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2 ダンジョンマスター(管理人)になった

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 あれから月日は経ち、俺は16歳になった。
 それなりに剣も使えるようになり、一人でもある程度の魔物なら、倒せるようになった。相変わらずスキルの使い方は分からないが、、、。
 そんなある日、領主様に呼ばれ、お屋敷に行った。そこで、俺は耳を疑う事を言われた。

「リュート、お前に頼みたいことがある。この領地の近くにダンジョンができた。お前にはそのスキルを使って、ダンジョンの管理をして貰いたい」

「は?」

 いや、意味わかんないんだけど?俺のスキルはモンスター管理者であって、ダンジョンの管理者ではない。確かに、ダンジョンにはモンスターがいるが。そもそもの話、ダンジョンって管理出来るものなの?
 俺はあまりの事に脳が停止して、領主様を見つめる形で固まってしまった。

「旦那様、言葉が足りません。見てください。可哀想に、固まってしまっているではないですか」

 執事長の人に窘められ、領主様が詳しく説明してくれた話によると、俺のスキルの事を領主様も、辺境伯としての色々な伝を使って調べてくれていたとの事。なんなら、王城の図書室まで行って調べてくれたらしい。畏れ多い。そして、見つけた。王城の図書室で見つけた本に書かれていた内容には、

 魔物とモンスターは本来、別物という事。
 魔物とは、動物や昆虫などの自然の生き物に魔力が定着し、魔法が使えたり、突然変異したものをいい。
 モンスターとは、ダンジョンなど大量の魔力溜まりで出来た、不可思議な場所で発生するものの事を言う。、、らしい

 そして俺のスキルはモンスター管理者。
 そして何の因果か、領地の近くにダンジョンが出来た。そこで領主様は閃いた。
 俺が、ダンジョンのモンスターをスキルで制御出来れば、ダンジョンもついでに管理出来るのでは?と、
 領主様、そんな簡単な事みたいに言わないで下さい。

数日後、領主様がダンジョンに入る為に、もし俺のスキルが使えない時の為と、攻略の為に最高戦力である、あの時の7人が選ばれた。

 まず、剣聖のシューベルト様。
 闘神のキッシュ。
 戦神のバルト。
 魔術師のゾーア。
 障壁のガイア。
 鉄壁のビルド。
 治癒師のマルシェ。
 この7人は実際にもパーティーを組んで、森で魔物の討伐もしているので連携も取れる。これでどんなことにも対応できると望んだ。

 ダンジョンに入り最初のモンスター、スライムを認識したらスキルが発動した。使い方は自然と分かる。

例えば、戦闘系と壁役は技を出す時にスキルが発動して、攻撃や防御を行う。
 魔術師と治癒師はスキルがそのまま魔法として使える。
 サポート系は武器や防具、魔道具を造る時にスキルが発動し出来次第で効果が付与される。
俺の場合は、標的が目に付いたらスキルが発動して、俺の眷属になる。

 スライムは、攻撃しようとしていたのを止めた。このスキルは一匹に掛ければ、その種族の全てが俺の眷属になる。これでもう、ダンジョン内のスライムはもう敵にはならない。

ダメ元でスライム達に道案内と、罠があれば罠の解除を頼んでみたら、やってくれた。キッシュとバルトはそんなの邪道だ!と文句を言っていたが、どのみちこのダンジョンのモンスターは全て、俺のスキルで眷属にするので、戦闘はあまり無いと思う。

 このダンジョンは、地下に行くタイプのダンジョンで全20階層。五階毎にボスがいた。しかし、ボスもスキルを使いスルーして、最速で20階迄行くと、20階のボス、グレートベアにもスキルを使う。と、なぜか俺だけを転移装置がある場所とは違う、何も無い反対側の壁に連れて行こうとした。

 シューベルト様達が慌てて俺の後を追ってくると威嚇し、離れるとまた俺を連れて行こうと歩き出す。威嚇するグレートベアを見た俺は一抹の不安を覚え、シューベルト様達の方を向き

「えっと、スライム達。他のモンスター達に、ここにいる人達には俺が居なくても、危害を加えないようにと伝えてくれるか?」

 と、ここまで案内してくれたスライム達に言うと、数匹を残して散開して行った。

「もし、襲われてもこの程度のモンスターなら大丈夫だ。心配なのはリュートの方だ。大丈夫なのか?何があるかわからないんだ、なんなら誰か一人でも連れて行けないか?」

 と、心配そうに聞いていた。けれども、しっかりとスキルで眷属になってるので、

「俺も大丈夫だ。でも、一時間しても帰って来なければ脱出してくれ。あまり遅いと領主様や皆が心配するだろうから」

 皆が何か言いたそうにしていたが、シューベルト様が止め、

「分かった。ちゃんと戻ってこい」

「ああ。当たり前だ」

 そう言って、シューベルト様達に背を向け、グレートベアに付いていった。
 付いて行った先は、真っ白な空間でその中央に青く光る珠が鎮座していた。

 その珠の側にグレートベアが行き、俺を見た。この空間に圧倒され、止まっていた足を動かし、珠の側まで行くと、触れろと言うように俺の手と、珠を指さしていたので、恐る恐る触れた。

 珠に触れることで、この珠がダンジョンコアである事、そしてダンジョンコアもモンスターの分類である事が情報として流れてきた。スキルの対象だったので、ダンジョンコアも俺の眷属になった。意図せずして、俺はダンジョンの管理人になった。
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