神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞

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閑話 ラグのひとりごと

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僕の名前はラグレット。ヨミからはラグと呼ばれているよ。

まず僕という存在について教えるね。

僕は神候補の一人。え?一匹じゃないのかって?
この姿は仮の姿なんだ。僕がちゃんとした神になれるように導いてくれる、育成者で仮親のヨミの深層心理にある庇護欲をそそる姿がこの姿。

とっっっっってもかわいいから僕も気に入っているんだ。

育成者は僕たちの眷属扱いになるけど、これはヨミも知らないことだけど、眷属扱いすることで僕たちの仮親である育成者を守る事になるんだ。

人の身では習得出来ない、もしくは体が持たないような魔法やスキルを扱うことが出来るようになるし、なんと育成者期間は不老不死になるんだ。

でもこの事は育成者は知らないし、これからも知らせることはない。僕がヨミをどんなに大好きでも伝えるつもりはない。って言うか、伝えられない。

神だからとなんでも出来るわけではない。制限がある。それは候補の時から、ううん。生まれたときから付けられるんだ。その事を、僕たちは本能で理解し受け入れてる。

次は育成者についてだけど、育成者は神候補の仮親的存在。そして、これは生まれた時に備わる知識でしか分からないけど、元々は神使がその役割にいたみたい。

神使っていうのは、元々人間で徳を積むことで魂が神格化した元人間の事を指す。

だから純粋な神や僕たちのような候補との間には高くて分厚い壁があるんだ。

今のここの仮主神は、神使がその神格を上げて真の神になった数少ない神なんだ。

そして、何を隠そうここの亡くなった神の育成者が今の仮主神。立派に神を育て上げたことで当時の上神が神格を上げたって事みたい。

それから神候補の育成者は、神使の神への試験になったんだって。

この世界の神が亡くなったことで早急に神をあてがう必要があったため、この世界の神を決める為、神使の試験に合格したらここの新しい神になる権利をかけた。

しかし、それが裏目にでた。私利私欲に刈られた神使が相次いで邪神を生み出した。

勿論、邪神に育てた神使は消滅。邪神になった候補は浄化の為卵に戻し、邪心が消えるまで隔離浄化される。(ヨミたちには邪神になったら消滅って説明しているみたいだけど)

だけど、今いる神は全員自分の世界を持っている。仮主神をしている神も、自分で育てた神の世界だから壊したくないと、自分の世界を持っているのに、無理をして仮主神をしている。

だから新しい神を生み出し、その神にこの世界を託したいのだ。

その為、100年前から苦肉の策で神使に霊魂の中から自分で選んだ者が、候補を立派に神に育てたら神格を上げるとして試験内容を変えた。

もし邪神に育てたら、育成者と育成者を選んだ神使は連帯責任で消滅する。仮主神は厳しい神なんだな。

今回の場合は、6人全員が神を育て上げたら、話し合いでこの世界の神を決め、他の者は新しい自分だけの世界を作る権利を得られる。そこには僕たちも含まれる。

仮親である育成者は、次の生で約束された人生を歩むことが出来る。

(今回の育成者の中の約2名は多分、担当の神使からこの事を教えられている可能性がある)

とは、後から仮主神から告げられた。その2名の中にヨミはいないと言っていた。ほっとしてした。

そしてなぜこの世界の神が亡くなったか。それは迷い子という、違う世界の魂が間違ってこの世界で前の生を記憶したまま転生したことで歪みが生じたんだ。

亡くなった神もすぐに対応していれば良かったんだけど、なぜか世界が危機に陥るまで気づかなかった。

迷い子が亡くなった神を否定し、なぜかそれが世界中に広まり、邪心で世界が覆われた。その事で神聖獣たちはそっちの対応に追われて神の補佐が出来なかった。

自分を否定されても、この世界で生きている人達を守りたいと、神は己の命を持って世界を安定させた。

その際、神の無慈悲で迷い子は消滅。まぁ、そうだよね。迷い子のせいで世界が壊れる所だったんだ。

いくら優しい神でも、慈しんだ自分の世界を壊されれば怒るよ。

神が居なくなって、仮主神が立ったことでこの世界の名は無くなった。今は“アンノウ”と仮名が付き、国名も消えた。その為、“仮”や“仮初”と言った意味の国名に変わっている。これは仮主神が自分の育てた神を死に導いた世界の人達への罰だ。でも世界の名も、国名も消えた事は人々は認識していない。感性の鋭い人はあれ?って違和感を覚えただろうけど、今はもう当時の人間たちは生きていない。

神が居なくなったことは、仮主神が当時神託をしたのでそれが受け継がれている。だけど神の選定の事は伝えてはいなかったのに、ごく一部に伝えられているのは、当時の育成者の神使の誰かが口を滑らせたのかもしれない。

さて、この世界の事や僕たちやヨミの事はだいだい話したかな?僕の仮親であり、眷属のヨミ。僕は君の事を信じてるし、大好き。だから一緒に成長しようね。
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