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恋人は難しい
第4話
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あれから涼真ははっきりと、私と付き合っていると公言するようになった。
確かに初めのころは、「なんであの人が……」そんな声も聞こえてきたが、まわりの同僚や後輩はむしろ普段の涼真に興味があるようで、質問攻めにあったりと、まるでアイドルの話でもしているような感じだった。
そのため特に何かが起きることもなく、私も涼真が女の子といることがなくなり、涼真に嫌な態度をとることがなくなり、幸せな日々を過ごしていた。
「千夏さん」
そこへ隣の部署の戦略企画部の沙耶ちゃんに声を掛けられて、私は廊下で足を止めた。
「あっ、お疲れ様」
私も久しぶりに会う沙耶ちゃんに、にこやかな笑みを浮かべた。
沙耶ちゃんは一つ下の後輩で、新人の時に私が少しだけ指導したことがあり、会えば仲良く話す関係が続いている。
「すごい噂になってますね。あの噂のアイドル王子と付き合ってるんですよね?」
涼真の事だと分かり、私は苦笑した。
「アイドル王子って……。沙耶ちゃんこそ前より表情が明るくなったわよね?」
沙耶ちゃんはどちらかというと、クールで感情を表にあまり表さない子だった。
でも最近はよく笑っている気がする。
「そうですか?」
少し赤くなった沙耶ちゃんに、私は思い出して小声で尋ねた。
「沙耶ちゃんの幸せの原因って水田課長?」
私の問いに、沙耶ちゃんはキョトンとした表情を見せた。
「え?水田先輩ですか?」
その答えから、本当に沙耶ちゃんと水田課長は何もないのだろうと思った。
これで本当に美耶子に水田先輩を進めてみようかとそんな事を思いながら沙耶ちゃんを見た。
「あっ、違うならいいの!」
慌てていった私に、沙耶ちゃんはすごくキレイな微笑みをした。
「千夏先輩。水田先輩とは何もないです。それに……私もうすぐ結婚するんです」
「え!!??そうなの!おめでとう!どんな人?」
この沙耶ちゃんを落とすなんて、どんな素敵な人なんだろうと考えを巡らせた。
「えっと……まだ他の人には内緒にしてもらえますか?発表まだなので」
沙耶ちゃんの言葉に、私はうんうんと頷いた。
「まえ、うちの上司だった……」
そこまで聞いて私は啞然として沙耶ちゃんを見た。
「まさか……佐伯常務?」
小さく頷いた沙耶ちゃんを私は呆然と見ていた。
佐伯常務が相手なら、どんな人もかすんで見えるかもしれない。
涼真がアイドルのようなものなら、佐伯常務は雲の上の人だ。私たちの会社の親会社である、佐伯ホールディングスの若き常務で、佐伯グループの次男。仕事はもちろん、ルックスも性格も完璧で、天は二物を与えずということわざなど、どこ吹く風の人だ。
「そっか……沙耶ちゃんおめでとう」
やっとその事実を飲み込むと私はニコリと笑うと、沙耶ちゃんも笑顔を返してくれる。
その夜、涼真と一緒にならんでキッチンで鍋を作りながら、私は幸せな気分で歌を歌っていた。
「ちな、なんかご機嫌?」
そんな私を見て、クスクスと笑いながら涼真は私を見た。
沙耶ちゃんの幸せな話も聞けたし、私もこんな時間を過ごせることが嬉しかった。
「うん、幸せだなって」
そんな私を優しく見つめてくれる涼真をみて、私はニコリと笑みを浮かべた。
これから、いろいろな事があるかもしれないが、一つずつ乗り越えて、一緒にいたい心からそう思った。
End.
確かに初めのころは、「なんであの人が……」そんな声も聞こえてきたが、まわりの同僚や後輩はむしろ普段の涼真に興味があるようで、質問攻めにあったりと、まるでアイドルの話でもしているような感じだった。
そのため特に何かが起きることもなく、私も涼真が女の子といることがなくなり、涼真に嫌な態度をとることがなくなり、幸せな日々を過ごしていた。
「千夏さん」
そこへ隣の部署の戦略企画部の沙耶ちゃんに声を掛けられて、私は廊下で足を止めた。
「あっ、お疲れ様」
私も久しぶりに会う沙耶ちゃんに、にこやかな笑みを浮かべた。
沙耶ちゃんは一つ下の後輩で、新人の時に私が少しだけ指導したことがあり、会えば仲良く話す関係が続いている。
「すごい噂になってますね。あの噂のアイドル王子と付き合ってるんですよね?」
涼真の事だと分かり、私は苦笑した。
「アイドル王子って……。沙耶ちゃんこそ前より表情が明るくなったわよね?」
沙耶ちゃんはどちらかというと、クールで感情を表にあまり表さない子だった。
でも最近はよく笑っている気がする。
「そうですか?」
少し赤くなった沙耶ちゃんに、私は思い出して小声で尋ねた。
「沙耶ちゃんの幸せの原因って水田課長?」
私の問いに、沙耶ちゃんはキョトンとした表情を見せた。
「え?水田先輩ですか?」
その答えから、本当に沙耶ちゃんと水田課長は何もないのだろうと思った。
これで本当に美耶子に水田先輩を進めてみようかとそんな事を思いながら沙耶ちゃんを見た。
「あっ、違うならいいの!」
慌てていった私に、沙耶ちゃんはすごくキレイな微笑みをした。
「千夏先輩。水田先輩とは何もないです。それに……私もうすぐ結婚するんです」
「え!!??そうなの!おめでとう!どんな人?」
この沙耶ちゃんを落とすなんて、どんな素敵な人なんだろうと考えを巡らせた。
「えっと……まだ他の人には内緒にしてもらえますか?発表まだなので」
沙耶ちゃんの言葉に、私はうんうんと頷いた。
「まえ、うちの上司だった……」
そこまで聞いて私は啞然として沙耶ちゃんを見た。
「まさか……佐伯常務?」
小さく頷いた沙耶ちゃんを私は呆然と見ていた。
佐伯常務が相手なら、どんな人もかすんで見えるかもしれない。
涼真がアイドルのようなものなら、佐伯常務は雲の上の人だ。私たちの会社の親会社である、佐伯ホールディングスの若き常務で、佐伯グループの次男。仕事はもちろん、ルックスも性格も完璧で、天は二物を与えずということわざなど、どこ吹く風の人だ。
「そっか……沙耶ちゃんおめでとう」
やっとその事実を飲み込むと私はニコリと笑うと、沙耶ちゃんも笑顔を返してくれる。
その夜、涼真と一緒にならんでキッチンで鍋を作りながら、私は幸せな気分で歌を歌っていた。
「ちな、なんかご機嫌?」
そんな私を見て、クスクスと笑いながら涼真は私を見た。
沙耶ちゃんの幸せな話も聞けたし、私もこんな時間を過ごせることが嬉しかった。
「うん、幸せだなって」
そんな私を優しく見つめてくれる涼真をみて、私はニコリと笑みを浮かべた。
これから、いろいろな事があるかもしれないが、一つずつ乗り越えて、一緒にいたい心からそう思った。
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