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11 予想外の再会
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セドリック様の邸でお世話になること5日。ようやく王都から返信が来た。セドリック様が言うには遅いらしい。
俺はセドリック様の執務室に呼ばれ、返信の内容を聞いている。
「ヨミ、君は本当に何者だ?こんな破格な報償を出すとは。君の報償として、金貨千枚と我マトック侯爵家とコリーナ辺境伯家の後ろ楯が付くそうだ。表立っては我が家が出て、裏工作はコリーナ辺境伯が担うらしい。こちらが報償の金貨だ」
そう言って机に袋を置いた。俺も、報償はそれなりのお金が出るだけだろうと思っていけど、まさか貴族の後ろ楯が付くとは思わなかった。しかも2家。
しかも、裏工作って何?不穏すぎるよ!
「・・・俺はただの冒険者ですよ。それ以上でも以下でもないです。とても恐れ多い事ですが、よろしくお願いしますでいいんですかね?」
「まぁ、君にとっては報償でも、私達にしてみれば王命が下ったものだから、断られたら困るな」
俺の問いに、セドリック様はそう答えたので、俺は改めてよろしくと頭を下げた。
「と言うわけで、ここにいる間のヨミの滞在所はここだから。今日から街に出てもいいけど、ちゃんとここに帰ってきてくれよ。王都へ行くことがあれば、王都の侯爵家を訪ねるように。王都の邸にも通達はしておくから」
先回りで釘を刺されてしまった。俺は引きつった顔のまま
「ありがとうございます。しばらくの間お世話になります」
といって、お金の入った袋を受け取って部屋を出た。
アケルに来てすぐに、セドリック様の邸に軟禁状態だったので、久しぶりにギルドへ行こうと思い、ちょうどこちらへ来たクリスさんに出かける事を伝えて街に出た。
ビルナの街もそうだけど、この街も大変賑わっていた。俺は予定通りギルドへ行くと、ギルド内はお祭り騒ぎになっていた。
ギルドの食堂は夜以外はお酒を出さないと、ビルナの食堂のおっさんに聞いたけど、ここでは昼からお酒が出ているみたいだ。
俺は入り口の受付のお兄さんに
「何かあったの?」
と聞くと
「前から嘆願があったAランクの無期限化がようやく先日実現したので、このようにお祭り騒ぎになっているんです。でもそろそろマスターからの雷が落ちるでしょうね。このところ依頼そっちのけで酒盛りしていますから」
と二階に目をやり、呆れたように言った。
俺は教えてくれたことにお礼を言ってから、とばっちりを受ける前にギルドを後にした。
「しばらくは近寄らない方がいいかな。くわばらくわばら」
俺は予定を変更して街を散策することにした。
ビルナは露店、住宅街、その他店と3つの道に分かれてまとめられていたけど、ここアケルは住宅街以外の露店やお店などは、食べ物屋、武器・道具屋、その他雑貨屋と種類毎に分かれていた。
俺は何処から見て回ろうかと考えていると、ラグがポケットから顔を出し
『ヨミ、あっちの方から弱いけど神気を感じる』
とギルドの裏側の道を指した。ギルドの裏側はその他雑貨屋がある道だ。
『神気って事は、他の育成者がいるってことか』
『多分。でも邪神になってはいないけど、かなり弱ってる。ヨミ、、』
俺はラグの指した道を見て、そしてラグを見た。
何かを訴えるように俺を見上げるラグに
『ラグは助けたいんだな、その子を』
ラグはなにも言わず、コクンと頷いた。
相手があの2人の内のどちらかだったら面倒な事になりそうだと、青とピンクを思い浮かべたけど、頭を振りそのイメージを振り払った。
俺はラグに笑いかけ、そっと頭を撫でた。そして足を進めた。ギルドの裏側の道へ
『ヨミ、ありがとう!』
ラグはポケットから出てきて俺の肩に乗ると、俺の顔を顔をくっつけてスリスリして喜びを表した。
「くすぐったいよ、ラグ」
そう言って、俺はラグをまたポケットに戻した。
ラグの案内に従って進み、もうすぐ門だと言うところで
『ヨミ、あそこ。あの建物の陰』
ラグが指した所にあったのは、宝石を削った時にでる屑を使った装飾品を扱っているお店だった。
その建物に隠れるように、蹲ってる人が見えた。俺はそっとその人物に近づいた。
近づいて分かったのは、その人物の髪の色が黄色だと言うことだ。
(確かに、目も合わせてくれなかった人だよな)
危惧した人物では無かったが、友好的は人物でもなかった。だからといってこのまま回れ右は出来ない。
俺は意を決して声をかけた。
「大丈夫ですか。こんなところで何をしているんです」
なるべく優しそうな声で問うと、彼女はゆっくりと顔を上げた。
俺はセドリック様の執務室に呼ばれ、返信の内容を聞いている。
「ヨミ、君は本当に何者だ?こんな破格な報償を出すとは。君の報償として、金貨千枚と我マトック侯爵家とコリーナ辺境伯家の後ろ楯が付くそうだ。表立っては我が家が出て、裏工作はコリーナ辺境伯が担うらしい。こちらが報償の金貨だ」
そう言って机に袋を置いた。俺も、報償はそれなりのお金が出るだけだろうと思っていけど、まさか貴族の後ろ楯が付くとは思わなかった。しかも2家。
しかも、裏工作って何?不穏すぎるよ!
「・・・俺はただの冒険者ですよ。それ以上でも以下でもないです。とても恐れ多い事ですが、よろしくお願いしますでいいんですかね?」
「まぁ、君にとっては報償でも、私達にしてみれば王命が下ったものだから、断られたら困るな」
俺の問いに、セドリック様はそう答えたので、俺は改めてよろしくと頭を下げた。
「と言うわけで、ここにいる間のヨミの滞在所はここだから。今日から街に出てもいいけど、ちゃんとここに帰ってきてくれよ。王都へ行くことがあれば、王都の侯爵家を訪ねるように。王都の邸にも通達はしておくから」
先回りで釘を刺されてしまった。俺は引きつった顔のまま
「ありがとうございます。しばらくの間お世話になります」
といって、お金の入った袋を受け取って部屋を出た。
アケルに来てすぐに、セドリック様の邸に軟禁状態だったので、久しぶりにギルドへ行こうと思い、ちょうどこちらへ来たクリスさんに出かける事を伝えて街に出た。
ビルナの街もそうだけど、この街も大変賑わっていた。俺は予定通りギルドへ行くと、ギルド内はお祭り騒ぎになっていた。
ギルドの食堂は夜以外はお酒を出さないと、ビルナの食堂のおっさんに聞いたけど、ここでは昼からお酒が出ているみたいだ。
俺は入り口の受付のお兄さんに
「何かあったの?」
と聞くと
「前から嘆願があったAランクの無期限化がようやく先日実現したので、このようにお祭り騒ぎになっているんです。でもそろそろマスターからの雷が落ちるでしょうね。このところ依頼そっちのけで酒盛りしていますから」
と二階に目をやり、呆れたように言った。
俺は教えてくれたことにお礼を言ってから、とばっちりを受ける前にギルドを後にした。
「しばらくは近寄らない方がいいかな。くわばらくわばら」
俺は予定を変更して街を散策することにした。
ビルナは露店、住宅街、その他店と3つの道に分かれてまとめられていたけど、ここアケルは住宅街以外の露店やお店などは、食べ物屋、武器・道具屋、その他雑貨屋と種類毎に分かれていた。
俺は何処から見て回ろうかと考えていると、ラグがポケットから顔を出し
『ヨミ、あっちの方から弱いけど神気を感じる』
とギルドの裏側の道を指した。ギルドの裏側はその他雑貨屋がある道だ。
『神気って事は、他の育成者がいるってことか』
『多分。でも邪神になってはいないけど、かなり弱ってる。ヨミ、、』
俺はラグの指した道を見て、そしてラグを見た。
何かを訴えるように俺を見上げるラグに
『ラグは助けたいんだな、その子を』
ラグはなにも言わず、コクンと頷いた。
相手があの2人の内のどちらかだったら面倒な事になりそうだと、青とピンクを思い浮かべたけど、頭を振りそのイメージを振り払った。
俺はラグに笑いかけ、そっと頭を撫でた。そして足を進めた。ギルドの裏側の道へ
『ヨミ、ありがとう!』
ラグはポケットから出てきて俺の肩に乗ると、俺の顔を顔をくっつけてスリスリして喜びを表した。
「くすぐったいよ、ラグ」
そう言って、俺はラグをまたポケットに戻した。
ラグの案内に従って進み、もうすぐ門だと言うところで
『ヨミ、あそこ。あの建物の陰』
ラグが指した所にあったのは、宝石を削った時にでる屑を使った装飾品を扱っているお店だった。
その建物に隠れるように、蹲ってる人が見えた。俺はそっとその人物に近づいた。
近づいて分かったのは、その人物の髪の色が黄色だと言うことだ。
(確かに、目も合わせてくれなかった人だよな)
危惧した人物では無かったが、友好的は人物でもなかった。だからといってこのまま回れ右は出来ない。
俺は意を決して声をかけた。
「大丈夫ですか。こんなところで何をしているんです」
なるべく優しそうな声で問うと、彼女はゆっくりと顔を上げた。
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