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18.火龍の神殿
34.火龍の怒り。(その2)
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俺は、丘の下にある村に向かって歩きながら毒を吐き始めた。
「もうさあ、トロンヘイム王国のあの立派な城だけどさ、いっその事レディの"隕石の雨"で破壊してしまうか。あの魔法なら1分もあれば破壊できるぞ。」
「えー、やっていいんですか。最近あの魔法を使ってなかったから楽しみです。」
「ちょっとまってくださいよ。いきなり物騒なこと言ってませんか。まさか、そんな事が本当にできるんですか。」
諜報部の人は、俺達があまりに物騒な事を簡単に話すから不安になっていた。
「諜報部でも調べたって言っていたと思うけど、"バーラ"の城塞都市を攻めてきた魔族国の軍勢に対してレディが放った1回の"隕石の雨"の魔法で数万の魔獣を殺った実績があります。
人に対してあの魔法を放ったら数十万単位の軍隊だろうと一撃ですよ。」
真顔で話す俺の顔を見て、与太話ではないと理解したのか諜報部の人はこう言い出した。
「お願いしますから、本当にそんな事はやめてくださいよ。いくら国同士の中が悪いとはいえ、トロンヘイム王国の兵士も元は、徴兵された村人や街の人なんです。死んだら家族が悲しみます。」
俺が本当にやると思ったようで、そんなことは止めるようにと懇願してきた。
「ははは。やりませんよ。もしもの話です。でも、この国に攻めてきたら本当に考えますよ。俺もそこまでお人好しじゃありませんから。」
俺達は、皆で話ながら丘を下って麓の村へ歩いていたが、諜報部の人だけは立ち止まって考え込んでいた。
「あの人なら本当にやりかねないか。龍嫌いのトロンヘイム王国の国王も大概だが、あの榊という人はそれ以上か、ひとつの国を簡単に亡ぼす力があるなら、対応を考えなおさないとまずいか。」
諜報部の人は、ぼそぼそと独り言を言いながら榊達の後を追った。
諜報部の人は、村に駐屯している守備隊の部隊長に城壁の強化を行うと伝えに行ったが、守りが強固になるならと二つ返事で了承してくた。
俺とレディで村の周りを歩きながら、あれこれ相談して大体の構想がまとまったところで城壁作りが始まった。
レディが土魔法を唱えるとあっという間に城壁が完成していく。
城壁の高さは7mを越え、幅も3mは優にあるよな代物だった。
あまりの短時間にできてしまった城壁に見ていた者達の空いた口が塞がらなかった。
さらに城壁に隣接するように小さな要塞も作った。
壁の分厚い要塞は城壁よりも高く堅牢な作りになっていた。
さっきまで兵士が駐屯していた小さな村は、城壁の中にすっぽりと入ってしまった。
さらにレディに追加で、10体ほど阿行と吽行のゴーレムを出してもらい、城壁の外に並べてもらった。
「どうです、こんな感じで。あっ、ゴーレムはサービスです。あのゴーレム1体でオーガ1体と互角以上の攻撃能力があります。強いですよ。」
俺とレディがにこにこしながら、諜報部の人と守備隊の隊長に説明した。
「えーと。まことに言い難いのですが、これほどの規模だと、兵士の数は2000いや3000以上いないと守ることすらできません。あまりにも規模が大きすぎます。」
「それにあのゴーレムですが、あんな精工なゴーレムを見たことがありません。オーガですか…えっオーガ1体より強いんですか。ということは、オーガ1体に騎士100人であたるのが定石とされていることを考えると、ゴーレム10体で騎士1000人規模ですか。」
部隊長が頭を抱えて悩んでいるところに、派遣されてきた3000人の部隊が到着した。
「部隊長さん、なんて都合がいいんでしょうか。派遣された部隊が到着しましたよ。数も3000です。これで要塞を守る兵の数も揃いました。」
「後はお願いしますね。あっ。お金はいりませんよ。火龍神殿に信徒さんや観光客の皆さんからのご支援をたくさんいただいているので、そのお礼と思ってください。」
諜報部の人と守備隊の隊長は、お互いに顔を見合わせながらこれからどうしたものかと思案にくれていた。
「おー、これはすごいな。こんな要塞をいつ作ったんだ。これならトロンヘイム王国の軍隊が来ても守りきれるぞ。」
到着した増援の守備隊を任された隊長が満面の笑みで話かけてきた。
「おう、今できたところだ。さっきまで要塞はなかったんだよ。でも今できたんだ。」
「ははは、酒でも飲んで酔っているのか。この規模の要塞なら国の全兵隊をかき集めても築城に1年以上はかかるぞ。」
「ああ。きっと酔っているんだよ。酒は飲んでいないがかなり酔っていると思う。そうに違いない。」
諜報部の人もこの村の守備隊の隊長も体をふらふらさせていたので、俺が肩を貸して一緒に要塞の中へと入っていった。
それからしばらくすると、国境沿いにトロンヘイム王国の軍隊が集まりはじめ、大騒ぎを始めた。
さっきまで小さな村にしょぼい城壁があっただけのはずが、突然目の前に堅牢な城塞が建ったのだ。しかも半端ない規模の要塞だ。
「なんだあの要塞は、朝まではあんなものは無かったぞ。」
「いえ、さっきもありませんでした。斥候が見回りをした時には、あのような要塞は影も形もありませんでした。」
トロンヘイム王国の兵士も指揮官も目の前に突然現れた要塞の規模に信じらずにいた。
「魔術師殿、あのような要塞を魔法で作ることは、できるのですか。」
指揮官の隣りで立ちつくしたトロンヘイム王国の魔術師は、顔から汗を流し体が振えていた。誰が見ても明らかにうろたえていた。
「私は、あのような要塞を瞬時に築城できる土魔法を扱える魔術師など聞いたことがありません。しかも、城壁の前にいるのはゴーレムが1、2、3…10体もいるのか。」
「あんな城塞を瞬時に築城し、さらにあれほどの精工なゴーレムを10体も作れる者などこの周辺の国々にはいません。いや、この世界にすらいないかもしれません。」
トロンヘイム王国の魔術師は、以前、諜報部から聞き及んだある話を思い出した。
「まってください、以前、諜報部から聞いた話を思い出しました。セイランド王国が魔族国に攻め込まれた時、それを守った連中というのが見たことのない魔法を闘いの最中に何十、何百と放ったそうです。」
「魔族国は、2度セイランド王国を攻めた結果、40万以上の兵士を失い、今は停戦協定を結ぶ話し合いをしているそうです。あの闘いに秀でた魔族国がです。まさか、そんな連中が目の前にいるとしたら…。」
「指揮官殿、あのような魔術師がいる軍隊と闘うなど愚か者の所業です。おそらく、あの程度の魔法では済まないと思います。きっとあれ以上の魔法が使えるはずです。それを使われたら10万いや20万の軍隊でも一瞬で滅びます。いや、このトロンヘイム王国が滅びます。」
トロンヘイム王国の魔術師は、後ずさりを始めた。怖くてこの場所にいる事すらできなくなっていた。
「まて、早まるな。魔術師殿の言われる事も分かる。だが、これは王名なのだ。そう簡単に引き下がれぬ。一旦、城に戻り、王へ意見具申をする。それまではこの場から逃げるなどという愚行は慎んでいただきたい。」
トロンヘイム王国の指揮官も実はこの場から逃げ出したかった。しかし、自分の立場を考えると真っ先に逃げるなどできるはずもなかった。
全身から流れ出る汗を拭うことも忘れ、指揮官の責任と誇りだけでなんとか体面をとりつくろっているだけだったのだ。
「もうさあ、トロンヘイム王国のあの立派な城だけどさ、いっその事レディの"隕石の雨"で破壊してしまうか。あの魔法なら1分もあれば破壊できるぞ。」
「えー、やっていいんですか。最近あの魔法を使ってなかったから楽しみです。」
「ちょっとまってくださいよ。いきなり物騒なこと言ってませんか。まさか、そんな事が本当にできるんですか。」
諜報部の人は、俺達があまりに物騒な事を簡単に話すから不安になっていた。
「諜報部でも調べたって言っていたと思うけど、"バーラ"の城塞都市を攻めてきた魔族国の軍勢に対してレディが放った1回の"隕石の雨"の魔法で数万の魔獣を殺った実績があります。
人に対してあの魔法を放ったら数十万単位の軍隊だろうと一撃ですよ。」
真顔で話す俺の顔を見て、与太話ではないと理解したのか諜報部の人はこう言い出した。
「お願いしますから、本当にそんな事はやめてくださいよ。いくら国同士の中が悪いとはいえ、トロンヘイム王国の兵士も元は、徴兵された村人や街の人なんです。死んだら家族が悲しみます。」
俺が本当にやると思ったようで、そんなことは止めるようにと懇願してきた。
「ははは。やりませんよ。もしもの話です。でも、この国に攻めてきたら本当に考えますよ。俺もそこまでお人好しじゃありませんから。」
俺達は、皆で話ながら丘を下って麓の村へ歩いていたが、諜報部の人だけは立ち止まって考え込んでいた。
「あの人なら本当にやりかねないか。龍嫌いのトロンヘイム王国の国王も大概だが、あの榊という人はそれ以上か、ひとつの国を簡単に亡ぼす力があるなら、対応を考えなおさないとまずいか。」
諜報部の人は、ぼそぼそと独り言を言いながら榊達の後を追った。
諜報部の人は、村に駐屯している守備隊の部隊長に城壁の強化を行うと伝えに行ったが、守りが強固になるならと二つ返事で了承してくた。
俺とレディで村の周りを歩きながら、あれこれ相談して大体の構想がまとまったところで城壁作りが始まった。
レディが土魔法を唱えるとあっという間に城壁が完成していく。
城壁の高さは7mを越え、幅も3mは優にあるよな代物だった。
あまりの短時間にできてしまった城壁に見ていた者達の空いた口が塞がらなかった。
さらに城壁に隣接するように小さな要塞も作った。
壁の分厚い要塞は城壁よりも高く堅牢な作りになっていた。
さっきまで兵士が駐屯していた小さな村は、城壁の中にすっぽりと入ってしまった。
さらにレディに追加で、10体ほど阿行と吽行のゴーレムを出してもらい、城壁の外に並べてもらった。
「どうです、こんな感じで。あっ、ゴーレムはサービスです。あのゴーレム1体でオーガ1体と互角以上の攻撃能力があります。強いですよ。」
俺とレディがにこにこしながら、諜報部の人と守備隊の隊長に説明した。
「えーと。まことに言い難いのですが、これほどの規模だと、兵士の数は2000いや3000以上いないと守ることすらできません。あまりにも規模が大きすぎます。」
「それにあのゴーレムですが、あんな精工なゴーレムを見たことがありません。オーガですか…えっオーガ1体より強いんですか。ということは、オーガ1体に騎士100人であたるのが定石とされていることを考えると、ゴーレム10体で騎士1000人規模ですか。」
部隊長が頭を抱えて悩んでいるところに、派遣されてきた3000人の部隊が到着した。
「部隊長さん、なんて都合がいいんでしょうか。派遣された部隊が到着しましたよ。数も3000です。これで要塞を守る兵の数も揃いました。」
「後はお願いしますね。あっ。お金はいりませんよ。火龍神殿に信徒さんや観光客の皆さんからのご支援をたくさんいただいているので、そのお礼と思ってください。」
諜報部の人と守備隊の隊長は、お互いに顔を見合わせながらこれからどうしたものかと思案にくれていた。
「おー、これはすごいな。こんな要塞をいつ作ったんだ。これならトロンヘイム王国の軍隊が来ても守りきれるぞ。」
到着した増援の守備隊を任された隊長が満面の笑みで話かけてきた。
「おう、今できたところだ。さっきまで要塞はなかったんだよ。でも今できたんだ。」
「ははは、酒でも飲んで酔っているのか。この規模の要塞なら国の全兵隊をかき集めても築城に1年以上はかかるぞ。」
「ああ。きっと酔っているんだよ。酒は飲んでいないがかなり酔っていると思う。そうに違いない。」
諜報部の人もこの村の守備隊の隊長も体をふらふらさせていたので、俺が肩を貸して一緒に要塞の中へと入っていった。
それからしばらくすると、国境沿いにトロンヘイム王国の軍隊が集まりはじめ、大騒ぎを始めた。
さっきまで小さな村にしょぼい城壁があっただけのはずが、突然目の前に堅牢な城塞が建ったのだ。しかも半端ない規模の要塞だ。
「なんだあの要塞は、朝まではあんなものは無かったぞ。」
「いえ、さっきもありませんでした。斥候が見回りをした時には、あのような要塞は影も形もありませんでした。」
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トロンヘイム王国の魔術師は、以前、諜報部から聞き及んだある話を思い出した。
「まってください、以前、諜報部から聞いた話を思い出しました。セイランド王国が魔族国に攻め込まれた時、それを守った連中というのが見たことのない魔法を闘いの最中に何十、何百と放ったそうです。」
「魔族国は、2度セイランド王国を攻めた結果、40万以上の兵士を失い、今は停戦協定を結ぶ話し合いをしているそうです。あの闘いに秀でた魔族国がです。まさか、そんな連中が目の前にいるとしたら…。」
「指揮官殿、あのような魔術師がいる軍隊と闘うなど愚か者の所業です。おそらく、あの程度の魔法では済まないと思います。きっとあれ以上の魔法が使えるはずです。それを使われたら10万いや20万の軍隊でも一瞬で滅びます。いや、このトロンヘイム王国が滅びます。」
トロンヘイム王国の魔術師は、後ずさりを始めた。怖くてこの場所にいる事すらできなくなっていた。
「まて、早まるな。魔術師殿の言われる事も分かる。だが、これは王名なのだ。そう簡単に引き下がれぬ。一旦、城に戻り、王へ意見具申をする。それまではこの場から逃げるなどという愚行は慎んでいただきたい。」
トロンヘイム王国の指揮官も実はこの場から逃げ出したかった。しかし、自分の立場を考えると真っ先に逃げるなどできるはずもなかった。
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