ミロクの山

八陣はち

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宗慈編

ミロクを継ぐ子

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 後孔から溢れるくらいミロクの精を受け、胎は精で満たされた。
 そのまま、ミロクは動きを止めた。

「みろくさま?」

 宗慈が不思議そうにミロクを見上げた。その探るような視線を受け止めたミロクは、愛おしそうに張った腹を撫でる。

「少し、こうさせておくれ。お前が孕むまで」

 張り詰めた腹の上を、滑らかなミロクの手が滑る。触れられるたびに、温かなものが宗慈の胸に満ちていく。
 宗慈の瞳に映るミロクは穏やかな顔で宗慈を見つめていた。

「っあ?」

 ミロクが脈打つのとは違う脈動が、胎の中に響く。とくんとくんと胎の中に感じる脈動は、今まで感じたものよりもゆっくりと穏やかなものだった。

「ふふ、宗慈、上手に孕めたね。私とお前の子だよ」

 ミロクもそれに気がついたようで、うっとりと目を細めた。

「新しい、ミロクになる子。これから七日、お前の胎で育てておくれ」
「七日?」
「そう。このまま、ね」

 唇が重なり、舌を捩じ込まれて甘い唾液を送り込まれる。

「この子に、お前の快楽をたくさん食わせてやっておくれ」

 腹を撫でたミロクは、ゆったりと腰を揺すり始める。
 夥しい精を放ってなお猛るミロクの性器が、その凹凸で宗慈の熟れた粘膜を擦る。

「あう、なか、きもちい」
「あぁ、いい子だね、宗慈。もっとたくさん、よくしてあげる」

 時の感覚はすでに無くなって久しい。
 深く身体を繋いだまま過ごす七日は、永遠に終わらないようにも思えた。
 その間に与えられたのは、ミロクの唾液と、触手からの甘い粘液だけだった。それなのに、空腹は訪れず、宗慈の胎にはずっと甘ったるい疼きが続いた。
 身体中から生まれる快感は絶えず宗慈を苛み、その快楽を食って子が育ったのか、宗慈の腹は随分とふくらんでいた。
 そして。
 腹の中で、卵が爆ぜた。大きな卵が、ひとつ。ほかも、順番に爆ぜていく。
 痛みはなく、卵が爆ぜる度に甘い快感が胎から全身へと波のように伝わっていく。
 膨らんだ腹が微かに揺れ、それに合わせて勃ち上がった性器が震えて透明な雫が散る。

「っあ、ミロクさまぁ、うまれ、る」
「ふふ、そうだね、宗慈の胎のなか、元気に動いてる」
「っは、おなか、暴れて、苦し……」

 腹の中で、生まれた子が外へ出ようと身を捩る。はらわたを捏ねられるような圧迫感は快感に代わり、宗慈をまた昂らせた。

「あう、っ、なか、じんじんして、あつい」
「ふふ、産まれるね」

 ずるりとミロクが猛りを引き抜く、白濁に汚れた性器が抜け、すっかり熟れた後孔はひくひくと口を開けたまま戦慄いた。
 腹の奥から這い出そうと蠢くミロクの子。それは内から隘路を押し拡げ、しこりを抉り、押し込み、宗慈を絶頂へと押し上げる。

「んあ!」

 宗慈の性器が透明な飛沫を吹く。

「産まれるの、きもちい、ミロクさま」
「いい子だね、宗慈。ほら、たくさん気持ちよくおなり」

 ミロクの手が、蠢く腹を撫でる。

「あ、んう、でる、ぅ」

 赤く柔らかくなった窄まりを中から押し拡げ、顔を出したのは、白銀の鱗の蛇だった。
 その目は金色で、ミロクの子だとすぐにわかる。

「っあ、みろく、さまぁ、きもちい、きもちい、すごい、ッア」

 後孔を鼻先でこじ開け、子供の腕ほどの蛇が、ずるりと這い出る。
 宗慈の後孔を皺が伸びきるほど拡げて、子蛇が這い出てくる。子蛇と言っても、そのあたりにいる蛇よりもずっと大きい。それが、奥からずっと、粘液を纏った鱗で腸壁を撫でていく。 
 快感を知ったはらわたが熱く疼いて、子蛇が動く度に長く尾を引く快感が胎から湧く。

「あ、ひ」

 宗慈の性器からは何度も透明な飛沫が迸る。白濁を吐くことを忘れてしまったかのように、何度も粘り気のない透明なものを散らした。
 腹の上を熱く濡らした宗慈は、がくがくと下肢を震わせる。
 ひくつく後孔から、子蛇の尾が抜けていく。
 口を開け赤く熟れた粘膜を覗かせる後孔は、粘液を溢しながらてらてらと妖しく光っていた。
 宗慈は肢体を投げ出し、全身に汗を滲ませていた。胸を大きく喘がせ、平らになった腹を震わせて余韻に浸る。
 胎はいまだ収斂を繰り返して漣のような快感を生んでいる。

「宗慈、よく頑張ったね」

 ミロクは生まれたばかりの子蛇を抱え上げた。ちらちらと赤く細い舌を覗かせる、白銀の蛇だった。子蛇だが、その大きさは野山にいる蛇よりもずっと大きい。
 宗慈はぼやけた目でその姿を眺めた。

「ミロク様の、子」
「そうだよ。お前が産んでくれたこの子が、この土地を守ってくれる」
「ミロクさまは?」
「私は奥の山へ行くんだ。この子を見守りながら、そちらを守るよ」

 奥の山。名前は奥巳禄山だっただろうか。巳禄山の北西にある、さらに険しい山だ。
 宗慈はそれを知っている。何で知ったのか、もう思い出せなかった。

「宗慈、お前も来てくれるかい?」
「はい」

 宗慈の答えに、ミロクは満足げに微笑む。

「疲れただろう。しばらくはゆっくりお休み。疲れを癒やして、また強い子を産んでおくれ」

 穏やかな声とともに、汗に濡れた額に柔らかな唇が触れた。労いのような優しい口付けに、宗慈はその表情を柔らかく綻ばせた。

「はい、ミロクさま」

 ミロクの穏やかな笑みを見ながら、宗慈は降りてくる瞼に抗うこともできず、辛うじて捕まえていた意識から手を離した。
 白檀の香りが、宗慈をふわりと包んだのを感じながら、宗慈は深い眠りに落ちていった。
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