらけだった。
ベティの"龍神の業火"を戦争でしか使えないと言いました。ごめんなさい。"隕石の雨Lv3"は、戦争でも使えません。
戦場でこれを使ったら10万人単位の人間が死ぬレベル。
"封印"します。
そういえば、女神様が創造した武具の腕輪がもういっこあった。
使ってみるか。
しかし、今日はやめよう。MPがない。燃料切れです。
この草原どうしようかな。辺り一面クレーターだらけだ。まるでB-52による北ベトナムの北爆だ。
今日は、"ココ"の街には帰らず森の小屋へ戻ろう。
だって"ココ"の街に戻ったら事情聴取されるのが目に見えてるもん。
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